西條剛央による被災地から帰って来た今考えること

西條氏(早稲田大学大学院講師)による、被災地での活動を通して考えたことのまとめです。現地で必要なことは行ってみないと分からない。都会の常識が通用しない。
3
saijotakeo @saijotakeo

1000年に一度の未曾有の激震災です。既存のノウハウがそのまま役立つわけがありません。ネットがつながるのは恵まれているところです。津波の主被災地はすべてがないのです。役所も郵便局も病院も何もないのです。

2011-04-03 21:53:17
saijotakeo @saijotakeo

様々な主被災地を回って海岸線をずっと辿ってきましたが、テレビクルーをみたのは一度っきりです。マスコミも津波直後は報道していますが、その後は福島原発は心配だけど、元気を出していこうという感じになっています。

2011-04-03 21:55:54
saijotakeo @saijotakeo

でも何も終わってない。始まってすらいない。津波主被災地はこれから前を向くのです。大切なものが残っている僕らがやらないで誰がやるのでしょうか。ここで何もやらなきゃ僕は一生何もやらないだろうと思いました。

2011-04-03 21:59:07
saijotakeo @saijotakeo

生き残った人でも、漁師さんはすべての船を無くしています。車もありません。家もありません。家族すら亡くしている人が何万人もいるのです。こんな20日足らずで支援が足りるわけがありません。物資が余っている、ボランティアが余っているなどというのは幻想以外の何ものでもない。

2011-04-03 22:00:58
saijotakeo @saijotakeo

復興の予算は25兆必要といわれています。そんなものじゃ済まないと思いますが、25兆とは一億円を25万人に配れる金額です。今赤十字が400億集まっているといいますが、25万円が必要なときにたった400円しか集まっていないのです。

2011-04-03 22:02:31
saijotakeo @saijotakeo

義援金などどこにも足りてません。このまま「喉もと過ぎれば」となることだけは避けなければなりません。そのためにも余力のある人は、ぜひ現地に支援に行って欲しいと思います。あれをみたら、それがどういうことなのか、わかるはずです。

2011-04-03 22:07:08
saijotakeo @saijotakeo

一面瓦礫の山です。街が市が絨毯爆撃されたかのように壊滅しています。すべてが瓦礫になったのです。その撤去作業は国家的な事業になるはずです。地元で仕事を失った人を雇用すべきです。避難民の人は何もやることがなく何かをやりたいと思っている人も多いはずです。

2011-04-03 22:11:26
saijotakeo @saijotakeo

しかし正直いって東北の津波主被災地の自治のみに任せてはいけないと思います。機能していません。そもそも未曾有の震災の前に何をどうすればよいかすら誰もわかっていないのです。誰かがリーダーシップをとってマネジメントをしていく必要があります。

2011-04-03 22:14:28
saijotakeo @saijotakeo

しかし地元の役人はよそ者を受け付けないところがありますから、それは国からのお達しという形で、志高く本当に有能な人をトップに据えて(幹部も数名ひきつれて)その地域の力を最大限に活かせるようにすべきです。

2011-04-03 22:15:37
saijotakeo @saijotakeo

その中には地元の人とのつながりをもてる地元の勇士も加える必要があります。僕がトップだったら今ある資源でも、いくらでもやれることはあるのにと思いました。避難所の人を使って物資を仕分けしてもらう。

2011-04-03 22:21:41
saijotakeo @saijotakeo

各避難所のリーダーがそこにいる人に必要な物資をリストアップもらい、それをネットやTwitterで発信して、物資を集める。集まった物資は各避難所の人が1日に1回回収していく。余力のある人は被災地の復興のために瓦礫の撤去作業をする。

2011-04-03 22:23:21
saijotakeo @saijotakeo

国の特別予算や赤十字の義援金はその人を雇用するために使う。避難所の人たちも、故郷を取り戻すために自分ができるうことはしたいと思っているはずです。そのモチベーションを復興に活かして、かつその後の生活の糧になるようにお金を稼いでもらう。

2011-04-03 22:25:30
saijotakeo @saijotakeo

そうすれば仮設住宅の建設も早まるはず。その間、必要な物資は全国から送ってもらう(先の支援システムを活用して)。でも今は役所の壁に阻まれてそれはできない。だからせめて行政を介さずに個々人が直接支援できる体制を整える必要がある。

2011-04-03 22:27:32
saijotakeo @saijotakeo

それが僕らが作った支援システムです。有志が集まってこの人と人とのネットワークを広げていく必要があります。もっとバージョンアップさせたアイディアもすでにあります。明日にはそれを組み込んだより実効性の高い支援システムを公開したいと思います。

2011-04-03 22:30:38
saijotakeo @saijotakeo

組織は階層が増えれば増えるほど機能性が落ちます。安定しているときはまだしも、こうした未曾有の動的自体においてそれは致命的なことになります。ですから人と人の直接的な支援が一番シンプルでかつ効果的なのです。

2011-04-03 22:31:57
saijotakeo @saijotakeo

それがなぜできなかったか。それはネットがなかったからです。阪神大震災のときにネットは普及していなかった。けど今は違う。誰でもサイトを作れるし、Twitterで情報発信ができる。孫さんやホリエモンさんなどにリツイートしてもらうこともできる。

2011-04-03 22:33:35
saijotakeo @saijotakeo

ただし一つだけ留意しなければならないことがあります。田舎は高齢の人が多いということです。僕の父もそうですがネットやパソコンはまったくできません。やらせようとしても覚えられません。そもそもそれで物資を探すという発想すらないのです。

2011-04-03 22:34:42
saijotakeo @saijotakeo

ですから都会でどんなに高度なマッチングシステムを作ってもそれはパソコンができるごくごく一部の人にしか活用されません。支援はさらに偏在していくことになるでしょう。

2011-04-03 22:35:36
saijotakeo @saijotakeo

マッチングシステムはいいのです。ただその両端は人と人とが直接的なコミュニケーションでつなぐ必要がある。縁のあった人と出会い信頼関係を築き窓口になってもらう。その人からの要望を電話で聞いてネットにアップする。それをフォロアーの多い人にリツイートしてもらう。

2011-04-03 22:37:41
saijotakeo @saijotakeo

システムを使うのは人間です。その「人間像」が、首都圏の若者やサラリーマンと東北の津波主被害地の人が大きく違うのです。そのことを理解しないと本当に機能する支援システムは作れません。

2011-04-03 22:39:38
saijotakeo @saijotakeo

そのためにも一度は現地に行き、壊滅とはどういうことなのか肌で感じて、現地の人を支援しながら話を聞いて、相手を理解する必要がある。そういうこともせずに、避難所ではタバコはよくないとかお酒はダメだとか言う前に、きちんとコミュニケーションして欲しいと思います。

2011-04-03 22:41:52
saijotakeo @saijotakeo

避難所といいますが、要するに集団生活をしているということです。そのためにはルールをつくります。当たり前です。そこでお酒は毎日1人1、2杯にするとか、タバコは外で吸うとか決めるはずです。僕はそう信じています。

2011-04-03 22:44:17
saijotakeo @saijotakeo

そこまで避難所の人を非被災者の人が「管理」しなければならないのでしょうか。信じることはできないのでしょうか。自分だって飲みたいものを、避難所で暴れる人がいるとか、アル中になったらどうするんだとかいって禁止する権利は誰にあるのでしょうか。僕らはそんなに偉いのでしょうか。

2011-04-03 22:45:38
saijotakeo @saijotakeo

ちょっと言い方がきつくなってしまいました。すいません。でも、当たり前ですが、避難所で暮らしている人も、僕らと同じ人間なんです。僕らよりもかなり大変ですが、本質的なところは同じだと思います。

2011-04-03 22:47:35
saijotakeo @saijotakeo

支援するときもそれを考えて欲しいと思います。僕が今回現地に行くときに設定した視点は「QOLの向上」でした。

2011-04-03 22:49:40