バーナード・スーツ『キリギリスの哲学』レジュメ的な、そうでもないような何か-結末

難題の預言者、悉若無＠いりやらさんどるあはれなり @L_O_Nihilum

3~13章までのまとめ 【３】ゲームの定義は、 ①成功の条件(前提的目標)と、成功(内部的目標)があって ②①を達成する為の手段の効率性がルールによって制限されてて ③それをプレイするのに他のルールが必要ないと言うプレイヤーの態度 によって出来ている。要は「自分から制限を望んで挑戦する事」。

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【４】疑義①　成功の条件(達成されるべき特定の事態)がある、ゲームと非ゲームの違いは？ 答：記述として他の活動と区別する制度が、あるか無いかだ。 pic.twitter.com/YsLOZHMpgu

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【５】疑義②。非効率的な全ての選択がゲームであるのか？ 答：否。成功の条件を達成する資源がルールによって制限されていて、 且つその中で効率性を最大化する努力が出来ないなら、ゲームとは言えない。 pic.twitter.com/i6LiSxi9Ez

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【⑥】疑義③．「なんでもアリ」のゲームが存在してしまうのでは？ 答：あり得ない。「ゲームをしよう」と言った地点でそのゲームの開始する時間が決まってしまう。既にそれだけでもルールである。 無法者同士の喧嘩であっても、「ケンカしようぜ」と合意を得る瞬間からルールが成立する。 pic.twitter.com/B0oyL4qIC2

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【７】疑義④．勝ち負けを競うゲームは、勝ち負けがあると言うだけで、自己矛盾した存在になっているのでは？ 答：そんなことは無い。「同じルールのゲームを遊ぶ」と「その中で勝とうとする(Or負けようとする)」事は両立する。それが成り立たないゲームは、ゲームの設計の方に問題がある。 pic.twitter.com/wOulO8MIOJ

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【８】疑義⑤．人為的でない、原理的に存在する制約だけの物はゲームとは言えないのでは？ 答：問題ない。人為的なルールのない、他の要素で制約がかかっているゲームだって立派にゲームだ。登山は立派にゲーム的に行える。 pic.twitter.com/fsSiIgtbb8

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【9~12】疑義⑥．ごっこ遊びのような終わりや決着が無い物でもゲームだとは言われるだろう。それをどう説明するつもりだ？ 答：オープンゲームというくくりを新たに作れば問題なくゲームの仲間だ。前提的目標それ自体がゲームを続ける為に存在するゲームの事を、クローズドから区別すればいいのだ。 pic.twitter.com/5IvNAXi9xQ

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【13】疑義⑦．「ゲーム内部的態度」がゲームの定義に入ってたら、プロみたいにゲームを他の目的の為にやってるのがゲームじゃないって事になるのでわ？ 答：ぷよぷよやってるときギルティの勝ち方考えてるわけないだろって言うのが内部的態度だ。それでメダルを獲って優勝するって事は反発しない。 pic.twitter.com/djuq1sedtY

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扨これらの議論は、ぜーんぶキリギリスとその弟子が議論して居た頃、 つまりキリギリスが劇中でまだ存命だったころの「過去回想」である この本、長きにわたって過去シーンを再生していたのだ

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さてみなさン 今回がキリギリス哲学ツイートの、ついに最終回です どーして、弟子スケプティコスは回想なんてしていたのか。 最終回は14，15章に入っていくけど、その前置きとして、 ど～～～～～しても1，2章を詳しく見ておかないと意味不になるんで、一旦今までの話をおさらいさせていただきました

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つまるところ時系列順にこの本を、エンディングまで追っかけるのが今回のテーマでごぜーますだ。 そんな感じで、まあ一発やってみるわけですわ 扨一連のゲームの定義を議論し終えた後、冬になって、キリギリスはどうなるんでしたっけ？ 弟子の前で死にかけだったんでしたね。

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本日はその時の会話から始まります。

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第1章、キリギリスの死。 死にかけのキリギリスを前に、弟子たちは食べ物を与える為に働こうと言いだしたりしている。その分を来夏までに働いて返してくれればいいと懇願する。 しかしながら、キリギリスはそれを拒む。「僕は決して”働く”なんて事は”しない”」

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プルーデンス(以下Pr)「お望みであれば、返礼なんてしなくても構いません、私達はアリではないのですから」 キリギリス(以下Grs)「まだ分かっていないね。労働の成果なんて還す必要が無いのは知っているだろう。何故君達が労働の成果を私に与えようとするのかね」 Pr「でもそんな”正しさ”なんて」

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Grs:それはアリたちの正義観かね？君達はアリではないというのに、どうして私を活かす為に”働こう”だなんて思うんだい？恐らく、私が君達の理想を体現した存在だからだろう。その願いはある程度まで、賞賛にさえ値する。だが、――腹を立てないでおくれよ――君らの願いは”偽善的”なのだよ」

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Pr:酷いですわ、キリギリス! Grs:まあ、そう高ぶらないでほしい。決して他意があるわけではないんだ。君達は私を生かしたいくらい尊敬しているからそうするんであって、決してアリにそれを自慢したいからじゃないんだろ。 Pr:そんな事を思った事などありませんよ！

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Grs:その言葉は信じるけれど、君達が立派な提案をしていると思ってるなら、そういう事になる可能性もあった。つまり、私が働かないから、自分達が働く…という具合のそれだ。

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Grs:私の教えは分かっているだろ、弟子たちよ。君達は怠惰であるべし。そのはずなのに君達は自分が働く口実を探しているだろう？自分達だけじゃなくて、私まで食べさせるというかたちで。私はその事を”偽善的”と言ったのだ。

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スケプティ͡コス(以下Sk):つまりこう言う事だよな。僕達にはキリギリスの死を受け入れる勇気が足りないんだ。僕ら弟子たちは、アリでもないけれどキリギリスでもないから。キリギリスは自分の原則に従おうとしている。僕達もキリギリスの言うように自分の原則に従うべきだ…って事だろ？

難題の預言者、悉若無＠いりやらさんどるあはれなり @L_O_Nihilum

Grs:必ずしもそうとは限らない。君達が留意すべきは、これがキリギリスの原則だと言う事だ。君達が私の原則に従うよう説得してるわけではない。”私が私の原則に”殉じなければならないと説得しているんだ。だから、私が君達のために死ぬのであり、君達が私のために死ぬのではない。⇒

難題の預言者、悉若無＠いりやらさんどるあはれなり @L_O_Nihilum

君達は私が死ぬまでの間少し勇気を持ってくれるだけでいい。死を嘆くのではなく是認しうるだけの勇気を。君達に足りないのはその勇気だ、理由は2匹とも違うけどね。⇒

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プルーデンス、君は私の原則が素晴らしい物だとは思っているが、それに準じるべきだとまでは思えていない。 スケプティコス、君の場合は、そもそも私のこの原則が殉じるに値するものだという確信すらないだろう。

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Skp:キリギリス、私があなたの傍からずっと離れなかったのは、あなたが最も賢い生き物だと尊敬しているからです。しかし、キリギリスの人生こそ最高の人生だという確信は、今だ持てずにいるんです。