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セカチュウを受け取り損なってしまった。物語の奇跡に出会えなかったわけだ。

物語って奇跡のことだから、一生かかっても書けるものではない。だからみんな物語の終焉というのだ。私が、当時、セカチュウを観なかったのは、同年のドラマ『彼女が死んじゃった。』にハマり過ぎたからだ。私はドラマは、音楽が良いと、繰り返しリピートで観てしまう。映像喚起的というより、物語が音楽を喚起するからだろう。しかし、『世界の中心で、愛をさけぶ』(原題『恋するソクラテス』)は、より音楽的だった。2004年から12年もたってやっと一昨日、初めて観たのだが、それは物語の一つの奇跡だったのだ。 形あるものの歌という禅問答に、傘で応答し、送れなかったお爺ちゃんが送られていくためだけに、彼女は物語から退場させられる。そして弔辞ではなく、最後の禅問答がソラノウタとして書かれたのに、それを17年受け取り損なう物語。このように、奇跡は必ず誤配されてしまう。まるで脱構築の魔法が解けるように。 続きを読む
人文 世界の中心で、愛をさけぶ セカチュウ
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大本薫 Kaoru Ohmoto @sunamajiri
さてHULUで観ていなかったドラマを通してみる特集。『高校教師』2が、三島の絶筆を超える境地を表現していたのだが、ではセカチュウ『世界の中心で愛を叫ぶ』。これは第一話からぐいぐい世界に引き込まれる。個人的には都会ではなく田舎のロケ地というのも世界的に見える。物語に殺されそうだ。
大本薫 Kaoru Ohmoto @sunamajiri
だめだ、セカチュウ抜け出せなくなる、精神解体されそう。形あるものである気力がなくなって藻屑になりそう。後日談語りの極限いかないで、メランコリックになって精神壊れちゃうよー。当分鬱になりそう。ということで7話途中でお休み(^-^)/
大本薫 Kaoru Ohmoto @sunamajiri
セカチュウって四国の話と勘違いしてみてたのだが、ロケ地は西伊豆なのか。(^-^)/ loca.ash.jp/show/2004/d200…
大本薫 Kaoru Ohmoto @sunamajiri
セカチュウほんとに精神壊れそう。たぶん音楽も喚起的だからだろう。iTunesショップにないから、いまTSUTAYAのクーポンあったからサントラかりてきた。形あるものである気力がまじにやばくなる、死にたくなる。
大本薫 Kaoru Ohmoto @sunamajiri
主題歌じゃなくサントラの作りが良いと、ドラマははまるものなのだ。高校教師は主題歌とサントラがどっちつかずで、音楽のセンスが生理的に苦手だったのだが、セカチュウは、気持ちが折れるほど喚起的なサントラでまいるな。(^-^)/
大本薫 Kaoru Ohmoto @sunamajiri
しかし、曲だけ聴くと大したことないのだから、これは物語の磁場。17年後から、2つの喪失を回想する語りが喚起するサントラなのだから、劇中で何かに引き換えて作曲される音楽より、換気的に聴こえるのだろう。
大本薫 Kaoru Ohmoto @sunamajiri
西欧の悲劇はオイディプスがらみにしかならないが、この儚さの悲劇は、ほんとうに応える。文化祭でシェイクスピアを喜劇に差異化する話が出てくるが好対照。生きていられなくなる。ドラマ 世界の中心で愛をさけぶ サントラ「朔と亜紀」 youtu.be/kkC9Y_vgvCw
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大本薫 Kaoru Ohmoto @sunamajiri
17年後から回想される喪失が、祖父から手渡されたような喪失というのがやばいね。おじいちゃんの気持ちが連れていってしまうかのようなのだが。ゼロ年台はなぜか必然的にダブルオイディプスが物語られるのだが、その限界点を物語ってるから、喚起的すぎるのだろう。生きていられなくなる。
大本薫 Kaoru Ohmoto @sunamajiri
高校教師は、インセスト・タブーを齎したオイディプス悲劇を、煩悩であったように癒やすものとして、不治の病が逆転移というセリフまで語らせ、三島の絶筆の死別した彼女の転生を幻想していた英語教師が先立つことで、不治の病から生還する話だが、セカチュウでは不治の病は祖父からの転移なのよね。
大本薫 Kaoru Ohmoto @sunamajiri
祖父が出征時、死別を覚悟した大恋愛の彼女が、戦争から引き上げてくると不治の病に侵されていて、結局結ばれなかった話を、友達にせがまれて、自分も片想いの彼女を、不治の病と捏ち上げてラジオ番組に投稿したら、仲良くなることで、祖父が、結ばれなかった彼女との思いを遂げ急逝するのよね。
大本薫 Kaoru Ohmoto @sunamajiri
祖父が結ばれなかった彼女の墓から灰を盗み出し、自分が死んだら自分の灰と混ぜて、散骨して欲しいと言ってるのだが、彼女がそれを聴いて胸を打たれて彼の背中をおすのよね。すると、祖父は一気に急逝してしまう。そして、結ばれそうになったら、彼女が急性白血病になるという。たまらんわ反則よ。
大本薫 Kaoru Ohmoto @sunamajiri
彼女が元気だった時の思い出は、お爺ちゃんが出征した廃駅で、結ばれなかった者同士の灰を混ぜて散骨するシーンだけという。このことをするためだけに彼女が生きていたのよね。ふっと風が吹いてお爺ちゃんの灰が空に吸い込まれる描写がたまらない。 pic.twitter.com/aW3I5ijoAL
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大本薫 Kaoru Ohmoto @sunamajiri
中上健次の宿業の物語ではないが、思いを遂げられず死ぬことも出来ない人達を、葬るためだけに生まれてきて、自分も死ぬという宿業の物語なのだが、担任の女性教師が古典の先生で、その気持をわかってあげて、癒やす存在なのよね、たまらないわ。
大本薫 Kaoru Ohmoto @sunamajiri
お爺ちゃんは文学書に囲まれて写真館を営んでいたが、男子は灰に気を取られているが、壁に貼ってあった結ばれなかった彼女の写真の裏にある詩に気づくのも彼女、それを図書室で担任の古典の先生が、物語にして聴かせるのよね。 pic.twitter.com/Ww9eRntIMe
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大本薫 Kaoru Ohmoto @sunamajiri
お爺ちゃんの写真館には文学書が溢れている。でも書棚の西欧文学からは、宿業は物語られない。お爺ちゃんが彼女には、その思いを素直に物語るのよね。そしてそれが物語だと彼女に気づかせるのが古典の担任教師。 pic.twitter.com/j6mdXwWAhS
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大本薫 Kaoru Ohmoto @sunamajiri
現在と17年前がパラレル進行するが、17年後、彼女の灰を手放せず、17年ぶりにやっと帰郷した主人公が、変わらず古典を教えてる恩師に、自分の胸の中にしか記憶が無いというと、私がすべて覚えているから忘れなさいという。すると今に寄り添う女友達に、初めて物語ることができるようになる。
大本薫 Kaoru Ohmoto @sunamajiri
93年のドラマ高校教師は、死別と転生がタブーを犯し、10年後の高校教師で、不治の病がタブーを赦す逆転移が語られると、引き換えに不治が解けていく物語で、それによってやっと素直に、かわいそうにというセリフが言える。つまりゼロ年代にかけて、素直なセリフが渇望されたわけだが~
大本薫 Kaoru Ohmoto @sunamajiri
セカチュウは、好きよといえた彼女に、好きよとなかなかいえない。それが17年後、はじめてそのセリフをいうことができるようになる物語になっていて、そこでは呪縛を解くのが古典教師なのだ。物語が分かること、それだけが呪縛を解いているのだ。
大本薫 Kaoru Ohmoto @sunamajiri
物語の終焉といわれるが、物語が終焉したのではなく、倒錯が起こっただけということなのだ。素直なセリフが死滅していただけで、その宿業という呪縛を解くのは物語にしか出来ない。そんな葛藤が語られている。それが非常に切ないのだ。
大本薫 Kaoru Ohmoto @sunamajiri
セカチュウは、結ばれなかった祖父の物語(思い)が、彼女に出会わせ、彼女によって祖父は葬られ、そして彼女も物語を終えてしまう。物語に触れた(振り回せれた)主人公は取り残されるが、それを物語だと言い聞かせる古典教師によって、やっと語り手に転じることができるように、物語られる。
大本薫 Kaoru Ohmoto @sunamajiri
セカチュウは、古典の先生が神の視点のように、17年前、彼女を物語に投げ込み、17年後、彼女の灰を捨てられない主人公を、物語行為に投げ返す、という世界の中心が語られた、本当に印象深いドラマだ。 pic.twitter.com/dEZONMPZKe
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大本薫 Kaoru Ohmoto @sunamajiri
物語に被投されること。17年前の夏休み、自分の病気を直観しはじめた彼女は、それを顔に出さず、主人公と同級生と無人島に逃避行。ところが同級生が気を利かせて帰ってしまうと、無人島の廃屋で、エッチではなく、神の話をするのよね。 pic.twitter.com/tjhlXKgB3B
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大本薫 Kaoru Ohmoto @sunamajiri
「ねえ、あの世って信じる?」「信じたいと思うけど」「そっか」「アキは?」「信じれらないな」「なんで?」「それって、やっぱり遺された人達が作った世界の気がする。存在してほしいって願う世界っていうか」「アキは神頼みとかもしなさそうだものね」「でも神様はいないと困るよ」
大本薫 Kaoru Ohmoto @sunamajiri
「え?どういうこと?」「ラッキーとアンラッキーをコントロールしないと」「・・・なにそれ?」「すごーく幸せだった人は、すごーく不幸になったりとかするじゃない。どんな人生も、結局プラスマイナスゼロになるようにできている気がしない?」「それを調節するのが神様ってこと?」
大本薫 Kaoru Ohmoto @sunamajiri
「うん、そう。何してるの?」「今俺のプラス分、神様に頼んでアキに回してもらってたから。俺別にマイナスでもいいし。アキの方が叶えたい夢とか、いろいろありそうだし」「好きよ、サクちゃん」。このダイアログをするための一夜が過ぎ去ると、彼女は急転直下死の床に付すのよね。
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