艦乗りのプライド

竹村京さん(@kyou_takemura)の書いてくださった、落ちぬい二次です! 今回は香港近辺にいる金剛型&あたご型、あきづき型護衛艦と深海棲艦の抗戦のお話。ぜひおたのしみください! ご感想などは、竹村京さんor#落ちぬいタグへ。 続きを読む
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竹村京 @kyou_takemura

あたごが増速した時に急降下に入っていた艦爆隊は標的の速度を見誤り、艦が通り過ぎた海面に爆弾を投下するコースから修正ができない。しかし彼らに爆弾を無駄にするという判断はなかった。再攻撃のため引き起こしを図る艦爆隊に、あたごの陰から飛び出した金剛と霧島が三式弾を放つ。#落ちぬい二次

2016-07-07 00:27:53
竹村京 @kyou_takemura

「主砲、敵を追尾して……撃て!」 「撃ちます!Fire!」 あっという間に艦爆の大群の七割ほどが炎に包まれる。運よく三式弾から逃れた艦爆の内、数機が強引に引き起こしてあたごに針路を取った。特攻の意図は明白である。#落ちぬい二次

2016-07-07 00:29:55
竹村京 @kyou_takemura

「残りはCIWSにて対処せよ。金剛、霧島は三式弾にてヘリを護衛しつつ最速で目標に向かえ」#落ちぬい二次

2016-07-07 00:30:08
竹村京 @kyou_takemura

射撃員がCIWSのスイッチを入れると、艦橋構造物の前後に据え付けられた六砲身の機関砲が速やかに向きを変え、自動で射撃を始めた。生き残った敵機の中から自艦に向かってくるものだけをそれ自体が備えたレーダーで瞬時に判断し、目にも止まらぬ高速射撃で的確に撃墜する。#落ちぬい二次

2016-07-07 00:30:19
竹村京 @kyou_takemura

一発7万円のタングステンの暴風を受けた艦爆はあっけなく火の玉と化した。あたごに損害はない。#落ちぬい二次

2016-07-07 00:30:42
竹村京 @kyou_takemura

通常は標的が遠くにある間に迎撃するのがセオリーだ。大遠距離ではスタンダードSM-2、撃ち漏らせばESSM、主砲、CIWSという順で対処する。だがこの作戦では艦の性能を隠して奇襲をかけるため、敢えて定石の逆を打った。#落ちぬい二次

2016-07-07 00:31:50
竹村京 @kyou_takemura

しかし奇襲が成功した以上、もはや性能を隠す必要はない。撃滅あるのみだ。既に敵の第二陣が艦隊に近付きつつある。 「対空戦闘!近付く目標、ESSM攻撃始め!」 指示を受けたミサイル発射担当オペレータがミサイル発射警報を鳴らす。 「発射用意……撃て、バーズアウェイ!」#落ちぬい二次

2016-07-07 00:33:32
竹村京 @kyou_takemura

符牒を口にすると同時にトリガーをひねる。同時に前部VLSのうち1セルが開き、クワッドパックに収められたESSMのうち二発が垂直発射された。 艦橋ではワッチが双眼鏡でミサイルを目視で追跡している。 「ESSM発射、正常飛行!」#落ちぬい二次

2016-07-07 00:34:05
竹村京 @kyou_takemura

「インターセプト10秒前……5、4、3、2、1、マーク・インターセプト!」 CICのコンソール上でESSMと敵機を示す合計四つの印が重なり、全て消える。 「爆発閃光視認!」 迎撃成功は艦橋でも視認された。#落ちぬい二次

2016-07-07 00:35:59
竹村京 @kyou_takemura

「第一、第二目標撃墜、残り8機、真っ直ぐ近付く」 続けて三発目、四発目と発射するが、いかんせん数が多い。 「主砲、CIWS、攻撃始め!」 主砲塔と主砲管制レーダー、高性能20mm機関砲がそれぞれ右舷を向く。 「主砲、撃ちーかた始め!」 「主砲発砲!」#落ちぬい二次

2016-07-07 00:36:17
竹村京 @kyou_takemura

砲術長の指示を受け、砲術士が拳銃型コントローラのトリガを引く。あたごの主砲は毎秒20発と発射速度こそ低いが、レーダーに制御されたそれの命中率は極めて高く、長砲身から撃ち出される弾丸の初速も速い。ほぼ一発一中で残る全ての目標を打ち落とした。#落ちぬい二次

2016-07-07 00:37:54
竹村京 @kyou_takemura

「撃ち方やめ!第10目標を撃墜」 砲術士がコントローラをコンソールに戻す。 「全機撃墜、近付く目標無し」#落ちぬい二次

2016-07-07 00:39:27
竹村京 @kyou_takemura

対空戦担当オペレータが報告する。陸上型に対する対空戦闘ではまず負けないことはこれで実証された。しかし、この作戦の目標は防空能力の実証ではない。 「対地攻撃に移れ」 艦長がいよいよ指示を発する。#落ちぬい二次

2016-07-07 00:40:23
竹村京 @kyou_takemura

ヘリがあたご・てるづき及び艦娘両名の対空監視に守られながら島に急行する。霧島は敵水上艦の警戒を行っているが、そちらはまだ発見できていない。 「対空防御はてるづきに任せる。あたごはこれより主砲による対地攻撃を行う」#落ちぬい二次

2016-07-07 00:43:27
竹村京 @kyou_takemura

イージスシステムのより新しいバージョンならば、協同交戦能力やら海軍統合火器管制・対空やらで複数の艦艇や航空機のセンサーを連接して統合的に射撃を管制できる――#落ちぬい二次

2016-07-07 00:43:58
竹村京 @kyou_takemura

たとえばてるづきが撃ったミサイルをあたごがヘリのセンサーを頼りに管制できたりするのだが、残念ながら現バージョンではそれは不可能だ。#落ちぬい二次

2016-07-07 00:44:09
竹村京 @kyou_takemura

そこで、探知範囲は劣るもののESSMの同時管制数がより多いてるづきに艦隊防空を主に任せ、あたごは対地攻撃を担う事とした。 敵航空隊は新たに発進しているものの、海上までは進発せず主に島の上空で屯している。基地防空に徹するつもりなのか。#落ちぬい二次

2016-07-07 00:44:22
竹村京 @kyou_takemura

「くさいな……」 ぽつりと艦長が漏らす。 「どうしました?」 「籠城は外からの援軍がなければ成立しない。あれがこちらを攻撃してこないということは、どこかに敵が潜んでいると考えられる」 「確かに。レーダー、感ないか?」 「水上目標、感ありません」#落ちぬい二次

2016-07-07 00:46:09
竹村京 @kyou_takemura

「……潜水艦だ。アクティブ対潜戦闘急げ!」 「アクティブ捜索始め!」 艦長の号令一下、急速に艦尾から戦術曳航ソナーが繰り出される。TASSが伸びきるのを待たず、バウソナーが探針波を発する。水測員が叫んだ。#落ちぬい二次

2016-07-07 00:47:59
竹村京 @kyou_takemura

「ソーナー探知、ドップラー高い、目標は潜水艦らしい!方位3-0-5、二隻、距離20マイル!」 「いたか。アスロック用意!」 「測的始め!」#落ちぬい二次

2016-07-07 00:48:16
竹村京 @kyou_takemura

対潜戦担当オペレータの指示に従い、ソーナー担当オペレータがアクティブソナーで敵位置を詳細に絞り込み始める。 てるづきからは待機していたヘリが飛び立っていた。対潜戦闘に加えるためでもあり、万一攻撃を受けた際にヘリまで道連れにしないための措置でもある。#落ちぬい二次

2016-07-07 00:49:47
竹村京 @kyou_takemura

「魚雷航走音!」 「五戦速、面舵、魚雷回避!」 先手を取られた。副長が咄嗟に指示を出す。#落ちぬい二次

2016-07-07 00:50:05
竹村京 @kyou_takemura

深海棲艦や艦娘が使う魚雷は無誘導の長魚雷だ。艦艇部隊の潜水艦が積む最新鋭の物に比べて性能は低いとはいえ、長魚雷だけあって当たれば現代の戦闘艦など一発で沈む。至近で爆発しただけでも、よくて行動不能だ。#落ちぬい二次

2016-07-07 00:51:58
竹村京 @kyou_takemura

4基のガスタービンが唸りを上げ、一万トンの巨体を急激に30ktに加速させる。 教科書的だが、対魚雷デコイを装備しないあたごにはこれ以外にやりようがない。てるづきはMODやFAJを展開しつつ、同様の回避行動を取っている。#落ちぬい二次

2016-07-07 00:53:20
竹村京 @kyou_takemura

「敵魚雷一発、艦尾を通過!」 しかしまだ安心できない。無誘導を補うため一隻あたり4本を扇形に連射しているため、あと3本回避せねばならない。#落ちぬい二次

2016-07-07 00:53:34
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