吉永和加『〈他者〉の逆説』読書メモ集

荒木優太（新しい本が出たよ） @arishima_takeo

吉永和加『〈他者〉の逆説』読了。面白い。特に対象のテクストに寄り添って変に参照文献を増やさない文体は、裸一貫読み勝負って感じで、好感がもてる（邦文参考文献がゼロってマジか、とかも思うが）。説明の繰り返しでくどく感じる時もあるが、おかげで大きな混乱も防げてる気がするので一長一短か。

荒木優太（新しい本が出たよ） @arishima_takeo

吉永さんには、エッセンスを抽出して高橋哲哉批判とかを新書くらいの分量で出して欲しいが、どうかな？　私も田中実（了解不能の他者）批判、頑張るからさ（知らんがな）。

荒木優太（新しい本が出たよ） @arishima_takeo

印象としては、レヴィナス他者論が陥る隘路に対して、逆説に次ぐ逆説に耐え続けるデリダの態度に狭い活路を見出す結論に落ち着いているようにみえる（無論、デリダも批判される訳だが）。その時、デリダにパスカル的賭けを認めるというのなら、逆にレヴィナスには賭けがないと考えているのだろうか？

荒木優太（新しい本が出たよ） @arishima_takeo

だとしたら、私の印象では結構納得感がある。デリダに「賭け」があるということは別言すれば、彼は偶然性の思想家だという事。レヴィナス的主体は一見、神の死で危機が到来するが、他者への無限応答が必然化されることで、自他逆説の困難を、安定性のなかで解消してしまう所があるような気がする。

荒木優太（新しい本が出たよ） @arishima_takeo

「賭け jeu」は「遊び」とも「余裕」とも訳せる。レヴィナスの他者論には、「遊び」や「余裕」がない、と言い換えてもいいのかもしれない。

荒木優太（新しい本が出たよ） @arishima_takeo

たぶん、真面目に遊ぶことの倫理学、が構築されなければならないんだ。

荒木優太（新しい本が出たよ） @arishima_takeo

しかし、いつかのtweetで「他者概念はグラデーションで捉えるべき」とか「他者とは理解できるかできないかの理解できなさ」とか書いてた気がするけど、どこいっちゃったか分かんなくなっちゃったな…。こういうとき、Twitterは不便。

荒木優太（新しい本が出たよ） @arishima_takeo

@arishima_takeo だれか「お気に入り」にしてたらURL教えて下さい。

荒木優太（新しい本が出たよ） @arishima_takeo

再お気に入りをしてもらいました。どうもありがとうございます。twitter.com/arishima_takeo…

荒木優太 @arishima_takeo

要するに私は他者性（の無限）というのを〈彼方にある絶対に理解できない超越性〉ではなく、〈超越ー経験〉のあいだを不確定的に往来する無限の振幅と捉えたいのだと思う。「絶対に理解できないことが最初から分かってる」他者論から「理解できるかできないかそれ自体が理解できない」他者論へ。

2015-12-08 12:58:40

荒木優太（新しい本が出たよ） @arishima_takeo

そうそう、吉永さんが指摘してるレヴィナスとデリダの他者論の重要な共通点として、「あたかも～であるかのように」（comm si）の哲学があるらしいんだけど、これって森鷗外も似たようなこと言ってよな、とか、ヒューモア／イロニーの問題ともつながるな、とか、そういうアイディアももらった。

荒木優太（新しい本が出たよ） @arishima_takeo

それにしても、吉永本はいまだAmazonで販売されておらず、中々トガってるのはいいんだが、もうちょっと話題になってもいいんじゃないだろうか。amazon.co.jp/%E3%80%88%E4%B…

荒木優太（新しい本が出たよ） @arishima_takeo

@arishima_takeo 出版社HPには目次があるが、ここでも表紙が表示されない、という…果たして売る気があるのだろうか…。nakanishiya.co.jp/book/b221934.h…