ジャン・ウリ『コレクティフ』読書メモ集
- arishima_takeo
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よく知られているように、物理学や数学において進歩を引き起こしてきたのは、想像的な機能である。ともかく、想像的な機能がなかったとしたら、おそらく原爆も存在しなかっただろう……。byウリ『コレクティフ』
2018-01-03 12:46:50ウリ『コレクティフ』。精神病者が「歩き回ること」の重要性を訴える。軍隊のように細分化された空間を横断すること。独房への、施設への閉じ込め、つまりは社会的疎外に抗うこと。この本は精神医学の本というより、もっと大きな、たとえば会社勤めの話のようにみえる。
2018-01-03 15:02:21「制度を使う精神療法で重要なのは、トスケイェスの言う「ポリフォニー」を名人芸のように繰り広げることではなく、局所的言説の水準で「ポリフォニー」への入り口を持つこと」(ウリ『コレクティフ』)。オープン・ダイアローグでお馴染み斎藤環さんなんかは、ウリ本読んだりしてるんだろうか。
2018-01-03 15:11:06ODにそこまで詳しいわけじゃないんだけど、直観的になんとなく共通性がある気がするが…感想が聞きたいね。まあ、そのうち書評書くんじゃないかって気もするが。
2018-01-03 15:12:41あるグループが「集まって、事態を分析しよう」と決めるなら、もう台無しだ。ほとんどデモクラシーからファシズムへの移行だ。まるで集まれば何かを裁けるような口ぶりだ! byウリ『コレクティフ』
2018-01-03 15:38:14「思い出すのは、ラカンが使った言葉「辞‐元 dit-mension」である」(ウリ『コレクティフ』)。まーた、お前そんなこと言ってたのかよ。
2018-01-03 17:08:13「周知のように、パラノイア的世界の最も典型的な次元のひとつは、偶然が全くないということだ。妄想によってだが、すべては予見され、すべては解釈されている。偶然はもはや存在していないのである」(ウリ『コレクティフ』)。なるほど。
2018-01-03 17:16:26以前に言ったことをもう一度繰り返すが、深刻な障害を持つ人に会う時は、人生のすべてをかけて取り組むものだ。言い過ぎに聞こえるかもしれないが。byウリ『コレクティフ』
2018-01-03 17:31:0320年前に退院した統合失調症の女性からまた会いたいとウリに連絡が入る。そして30分くらい話しただけで再入院を免れる。意味の秩序から外れた者にとって「そこにあり続けているひとつの場所」に戻れること、「連続性の次元」こそ最も重要。これは色んなことにいえるね、母校をよく訪ねる元学生とか。
2018-01-03 17:35:48ジャン・ウリ『コレクティフ』読了。今年一発目の読了本。面白かった。一瞬言及しているけれど、これは狭い意味の精神医学だけの話ではなく、グループ、チーム、ミーティングといった集団性を伴う作業に関する割と一般的な議論になっていると思う。「雰囲気」づくりが大事、とかさ。
2018-01-03 18:07:50意外とサラリーマンとかが読んでも面白いじゃないだろうか。ラカンやガタリの理論を使っており、彼らに対して「変なことばっか言いやがって」と私は割と冷淡で、本書の「アジャンスマン」も「S1」も多少感じないこともなかったが、それが具体的なプラクシスに通じていることに大きな説得力を感じるね
2018-01-03 18:11:59ウリは「雰囲気」を論じながら同時に「腐葉土 humus」の重要性についても論じているが、これはユーモア(humor)論でもあるのかもしれないね。
2018-01-03 18:17:52あとは、「偶然のプログラミング」といういささか撞着的なアイディア。私がよく批判的に論じている「偶然のフィルタリング」効果を、むしろ制度の善用として捉える方向なのだろうと思う。二歳違いのイヴァン・イリイチなんかは読んでなかったんだろうか。割と似た制度観な気もするが。
2018-01-03 18:24:23