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tasobussharima1
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ここの住人に徳ジェネレータの発電に協力してもらいたいなぁ。向こうは徳が高められこっちはエネルギーがもらえwin-win #徳パンク
2016-02-05 21:22:50
----- 「……おめぇ、まだこの街から出てきたいとか思ってんのか?」 ガンジーが一人で横臥する来客用の部屋をガラシャが訪ねてきた時。彼は最初に、そう聞いた。 「……うん」 少女は、ほんの少しだけ自信無さ気に答える。 「うちのクーカイは留守だし、俺の答えは変わらねぇよ。出直しな」
2016-02-05 21:24:02
ガンジー達の街も余裕があるわけではない(というか切羽詰まっているから危険を押してこんなところまで来た)からただ連れて行くわけにはいかんわなぁ #徳パンク
2016-02-05 21:27:23
「それでも、わたしは。生きてみたい……から」 自分が何者なのか。そんなことを聞かれたのは、彼女にとって初めての経験だった。 求められるままに生きてきた。流されるまま徳を積み、不安こそあれ、それを形にすることなく。 だから思うままに生きてみたいのだと、そう思っていた。しかし、
2016-02-05 21:28:01
これからこの街も約束された機械仕掛けの救いに頼らずに生きていかなければならないわけだし、実はこの街にいたままでもガラシャの望みは叶うのかも……? #徳パンク
2016-02-05 21:32:02
「……まるで、自分が死んでるみたいな言い草じゃねぇか」 ガラシャはガンジーの言葉にはっとなった。 (……ああ、) 周りの人間は、死んでいるのと同じだと思っていた。それでも、彼らはたとえ仮初めであっても己の信じるもののために生を積み重ねていたのだ。だから、彼らはあの時豹変した。
2016-02-05 21:32:04
なら、本当に空虚だったのはどちらだったのか。 (死んでいたのは、わたしの方だったんだ) 少女は気付いた。 「わたしは、何がしたいの……」 自分が空虚であることに。 「そうか。じゃあ、連れてけねぇな」 少女の疑問には答えず、ガンジーは静かにガラシャを見つめる。
2016-02-05 21:36:03
環境に変化がなかったからずっと同じ生活を送っていた=ガラシャから見て死んでいるも同然に見えただけで、状況によってはちゃんと動くんだ。生きてる人間なんだから #徳パンク
2016-02-05 21:36:47
「……だめなの?」 「自分探しに付き合うほど暇じゃねぇんだ。こっちは生活がかかってる」 泣き出しそうな勢いのガラシャに、思わずガンジーは顔を背ける。相棒の交渉が終わるまで、安請け合いする訳にも行かぬ事情もある。 だがそれ以上に、ガンジーは少女の内面が気掛かりだった。
2016-02-05 21:40:06
「また来る」 「え……?」 だから、その後の言葉をどうして口にしたのか、ガンジー自身ですらよくわからなかった。慰めのつもりなのか、約束を破ったことへの言い訳なのか。それとも、他の何かであるのか。 「どうせ交渉が上手く行きゃ、近いうちにこの里と俺たちの街は交易することになる」
2016-02-05 21:44:02
「そうなりゃ、俺達は嫌でも行き来する羽目になるからな」 ガンジーは顔を背けたまま、ガラシャの頭に手を載せた。 「そん時、何かやりてぇことがあるなら……」 「……うん」 ガラシャはそれをゆっくりと払い除け、 「わたし、がんばるから」 ガンジーの方へ身を寄せてそう言った。
2016-02-05 21:48:02