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日向倶楽部世界旅行編第47話「My story mystery」

夜のブルネイ泊地、満月が照らす中、二つの人影が対峙する。
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三隈グループ @Mikuma_company 2018-05-15 20:46:49
「貴女とは一度話をする必要がある」 「忘れている、あるいは思い出せないのだろうよ」 「時を経てナトリウムと水の混合物になるのか?」 「人はいつか一人になる」 「知らなかったのですか?」 「何か企んでるのかい?」 「私は、平和を望むだけです。」 日向倶楽部、この後21:00! pic.twitter.com/ttNisjNwMX
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三隈グループ @Mikuma_company 2018-05-15 21:00:54
【前回の日向倶楽部】 …扶桑です。 ……お話はまたして差し上げます、良い子ですから、今は静かに。
三隈グループ @Mikuma_company 2018-05-15 21:02:04
【前回の日向倶楽部その2】 満月、それは満ちた月、ヨを照らす光。 しかしその月が見せるのは、僅か半分の顔、人は満月の向こう側を知らない。 天真爛漫の裏側で深淵に浸る初霜、最上と日向は鋭かったが、遅くもあったのだ。 そして今、満ちた月の下で相対する者がいた。裏側を隠す、二つの月である。
三隈グループ @Mikuma_company 2018-05-15 21:03:40
日向倶楽部 〜世界旅行編〜 第47話「My story mystery」
三隈グループ @Mikuma_company 2018-05-15 21:04:43
〜〜 ブルネイ泊地、高台の公園。月明かりに照らされて、二つの影が対峙していた。 片方は褐色色の肌をして、黒い長学ランに身を包んだ艦娘。 もう片方は、白い肌に黒く長い髪を下ろし、美しい着物に身を包んだ長身の女性。 両者はいずれも赤い瞳を持ち、互いの姿を見据えていた。
三隈グループ @Mikuma_company 2018-05-15 21:06:11
「いずれ話を聞こうとは思っていたが、よもやそっちから出向くとはな」 学ランの艦娘、武蔵は半笑を浮かべながら言った。おかしくて仕方がないといった風に、その目には一種の邪悪さが宿る。 「お前の名も、縁起の良い日本語らしいな、ククク…」 ギラギラとした目が正面を捉える
三隈グループ @Mikuma_company 2018-05-15 21:07:35
その目に映るのは、着物の女性…扶桑だった。 「……貴女とは一度話をする必要がある、そう判断したまでです。」 彼女は、扶桑は静かに、しかしハッキリとした威厳のある声で答えた。その目には何も映っていない、光すら吸い込む、深く紅い瞳があった。
三隈グループ @Mikuma_company 2018-05-15 21:08:59
満月、星、海、そこへ風がまた吹く、互いに睨み合う中、扶桑は続ける 「…武蔵、貴女の目的は何ですか?」 彼女は真っ赤な目で武蔵を睨む 「随分と直入だな、知りたいか?」 対する武蔵は、挑発するように指を波打たせる、その手は黒い異形のものだった。
三隈グループ @Mikuma_company 2018-05-15 21:10:09
だが扶桑は、眉一つ動かさず言った 「……今日の深海棲艦達は、明らかにおかしいものでした。」 「ほう?」 意外そうな顔をする武蔵に、彼女は毅然と訊ねる 「このブルネイ近くで最も力のある深海棲艦、それは恐らく貴女でしょう。…何か知っているのではありませんか?」
三隈グループ @Mikuma_company 2018-05-15 21:11:35
圧するような言葉、だが武蔵も強きもの、彼女は何ともなくと肩を竦めた 「言ってる意味がよく分からんな、様子がおかしい?どういう事だ」 「深海棲艦は、その近くで最も強力な深海棲艦の意志に従うものです。しかし彼等は応じなかった、これは普通の事では無いのです。」
三隈グループ @Mikuma_company 2018-05-15 21:13:12
扶桑の言葉に、武蔵はふむふむと頷く、その様子を扶桑は訝しんだ 「……知らなかったのですか?」 武蔵は頷く 「ああ。今の私は、恐らく理性というものが動かしている。だから本能的な部分、深海棲艦というモノの基本は忘れている、あるいは思い出せないのだろうよ。」 彼女は興味深そうに呟いた。
三隈グループ @Mikuma_company 2018-05-15 21:14:42
そして訊ねた 「…すると、お前は奴等を説得でもしようとしたと、そして、それに失敗して怪しみ、私の元に来たと?」 「……ええ」 仏頂面で扶桑は頷く、それを見て、武蔵は顔をニヤつかせた。 「ククク…そうかい、なら当ては外れたな。貴重な情報ありがとうと、私からは言わせてもらうよ。」
三隈グループ @Mikuma_company 2018-05-15 21:15:59
愉悦を漂わせる武蔵、そんな彼女に、扶桑は改めて言った。 「……最初の質問を少し変えましょう。貴女は深海棲艦について調べているようですが、何故そのような事をしているのですか?」 扶桑は目を細めて言う、殺意まではなかったが、友好的でも無い、警戒の目付きである。
三隈グループ @Mikuma_company 2018-05-15 21:17:21
「……聞きたいか?」 武蔵は誘うように笑う。しかし、扶桑が返したのは無言と沈黙、求めている答えはそれではないという、厳然たる意志であった。 風が巻き起こる、空気が騒がしく、音を立てた。 やがてそれが止んだ時、武蔵は背を向けて語り始めた。
三隈グループ @Mikuma_company 2018-05-15 21:18:45
「…フフッ、この生を楽しみたい、というのもあるが…気になるのだ、この世界のミステリーがな」 彼女の赤い瞳に、満月が浮かぶ 「私は海の上で目覚めた、何も無い、塩と水の世界でだ。この世界の生き物は同種の親から生まれるそうだが、私が生まれたのは少なくともあの上だ。」
三隈グループ @Mikuma_company 2018-05-15 21:20:24
さざ波の音が、静かに鳴る 「…なら、私は海が生んだのか?だとすれば、私は時を経てナトリウムと水の混合物になるのか?…この世界で生を楽しみ、知識を得るうち、私は自身の存在が何よりも不可思議であり、面白きものであると気付いたのだ。」 潮風が戻った、武蔵の髪が、揺れる。
三隈グループ @Mikuma_company 2018-05-15 21:21:36
彼女は、また扶桑へと振り返った 「…人間も哲学とかいって、こういう事を論じたりするんだとさ。納得して貰えたかな?」 武蔵の答えに、扶桑は納得を示す 「…ええ、貴女の目的は理解しました。人に危害を加えないというなら、それを止めたりはしません。」 「フッ、そうかい、なら結構。」
三隈グループ @Mikuma_company 2018-05-15 21:22:46
そう言うと、武蔵は満足げな様子で身を翻した 「今日はお前のおかげで良い情報を得られた、感謝するぞ」 「…貴女の様な深海棲艦でも、まだ知らない事は多いようですね」 「ククッ、それも一興。」 武蔵はゆっくりと歩き、公園の外へ向かう。その最中、すれ違いざまに彼女は囁く
三隈グループ @Mikuma_company 2018-05-15 21:23:57
「…分かっていると思うが」 横目の武蔵に、扶桑は月を見たまま答える 「ええ、話すつもりはありません。」 それを聞くと、武蔵は目を閉じて微笑んだ 「フッ…私もそのつもりだよ。お互い、上手く在ろうじゃないか…クククク…」 彼女はそう言うと、小刻みに笑いながら公園を後にした。
三隈グループ @Mikuma_company 2018-05-15 21:25:09
が、その途中で足を止めた。 「最後にひとつ聞いておきたい」 「…どうぞ」 武蔵は背を向けたまま、扶桑に問う 「お前は随分人間に肩入れしているが、何か企んでるのかい?」 その言葉に、扶桑も背を向けたまま答えた 「……私は、平和を望むだけです。」
三隈グループ @Mikuma_company 2018-05-15 21:26:31
扶桑が静かに語った、平和という言葉。それは深海棲艦である武蔵には、妙な響きであった。 「フッ…文字でよく見る言葉だな。それが欲しいのなら好きにすれば良いさ、私も止めはしない。」 彼女は背中を気にしつつ言い残すと、サングラスをかけ、扶桑を置いてその場を立ち去った。 〜〜
三隈グループ @Mikuma_company 2018-05-15 21:27:49
〜〜 やがて公園が遠く離れた頃、武蔵は足を止めて振り返る。 「……あれは妙な奴だ、興味深いな。」 そう呟くと、彼女は目をギラつかせながらまた歩き出す。満月が黒い背中を照らした、木々がざわめき、草花が揺れた。
三隈グループ @Mikuma_company 2018-05-15 21:29:10
公園に残された扶桑も、同じ風を浴び、同じ月の下に立つ。 「……」 彼女は満月に手を伸ばす、小さな月は彼女の手にすっぽり収まる、しかし手が届く事は無い。深い紅い瞳に、空っぽの手のひらが映った。 〜〜
三隈グループ @Mikuma_company 2018-05-15 21:30:46
〜〜 翌日、ブルネイ泊地にて 「やっきにっくやっきにっくうっれしいな〜〜っ」 初霜は澄ました顔をしながら、小声で歌っていた。 その隣を、最上は欠伸しながら歩く。 「ふあぁ…昨日あんだけ食べたのによく平気だね…」 「それは一晩寝たらリセットよ!まだまだ食べたいわ!」
三隈グループ @Mikuma_company 2018-05-15 21:31:57
ふんすと意気込みつつ、初霜は焼肉屋へ行進する。昨夜、焼肉屋で日向達と盛大にやった最上は、約束どおり今日の昼も初霜と焼肉を食べに行く。 (昨日結構飲んで食べたし、今日はセーブしないと大会前に太りそうだな…) ブルネイ泊地の綺麗な街並みを横目に、最上は自分の腹をつつく。
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