ヨーロッパでは10~12世紀頃にクロスボウが出てくるんですよ。これは猟師にもかなり流行ってました。また戦場では13世紀頃にはロングボウが一番流行ってたんですよね。クロスボウとほぼ同じ威力で連射ができるので強いわけです。
2017-07-13 13:05:10中世の頃は騎士が強かったんですけど、クロスボウは訓練があまりいらないので農民でも仕えたことが最大の利点で、平民が秩序を乱しかねないと、ローマ教皇が「キリスト教徒にクロスボウを撃つな」っていうお触れを出したくらい。相手が撃つからと言い訳してみんな撃つんですけど。
2017-07-13 13:06:50で、13~14世紀にロングボウが出てきてイングランドの兵士がフランスのクロスボウ部隊相手に使いまくった。発射速度と射程に優れていたのでロングボウの方が強く、さらにフランス騎士は下馬して戦うことを不名誉としたために馬防柵とロングボウの組み合わせでボコボコにされたとも。
2017-07-13 13:08:45結局なんでクロスボウが消えたかなんですけど、中世が終わってルネサンスの時期に入る14世紀以降の時代はヨーロッパって戦争が勃発しまくっていたんです。キリスト教の支配も弱まり群雄割拠。そこで活躍したのが傭兵団。領主は自分の軍を鍛えるより強い傭兵をいっぱい雇った方が早いわけです。
2017-07-13 13:11:21さらに食料事情などの発展も手伝い大国は自国の軍を持つようになり、傭兵団もそうですが鍛えた兵士を戦場へ送ることが可能になった。これにより、パイク(長槍兵)と射手(ロングボウやマッチロック銃)の組み合わせが登場し、クロスボウは利点を完全に失ったのでヨーロッパでは猟師が使うくらいに。
2017-07-13 13:13:53あと銃は音の効果もすごくて戦場で敵を畏怖させるのに十分役立った。実際、ライフリングがない銃はぜんぜん当たらないんですけど、音と数と当たった時の威力を考えればクロスボウなんて目じゃない訳ですね。さらに敵が戦列組んでればライフリングなくても当たるわけです。
2017-07-13 13:18:11弓は訓練に時間が掛かる。訓練に時間がかかるということは「訓練している間は耕作ができない」ということであり、つまり食料生産に余裕がないと弓兵の育成は不可能なのです。
2017-07-13 13:17:41戦士と農民が渾然一体となって耕作している間は傭兵でなければ弓の鍛錬を行う暇がなく、クロスボウの需要がありました。しかし食料生産技術が高まり、農民が農業に集中できるようになり、戦士もまた戦士として鍛錬に集中できるようになった結果、わざわざクロスボウを使う必要がなくなったのです。
2017-07-13 13:21:18すごく面白いのは、ルネサンス期の現イタリアにあった小さい国々みたいに資源がなくて農業も微妙みたいな土地では経済を発展させて傭兵を雇って戦っていたんだけど、これは食糧に余裕があるからじゃなくて、食糧がないから金融業や毛織物で経済回して食糧や戦力を調達したところ。
2017-07-13 13:21:00でかい国じゃないと自国で軍隊なんて養えないので群雄割拠の戦国時代は傭兵団が重宝されたんですね。日本でも根来衆や雑賀衆などが傭兵団として活躍しました。彼らは銃の訓練を受けた精兵で、戦争に介入しまくっていたので金もあったとルイス・フロイスは書いています。
2017-07-13 13:22:34ルネサンス美術の勉強してるとこの時代が戦国時代だったんだなってメッチャ感じるんですよね。有名なのはダ・ヴィンチの自己推薦状で10項目のうち9つが軍事技術で10個目が「戦争ない時でも絵を描いたりして役に立つよ」っていう戦争があること前提のものだったことだよね
2017-07-13 13:29:2515世紀のイタリア諸国、フランスやローマ教皇の脅威にさらされた上に町同士の抗争が行われていて、さらに異教徒のトルコが超強力なパワーを持ったために都市国家各位が団結するどころかトルコやフランスを味方につけて他の都市国家を脅かしたりしてて完全に戦国時代
2017-07-13 13:42:20イングランドのロングボウはどうやら和弓との共通点が「短弓より長い」ってだけみたいでよくわからないんだよな…これもしかしてただ単に威力をあげようとしてでかくなっただけでは?
2017-07-13 13:10:03まとめを作るならイングランドロングボウ、モンゴルコンポジットボウ、ジャパンロングコンポジットボウ、クロスボウ、コンパウンドボウ、あたりまで大別できるかな…クロスボウ(鉄)、ボウガン、近代コンポジットボウは省略で……
2017-07-13 14:02:31朝廷が弩兵を維持してたのは律令時代の軍団というのが戦士階級ではなく徴集農民が主体だったからという理解でいいんだよね
2017-07-13 14:28:59律令の軍がどんなものか、で面白い視点だったのが高梨俊一さんの『壬申の乱』で律令による徴募兵は「数は多いが動かない」と「動員到着地点を占領している側の戦力に」でした。スタックごとにサイコロ振って行動力が決まるので、徴募兵の大軍だが鈍重と、専門兵の少数だが機敏の違いがよくでていました
2017-07-13 15:27:49で、この徴募兵どうやって集まってるかというと、高梨さんがヒストリカルノートで曰く、どうも日本書紀だと美濃(大海の地盤)の方だと「天智天皇の墳墓で公共事業に人がいるので集まれ」みたい。ドカチンやるというので集まったら、弩とか矛とか渡されて戦場に。そら動かないわー。
2017-07-13 15:31:10