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「マンガの読み方」シンポジウム~漫画研究の黎明期を振り返る
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gryphonjapan
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僕の場合『マンガの読み方』は1996年位に、当時流行っていた宝島ムックの一つとして読んだんだけど、「こんな読み方というか分析が出来るんだ!」と感動しつつ、その後のマンガの読み方が一変してしまって(細かいところにばかり目が行く)、「こりゃあ分析そのものが楽しくて困るな」と思った。
2017-11-26 01:48:17![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
なんか古い記事あった。 夏目・竹熊が組んだ「マンガの読み方」の復刊はいろいろ難しいらしい&当時の編集者さん - 見えない道場本舗 (id:gryphon / @gryphonjapan) d.hatena.ne.jp/gryphon/200808…
2017-11-26 08:03:02![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
このシンポに行けなかった自分がかいた紹介記事。 この「マンガの読み方」が出た当時の文章を保存していたので収録している 「マンガの読み方」発行時代を振り返る /当時の文章を紹介 - d.hatena.ne.jp/gryphon/201711…
2017-11-26 08:04:53![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
古い夏目房之介さんの記事。昨日シンポジウムがあったので発掘紹介 / “『マンガの読み方』を作った頃:夏目房之介の「で?」:オルタナティブ・ブログ” htn.to/t2yziu
2017-11-26 11:28:11![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
土曜の学習院の「マンガの読み方」シンポジウム。レジュメがさすがの資料でありがたい。最後の方で語られたマンガの批評や研究書の問題として図版の著作権はこれからもっと大変そう。。 pic.twitter.com/SP9cuRNtDu
2017-11-26 11:56:45![](https://pbs.twimg.com/media/DPhtE63VQAABIqq.jpg:medium)
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夏目先生は「マンガ学という学問が本気で成立するとは思わない」と仰ったけれど、それは単にマンガ学者の世代差を明確にし、若手に襷を渡すためのパフォーマンスにしか見えなかった。 #マンガの読み方
2017-11-26 16:11:13![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
少なくとも『読み方』や『冒険』を執筆されている時は「今、自分達がただ面白過ぎるがために熱中しているものが、思いがけずマンガ学のようなものを成立させてしまう可能性はある」と考えていたのではないだろうか。 #マンガの読み方
2017-11-26 16:11:35![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
参加者として当日の報告をしつつ、『マンガの読み方』について振り返ってみました。/シンポジウム「マンガ批評/研究の転換期―1995年、『マンガの読み方』の成立過程とその時代」について mavo.co.jp/yomikata_sympo… #電脳マヴォ合同会社 #マンガの読み方 @MavoLLCさんから
2017-11-27 15:48:51![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
先日のシンポジウムで、宝島社の編集者(当時)近藤隆史氏が本の重要なキーマンだったと改めて感じた。もともと『別冊宝島』に『絵画の読み方』『デザインの読み方』という美術解説書シリーズがあり、その一環として近藤氏が『マンガの読み方』の企画を夏目房之介氏に持ち込んだことが始まりだ。
2017-11-27 06:44:55![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
歴史的に美術論・デザイン論の積み重ねがあった前者に比べて、マンガに関しては過去に類書は無かった。夏目氏は個人の著作として書くにはあまりにも膨大な作業になると感じ、私や他のメンバーを集めて、まずマンガ表現に関する研究会を発足させた。宝島社の会議室を占拠して、研究会は2年続く。
2017-11-27 06:48:54![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
それが日本における「マンガ学」の始まりだったと言える。研究会の最中に、私は岡田斗司夫氏からアメリカで出たばかりだったスコット・マクラウドの「アンダースタンディング・コミック」を見て驚愕、夏目さんに見せた。まったく同時期に、日本とアメリカで同じことを考えている人がいる驚きだった。
2017-11-27 06:52:25![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
【追記】「マンガの読み方」以前に類書と呼べるものは作家による「マンガ家入門」か、マンガ家によるマンガ批評(パロディ含む)の類しかなかった。夏目さんの「マンガ学」や、私と相原コージの「サルまん」は、「マンガによるマンガ批評」の走りだったと呼べるが、
2017-11-27 13:54:59![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
学問というより、「マンガおもしろエッセイ」に分類されるべきものだろう。「サルまん」は、あくまでギャグとして「マンガ家入門書のパロディを作ろう」と相原君と相談して始めたもので、学問や批評の体裁を持っていたとしても、あくまでギャグで、まさか本物の学問に発展するとは夢にも思わなかった。
2017-11-27 13:56:58![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
「サルまん」には前史があり、それは私が「コージ苑」の付録として書いた「マンガの文法」である。これの執筆前、私はマンガ特有の記号表現に名称が存在しないことに気がついて、「漫符」と名付けた。「マンガの文法」は相原君がイラストを描いていて、完全に「サルまん」の原型になっている。
2017-11-27 13:58:12![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
それから手塚治虫の死後、私はJICC出版局(宝島社)の仕事で「1億人の手塚治虫」を編集し、夏目房之介さんは「手塚治虫はどこにいる」を執筆する。そこから私は「サルまん」を経てマンガの読み方の研究会に参加するのである。
2017-11-27 13:58:57![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
「手塚治虫はどこにいる」は、手塚の表現の変遷を追いながら表現としての手塚治虫論を書いた画期的な書物で、まさしくマンガ表現論の嚆矢。夏目さんには、この時点で「サブカルエッセイ」から「学問」を志す明確な意志があったように思う。私が「この人には敵わない」と思った最大の理由がこれである。
2017-11-27 14:00:38![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
「サルまん」執筆に当たって、私は過去の「マンガ入門書」を可能な限り集めた。そこで一番役に立ったのが編集者・綿引勝美氏が双葉社で編集したマンガ入門書(タイトル失念)で、吹き出しの形のパターンと使いかた、マンガ記号の種類、といったような、その後のマンガ表現論の問題意識が全て出ていた。
2017-11-27 14:02:02![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
綿引勝美氏は秋田書店「まんが王」出身の編集者であり、吾妻ひでおの育ての親として有名。編集者の立場からまんが表現に取り組んだ貴重な人だ。あとは80年代、やはりマンガ家志望者の過去がある荒俣宏氏が、雑誌のコラムで「コマ割り論」を書いていたのが早すぎた仕事としてあるくらいである。
2017-11-27 14:04:44![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
こうした問題意識は、多くの人が抱いていたと思われる。しかしそれが本として結実するには時代が未成熟だった。シンポジウムでも出たが、「サルまん」や「磯野家の謎」のような謎本ブーム、
2017-11-27 14:08:19![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
「ウルトラマン研究序説」のようなマンガやアニメ・特撮映画を「シャレ」として衒学的に扱うブームがあったことが実は大きい。そういった学問の体裁を纏ったおもしろエッセイが売れたから、実はガチンコの研究書である「マンガの読み方」が出版できたことは確かなのだ。
2017-11-27 14:08:32![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
綿引勝美氏のマンガ入門書、「マンガと劇画の描きかた」だったかもしれない。どなたかわかりませんか。双葉社で80年代前半(多分)にでたムックです。
2017-11-27 14:22:26