「戦争／ガンダムはかっこいい」か？ ～安彦良和さんインタビュー記事感想など（修正再構築）

ヴォネガット原作のSF「スローターハウス５(屠殺場５号)」。時空を彷徨う主人公は米兵捕虜としてドレスデンで味方の爆撃を体験する。

「キャッチ２２」。実行不能な軍規。"精神に異常をきたした者は申請すれば除隊が認められる、ただし、精神に異常のある者の申請は認められない。"

手塚治虫を感動させた「桃太郎 海の神兵」に先立つ真珠湾奇襲アニメ。両作を監督した瀬尾光世の映画的カットワーク、メカ描写のリアル指向は戦後日本アニメとの繋がりを指摘する声もある。真珠湾では戦前日本人が親しんだアメリカ漫画のキャラも登場する。

実際に戦時中に起きた米軍捕虜の生体解剖事件を描いた「海と毒薬」。熊井啓監督作品の中でも物凄い映画力。兵士が殺し合う事が既に倫理に反しない世界で、兵士を生体解剖する事は倫理の何に反するのか。それは、海に一瓶の毒薬を垂らす様なものか。

岡本喜八監督の「日本のいちばん長い日」予告。全て事実に基づく。超名作。これを見ておけば安倍首相の様にポツダム宣言と原爆投下の順番を間違って覚える事はありません(ぉ。黒沢年男と天本英世のブチ切れ芸だけでごはん三杯。

かつて市川崑監督も映画化した「野火」、2015年作品。太平洋戦中の日本兵死者の６割(約140万人)は「戦死」でなく「餓死」だったと推計されている。

韓国の３Dクリエイターが靖国・特攻を描く自主制作アニメ「Hwan」のトレーラー。多分、アングレーム国際漫画祭で慰安婦証言のアニメを出品したのと同じ人では。

中国映画「南京！南京！」。これも"映画力"の映画。単に事実を再現しようとした訳ではない事は、"祝賀祭"のシーンを見れば分かる。(注：国内では東京で40万人を集める”提灯行列”が行われた。)こう言う映画ひとつ普通に日本公開された上で批判するならする、と言う事が出来ない内は、日本も"まともな国"とは言えない。

Ａ・ソクーロフ監督が終戦時の昭和天皇を描いた「太陽」も綿密な取材に基づきつつ、事実を"そのまま"描こうとしているわけでは、全くない。

現在制作中の「この世界の片隅に」

ジブリで「宮崎駿と軍事の話の相手が出来るのは貴方かしか居ないので」と残留を懇願されたらしい片渕須直監督がこうの史代原作とクランドファンデング支援を得て来年公開に向け制作中。従来作品とはレベルの異なる"生活"についての考証を重ねている。間違いなく必見の"戦争アニメ"に。

そろそろ読まなくて問題ない更なる蛇足：なぜ憲法解釈変更と安保法を「屁理屈」と言えるか(他のまとめにもあれこれ書いています)