「最も的確」な書評?――四方田犬彦によるALL REVIEWS 書評「ナボコフ『ロリータ』(若島正訳、新潮社、2005年)」をめぐるやりとり

註:ALL REVIEWSは被書評本を「ロリータ (新潮文庫)」と表示していますが、実際にはこの書評は、単行本版『ロリータ』の訳者あとがきに関して書かれています。新潮文庫版あとがきに娘さんへの言及はありません
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ジロウ @jiro6663

ナボコフのロリータの新訳を大絶賛する四方田犬彦氏の書評を鹿島茂氏がさらに絶賛して、結果的に訳者にあなたたちは的外れだと詰められて謝罪という、えらいこと豪華な「叱られ」を見た。ツイッターは面白い。

2017-07-20 00:49:41
ジロウ @jiro6663

今回の件はさておき、僕にもまさにその嗜好があるので他人事じゃないんですが、「スキャンダラスなものとして消費する」ということの安易さとその迷惑について思わず連座して謝りたくなる叱られでした。背徳への志向と権威が結びついた時の厄介さでもある。

2017-07-20 00:53:55
三月うさぎ(兄)(素人) @march_hare_bro

ついでに、若島訳の新潮文庫版のあとがきでは、娘のくだりは削られてます。たぶん、件の書評に怒ったか、たぶんアホらしくなったのではないかと想像したりして。

2017-07-20 01:47:23
Problem Paradise @propara

@march_hare_bro すみません、事実としてはまったく違うので。文庫版では、注釈やら大江さんの解説を入れる必要があり、あとがきを圧縮することになったのです。四方田書評は文庫版に対するものです。

2017-07-20 02:00:01
三月うさぎ(兄)(素人) @march_hare_bro

@propara 調子に乗って下品な想像を書いてしまいました。申し訳ありません。 一点だけ、この四方田書評は、例のページの下の方で、 「初出メディア 言語道断(終刊) 2006年8月」 となっているので、ハードカバーに対するものではないでしょうか。 allreviews.jp/review/546

2017-07-20 07:27:39
三月うさぎ(兄)(素人) @march_hare_bro

(胸に手を当てて考えてみる。もしかして、例の書評には文庫版にしかない記述が引用されていたのかしら。同じ穴の狢かも。まあ、わたしは素人なので胸を張って間違えて、胸を窄めながら謝るだけですが)

2017-07-20 07:54:11
Problem Paradise @propara

@march_hare_bro なるほど、そうかも。だとすると、あとがきをどう読んだのか(あるいは、なにも読まなかったのか)、ますますわけがわからなくなりますね。

2017-07-20 13:01:46
athchamoch @ah_moc

某氏によるロリータ書評(読んだら書評という体裁ではなかったが)が話題になっているようですが、野崎孝翻訳のライ麦を読んだ時、若者言葉ってすぐに古くなるんだなあと思いました。

2017-07-20 10:20:27
6dts @6dts

なるほど。「最も的確」なロリータ書評、初出誌はアイドル雑誌だった。3号どころか2号でつぶれている(この号が終刊号) GONGO DODAN/言語道断 2006年8月号 (VOL.2)  culturestation.co.jp/products/42661…

2017-07-21 12:08:02
Problem Paradise @propara

マイケル・イネス『ソニア・ウェイワードの帰還』の書評を書きました。次の日曜に、毎日新聞に掲載される予定です。

2017-07-19 17:22:03
Problem Paradise @propara

イネスを読んでいると、楽しすぎて、世の中の憂さを忘れられる。イネス先生に感謝しなくては。

2017-07-19 17:25:06
Problem Paradise @propara

書評を書くときの、個人的な規律は次の2点。その本を読んでない人に、読んでみたいと思わせること。そしてもう一つは、その本をすでに読んでいる人に、なるほどと思わせるような、読んでいる人間にしかわからない「読んだ証明」を必ず入れること。読まなくても書けるような書評は書きたくないのです。

2017-07-19 17:32:38
Problem Paradise @propara

読まずに書評する、という人がいることは、書評を読めばすぐわかります(そんなこと、読む人が読めばわかってしまうので、それをわかっているのにやるのは大胆だなあと思いますが)。実際、その手の人たちは、それなりのスキルを持っているので、読まなくてもネタさえあれば書評が書けてしまうのです。

2017-07-20 02:05:26
Problem Paradise @propara

たとえばこんな例を。ナボコフは意地悪な人なので、読まずに書評を書く人間がいることをわかっていて、ある小説の序文で、この小説にはこんな場面が出てくる…という実例を並べました。それは実は本文を読めば出てこない場面で、そういうインチキ書評家に対するトラップなのでした。

2017-07-20 02:08:39
Problem Paradise @propara

ところが、日本でその翻訳が出たときに、みごとにそのトラップにひっかり、その序文だけを読んで「こういう場面が出てくる…」と書評を書いた人がいました。お気の毒に、と言うしかありません。

2017-07-20 02:12:41
ALL REVIEWS @allreviewsjp

【ニュース】8月度よりALL REVIEWSは以下の新しい書評家を迎えます。 ・辻井喬(故人)さん ・鷲田清一さん ・高樹のぶ子さん ・高橋源一郎さん ・若島正さん ・俵万智さん ・平野啓一郎さん ・速水健朗さん ・片山修さん allreviews.jp/news/717 pic.twitter.com/11RfB14CdY

2017-07-28 21:10:31
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🐈🦔鴻巣友季子(『文学は予言する』『誓願』) @yukikonosu

わっはは、この歴史的名評にここで再会するとは!初出1985年「翻訳の世界」評者若島正。この書評は一言も信用してはならないが、この評者のことは120%信頼すべし!--ゲーデル、エッシャー、バッハ―あるいは不思議の環 20周年記念版 allreviews.jp/review/744

2017-08-01 21:11:00
ALL REVIEWS @allreviewsjp

若島正さん参戦!いろんな人に影響を与えまくっている伝説的本の伝説的書評。 ゲーデル、エッシャー、バッハ―あるいは不思議の環 20周年記念版(白揚社)- 著者:ダグラス・R. ホフスタッター - 若島正@proparaによる書評 | allreviews.jp/review/744

2017-08-01 21:57:38
鹿島茂@個人アカウント @_kashimashigeru

この書評を褒めたりしたら、私を褒めるような人からは褒められたくないと言われそうですが、自己言及性にかんする最高の解説ですね。 ゲーデル、エッシャー、バッハ―あるいは不思議の環 20周年記念版(白揚社) - 著者:ダグラス・R. ホフスタッター(1/3) - 若島正による書評

2017-08-01 23:42:00
武田将明/Masaaki Takeda @swiftiana

だまし絵を書評で再現するとは!この本へのもっとも忠実で、もっとも挑戦的な評論。 twitter.com/yukikonosu/sta…

2017-08-02 01:47:35
Problem Paradise @propara

実は初めて商業誌に書いた文章。書評対象本は、20周年記念版ではなく、初版本です。 twitter.com/allreviewsjp/s…

2017-08-02 01:36:29
Problem Paradise @propara

もう今から30年以上も前のこと。柳瀬尚紀さんから『ゲーデル、エッシャー、バッハ』の書評を書けと命令を受けて、なにしろ柳瀬さんの依頼なので、ギャグを思いつけるだけ並べて、そのギャグをつなぐ形で文章を書いたのだった。

2017-08-02 01:40:30
Problem Paradise @propara

今でも憶えているのは、書いたものを柳瀬さんにお見せしたら、「誤訳指摘はそのとおりなのだが、《誤訳》という言葉だけは使ってくれるな」と言われて《見落としの失着》としたこと。柳瀬さんは「翻訳の世界」のこの責任編集号で編者のあとがきとして、「誤訳を指摘された。愉快だ」とお書きになった。

2017-08-02 01:48:00
Problem Paradise @propara

そういうわけで、わたしがここで指摘している《誤訳》は、20周年記念版では修正されています。

2017-08-02 01:49:39
Problem Paradise @propara

GEBを読んでいない人にはさっぱりわけがわからない書評かもしれないので、いちおう手の内を明かしておきますと、GEBの巻末にある文献リストの中にGEBと同型の架空の書物が隠されているので、GEBとその架空の書物の関係をひっくり返して偽書評を書いた、というわけです。

2017-08-02 02:12:13