アームヘッド三章ジ・エンドまとめ完結編

ジ・エンドの続きです。タコ付き。 このアカウントで連載をしています。 https://twitter.com/makitateriz ジエンドほか登場するアームヘッドの画像が見れます。 続きを読む
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マキータ @makitateriz

青い海に宇宙船の姿がうつった。見渡すばかりの海である。しかしこの星にも陸があるということは調べがついていた。「こんなところまで来てしまった」カッパ漁師はぼやいた。いや元カッパ漁師だ。窓から眺めると凧蛸が宇宙船のそばを横切り彼の憂鬱を増幅させた。「本当に居るんかねえ?」

2016-02-28 23:40:51
マキータ @makitateriz

「トンドル開拓民の生き残りを収容し船団に加える・・・。連邦市民だってまだ乗ってない人もいるのに・・・」宇宙船のパイロットがぼやいた。乗員は漁師と彼を含めても三人だけだ。「彼らは宇宙に適応しているからな」そして陸地が見えてきた。ここはヘブン十三衛星が一つ"タコバッカイリイル"だ。

2016-02-28 23:44:35
マキータ @makitateriz

「アームヘッド・ヴァーシズ」 ◎タコの星◎

2016-02-28 23:45:45
マキータ @makitateriz

タコバッカイリイルの海の生態系は蛸が蛸を捕食する奇妙な形をとっている。ここはもともと岩石だらけの水も大気もない星だった。そこを開拓したのがトンドルにあった国家だ。しかしトンドルはヘブン征服に熱を燃やしこの星は忘れ去られた。だが天州連邦が成立したあとこの星が再発見された。

2016-02-28 23:49:11
マキータ @makitateriz

そしてあろうことか開拓民の生き残りが居ることが判明した。陸地から火が昇っていたのだ。そこで連邦は特別チームを派遣した。元カッパ漁師のアームヘッドパイロット、ザッコーと宇宙船パイロットのサダヒコ、そして・・・。「・・・」「あの人本当に通訳なの?」翻訳と呼ばれた男は終始無言だ。

2016-02-28 23:53:49
マキータ @makitateriz

翻訳の目が動いた。「ひっ・・・」ザッコーは翻訳から目をそらし宇宙船の外を見た。「あれは!?」偶然にもトンドル式テントがあるのが見えた。さらに向こうには牧場があるではないか!「文明だぜ!」「住民もタコかも知れませんね」「恐いこと言うなよ・・・」「・・・」翻訳は黙っている。

2016-02-28 23:57:04
マキータ @makitateriz

「ムォー。ムォー」「ひっ・・・」サダヒコの悪い予感が当たったのか、ゾウのようにでかい蛸が地面を這っていた。メガスクイドめいたその生物はウシのように鳴きながら牧草を食んでいた。「あっアームヘッドでやっつけなきゃ・・・」ザッコーは船内の水無月へ向かおうとする。「バンゲナッタ?」

2016-02-29 00:00:25
マキータ @makitateriz

現地民だ!一応人の形をしている。「あっ人類だ!」サダヒコはトンドル式挨拶を試みる。すると現地民は笑顔になった。現地民が携帯電話をいじくると現地民たちが集まってきた。「ネネバネ!ネネバネ!」現地民が古式トンドル語で喋るがザッコーには理解不能だ。翻訳は・・・。「コンニチワ」

2016-02-29 00:03:52
マキータ @makitateriz

翻訳が遂に喋りだした。翻訳はスクール時代に翻訳に特化した悲劇の男なのだ。「お前たちは偉大なるトンドル皇の使者か?我々はこの星をトンドルの為育てた」「私達はあなた達を迎えに来ました。トンドルはヘブンとともに歩み始めています」「おうトンドルの宿願果たされたか!」違うが黙っていた。

2016-02-29 00:08:01
マキータ @makitateriz

タコステーキをごちそうになり本船と連絡をとった。現地民もそのうち我々と彼らの歴史を知るだろう。新訂光皇歴2038年1月17日、あの日から8年、ファイティングポーズの事件からは3年が経っていた。

2016-02-29 00:12:43
マキータ @makitateriz

◎タコバッカイリイル◎ ヘブンズサーティーンの一つ。ヘブンズサーティーンではトンドルに次ぐ大きさ。ほとんどが海で唯一のタコ大陸はタコシティがありトンドル人が暮らしている。アームヘッドもタコ飼育用に数機存在する。

2016-02-29 00:16:56
マキータ @makitateriz

新訂光皇歴2029年12月、トンドルで地球圏統一帝国残党の大反乱が起こった。マーダーエンゼルのマキータらはその当時トンドル視察に訪れておりそれに巻き込まれることとなった。故にマキータ・テーリッツは息子が失踪したにも関わらず家に帰ることが叶わなかった。それが更なる悲劇を生んだ。

2016-02-29 23:44:43
マキータ @makitateriz

このトンドル大反乱は巧妙に仕組まれたものだ。これによりアームヘッドパイロットの多くがトンドルに留め置かれヘブンでの真の闘いに参加することができなかった。後にアームヘッド最終反乱と呼ばれる事変はあと一ヶ月に迫っていた。

2016-02-29 23:47:06
マキータ @makitateriz

村井真理は直接ティガーが消えたのを見たわけではなかった。だがそれが事実であることは秋那を見れば確信できることだった。「お嬢様」シャルロットは言葉が続かなかった。呆然と虚空を見つめ続ける飼い主の姿を見たのは飼い猫の彼としても初めての経験だ。「う、うん?」真理がシャルロットを見た。

2016-02-29 23:51:42
マキータ @makitateriz

「シャルロット何か言ったか?」彼女はもはやわざとらしく笑う事もない。必要がないからだ。見せるべき相手はもういないのだから。「秋那姉さんは少し心配だな。シャルロット」「・・・」「シャルロット?」「私が心配なのはお嬢様です!」「はっ私が心配?異なことを言うなシャルロットぶっひ・・・」

2016-02-29 23:55:59
マキータ @makitateriz

真理は笑おうとした。無理だった。「私には何もしてあげることができません」「うっ・・・お前は見上げた・・・忠誠を持っているなフフ・・・」真理の目からもはや涙が落ち始めていた。トントン。ノックの音がした。その瞬間シャルロットの目に肉食獣の眼光が戻る。「お嬢様は後ろに」

2016-02-29 23:59:29
マキータ @makitateriz

この部屋には誰も入るなと言ってある。つまり侵入者だ。その上ガードを潜り抜けてここまで来ている。「村井真理だな?」女の声だ。「何者だ」シャルロットが凄む。「待ってシャルロット」真理はその女の声に聞き覚えがあった。「私だ、私はアイリーン・サニーレタス」金髪の女が入室した。

2016-03-01 00:02:59
マキータ @makitateriz

アイリーン、ティガーの担任の・・・。「真理、頼みがある」「・・・何かしら?」「ティガーを救いたい。タイムマシーンを作ってくれ」続く

2016-03-01 00:04:41
マキータ @makitateriz

「ミッシング」 (村井真理編)終わり 「ブレイク・ア・タイムマシーン」に続く

2016-03-01 00:08:44
マキータ @makitateriz

「うふふふ」笑い声が漏れていた。「あいつ大丈夫か?アイリーン」二人が村井真理の屋敷から帰ってくるとはる子は出てきた時と同じで未来ナイフを研いでいた。「挿すの挿すの挿すの!」「・・・おれ心配になってきたんだぞ」「・・・あらムスタングにアイリーン。おかえりなさい」はる子が顔をあげた。

2016-03-01 21:55:46
マキータ @makitateriz

「本当にやる気なのか?」「ええ!これは世界を救う愛よ!私の愛のナイフが運命を変えるのよ!私の愛のナイフが秋那ちゃんを挿すことで運命が変わるのよ!」「・・・運命は変わらない」「・・・アイリーン?どういう意味」はる子の声に不快感が混じった。「あなたのナイフはきっと空を切るわ」

2016-03-01 22:00:16
マキータ @makitateriz

「見てなさい・・・。あなたが手を焼いている運命とやらが愛に敗れる様をね・・・」「き・・・期待してるんだぞ・・・」「ありがと♪むすたん♪」「・・・」「あらアイリーン?どうしたの」「少し様子を見てくる。最近猫を飼いはじめてね」「・・・最近おかしいわね」はる子はアイリーンの背に言った。

2016-03-01 22:04:11
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