「NHKスペシャル司馬遼太郎思索紀行 この国のかたち」についての感想をまとめました

「NHKスペシャル司馬遼太郎思索紀行 この国のかたち」 http://www.nhk.or.jp/docudocu/program/46/2586727/index.html についての感想をまとめました 司馬遼太郎没後20年の記念すべき年、NHKが「この国のかたち」をどのように特集するのか、期待をこめて視聴しましたが、正直、がっかりしました。 番組をみながら、あれこれ感じたことをツィートしたもの、それに後日、司馬『この国のかたち』1〜6から該当箇所を確認した上で、感想をまとめたもの、を時系列順に並べました。 続きを読む
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土居豊 @urazumi

NHK特集の司馬遼太郎番組、「この国のかたち」の特集だというのでみているが、冒頭から世界遺産の明治日本産業遺産の紹介。これではまるで「日本万歳」。時節柄、せっかく司馬遼太郎没後20年で「この国のかたち」番組つくるなら、司馬が最後までこだわった統帥権に焦点を当てなくてどうする。

2016-02-13 21:12:06
土居豊 @urazumi

司馬遼太郎没後20年、いまこそ司馬史観の誤りを批判するべきではないか。少なくとも、統帥権とノモンハンについて司馬は最後までなにをどう考えていたのか?そこを掘り下げないままでは、司馬遼太郎という作家の全体像が掴めないままだ。

2016-02-13 21:14:29
土居豊 @urazumi

そういえば、司馬遼太郎「坂の上の雲」を英訳した本は、その後どうなったのだろう?欧米で発売されたのだろうか?没後20年たっても、世界に翻訳されず読まれないままの「国民作家」とはいったい何だろう?

2016-02-13 21:16:06
土居豊 @urazumi

などと書きつつ、自分も司馬没後20年の今年、新たな司馬論を刊行しようと原稿を書き続けている。講座の方は、以下のように真田幸村絡みの講座をやるのだが、その中でもちろん、司馬遼太郎の再読、批判を試みる予定だ。city.habikino.lg.jp/lic/shimindaig…

2016-02-13 21:20:57
土居豊 @urazumi

NHK特集の司馬遼太郎「この国のかたち」、室町文化への言及から、一足飛びに古市公威の明治日本の産業開発に。論旨が飛躍しすぎている。明治日本を司馬が手放しで絶賛していることは周知だが、それは産業面だけのことではないはず。さらに番組は東大阪の町工場に話題を飛ばす。恣意的すぎる構成。

2016-02-13 21:47:23
土居豊 @urazumi

NHKスペシャルの番組構成の偏り。「この国のかたち」で司馬遼太郎が考察した日本は、「ものづくり」文化だけではない。そこを強調し、明治日本の産業遺産に結びつけ、東大阪の町工場に誘導する。これではまるで「下町ロケット」の番宣だ。

2016-02-13 21:49:34
土居豊 @urazumi

(連続ツィート、NHK特集の司馬遼太郎番組への違和感その1)NHK「この国のかたち」特集第2回をみる。のっけから、武士の成立について語るのだが、坂東武士の元を開墾主として、その源流を高知の山間部の千枚田に求めるのは、「この国のかたち」のどこから引用しているのだろうか?(続く

2016-02-15 21:03:49
土居豊 @urazumi

(2)武士の倫理観を「名こそ惜しけれ」という言葉に求めるが、この話は「この国のかたち」では、鎌倉幕府成立後から滅亡までの鎌倉武士たちの姿として紹介されている。この鎌倉ぶりが室町時代に全国に広がったために、商人にも「信」という言葉で受け継がれていく流れを司馬遼太郎は語っている。(続

2016-02-15 21:04:53
土居豊 @urazumi

(3)けれどここでの司馬の説は「坂東武者が日本人の形成に果たした役割は大きい」と簡潔に述べているのみである。番組の説明にいうような、《武士の「名こそ惜しけれ」精神こそ、現代日本人の示す「災害時の秩序」などの理由である》とまで拡大解釈するのは、やはり行き過ぎである。(続く

2016-02-15 21:05:48
土居豊 @urazumi

(4)日本人の倫理性を武士の精神に求めるのはよいとしても、番組の《その倫理観が明治維新を経て庶民にも広がった》という説は強引すぎる。司馬遼太郎は明治初期の日本の成立について、大著『翔ぶが如く』で、作者自身悩み抜いて、ついにうまく説明できないまま終わっている。(続く

2016-02-15 21:07:25
土居豊 @urazumi

(5)「統帥権」について、司馬遼太郎がいかにこだわったかということを、この番組ではあっさりと「敗戦まで日本は統帥権国家になった」 の引用で片付けているのだが、実際には「この国のかたち」において、司馬の筆はそこで止まってしまっていて「統帥権」についての深い追究は未完のままである(続

2016-02-15 21:08:05
土居豊 @urazumi

(6)「こんなばかな時代は、ながい日本史にはない」 と、司馬自身、ほとんど捨て台詞で思考停止してしまっている。その先のこと、あるいはその原因については、「ながい歴史」の中に類例を求めるなどはせず、考えを進めないままで終わっている。(続く

2016-02-15 21:08:30
土居豊 @urazumi

(7)補足すると、番組第1回で「文明の配電盤」という司馬の言葉を引用し、古市公威の業績を紹介するのだが、元の「この国のかたち」では、そのあとに東京物理学校の教授たちのエピソードが語られ、むしろ、その人々の無私の志が、この章の中心主題である。(続く

2016-02-15 21:09:10
土居豊 @urazumi

(8)番組では古市の業績を強調し、そのあとに東大阪のものづくりを紹介することで日本の「ものづくり」という偏った印象を恣意的に作り出している。番組は司馬に成り代わって勝手に結論づけたかのようで、司馬遼太郎の名を騙って自説(NHKの?時の政権の?)を代弁したような印象を残した。(終)

2016-02-15 21:11:14
ひかる 工学趣味・科学趣味 換気中(コミュ障) @hiruandon89

「2016.02.14Nスペ「司馬遼太郎思索紀行 この国のかたち」が惨憺たる質なのに驚愕」をトゥギャりました。 togetter.com/li/938616

2016-02-15 23:39:29