【三国志後伝】　三国志演義の続編として刊行され、日本で翻案されて独自に発展しつつ、各国を渡り続け生き残り、中国で復活を遂げた数奇な書物の話

まめ＠史記人物大好きクリエイター @mamesiba195

私の調べた、三国志後伝に関する内容は以上です。調査内容については全てご説明したと思います。最後の「他の原本がないか」という調査については、「現在は見つかっていないようである」という結論になります。 pic.twitter.com/Ykmzwgz5u7

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中国明代の三国志演義ブームの中で生まれた三国志後伝は、その後中国において忘れ去られ、原本は一冊のみ残りましたが、研究家からも把握されないままでした。

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しかし、日本でもう一冊の原本が発見され、それは中国に渡り、戦時でも散逸することなく、アメリカに渡り、台湾で大事に保管され、影印本も発行されました。アメリカに渡る際に、日本ではマイクロフィルム・複本が残されましたが、不幸な入れ違いにより、これも忘れ去れました。

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ただ、来日された孫楷第先生や、大塚秀高先生の書誌学としての研究や、中村昂然と尾田玄古（馬場信武）の残した翻案により、三国志後伝は次第に思い出され、日本や中国でも取り上げられるようになりました。

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ほぼ忘れ去られてから30～40年間に、影印本も発行され、現在ではいくつも中国で書籍化し、ネットに原文が掲載されるようになりました。日本では、残されていた翻案のおかげで、何度も紹介され、（翻案の）翻訳まで行われています。もはや、完全には忘れ去られる心配はなくなったと言えましょう。

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日本の東京にそのまま存在していたら東京空襲で、中国でそのまま保管されていたら、日中戦争やその後の混乱などで失われ、上海図書館に存在する原本も忘れ去られたままだったかもしれないと思います。

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また、私の調査により、私が把握している限り、ご存じの方がいなかった東洋文庫のマイクロフィルムと京大学東洋文化研究所、京都大学人文科学研究所、国立国会図書館にある複製本が確認でき、台湾国立故宮博物館に原本の一冊は所蔵されていることが判明しました。

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これは大きな成果があったものと考えています。上記に掲載した年表を再度、載せます。「三国志後伝」の長い歴史を感じ取っていただければ幸いです。 pic.twitter.com/Y7AVogCoXs

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ただ、今後の課題としては、①上海図書館にあるはずの原本は本当に現在、上海図書館にあるのか、②上海図書館にある原書が確認された経緯は確認できるのか、③他に確認すべき資料はないのか。④村口書店に存在したものは、台湾にあるものと同一と確証できる証拠はあるのか。

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⑤三国志後伝の原本の詳細な内容確認、⑥中国の論文の詳細な確認、⑦『通俗續三國志』、『通俗續後三國志』の原書の確認、などでしょうか。まだまだ、中国でも研究はさほど進んでいないようです。

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この記事を、自分で行うのは恐縮ですが、wikipediaの記事にリンクさせます。私としては、この記事とwikipediaの記事は相互補完の関係にあるものと考えます。

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ここまでおつきあい下さった方がいらっしゃいましたら、ありがとうございました。繰読解や引用についての責任は私にありますので、ご理解ください。ご意見やご指摘がございましたら、助かります。