尾上先生の勉強風景(29) ついに御本尊ダーウィン先生に

暑い夏に動物と植物を家畜化する方法を考える先生
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尾上正人 @9w9w9w92

「総じて言えば、文化進化は私たちよりも賢い。その文化の産物に満ちあふれた世界のなかで遺伝的進化を遂げてきたのが、私たち、ヒトという種なのだ」177頁

2019-08-22 15:54:08
尾上正人 @9w9w9w92

名声や信望を重んじるプレスティージ心理は、人類進化の過程で文化的学習に付随して生まれたものであり、社会的地位(ステータス)にまつわる心理としては比較的新しい…ヒトはその他に、腕力や権力になびくドミナンス心理ももち合わせているが…霊長類の祖先から受け継いだもので…はるかに古い 184-5

2019-08-22 16:49:59
尾上正人 @9w9w9w92

「人類は、文化-遺伝子共進化の道を歩んできたがゆえに、(少なくとも)2種類のまったく異なる社会的地位をもつようになった。ドミナンスとプレスティージである。…この異なるタイプのステータスが、それぞれまったく異なる心理プロセス、動機、情動、ディスプレイ行動と結びついている」185頁

2019-08-22 16:53:13
尾上正人 @9w9w9w92

クリストファー・フォン・リューデンらの、ボリビア・チマネ族の繁殖適応度調査…「プレスティージの高い男性は、若くして結婚し、生まれた子どもの死亡率が低いという傾向も認められた(このような傾向はドミナンスの高い男性には見られなかった)」187 結婚し家族持ち→プレスティージの逆因果も?

2019-08-22 17:00:02
尾上正人 @9w9w9w92

「他の多くの種と同様に、霊長類の場合もやはり、体の大きな個体ほど、支配的で優位な地位を獲得しやすい。ヒトでも生後10か月までの乳児は、2つのものを戦わせると、それが顔を描いた長方形であっても、大きさの大小だけで勝負が決まると考えるのだ」193頁

2019-08-22 20:27:05
尾上正人 @9w9w9w92

「プレスティージの低いプレーヤーは、プレスティージの高いプレーヤーの協力的行動をまねる傾向があること、また、プレスティージの高いプレーヤーが協力的に行動するのは、プレスティージの低いプレーヤーが自分に追随するとわかっているときのみだということ」199-200頁

2019-08-23 01:39:16
尾上正人 @9w9w9w92

「別の実験的研究から、プレスティージの力で、①市場価格をつり上げて法外な利益を得ることも、②集団の協力を促して相互利益を生み出すことも、可能であることが明らかに…プレスティージの力をよく理解していれば、その力を巧みに利用して組織の協力を促すことが可能だということだ」200頁

2019-08-23 01:42:15
尾上正人 @9w9w9w92

「シャチについての詳しい個体群統計学的研究から、30歳を超えたおとなの雄でさえ、その母親が周囲にいると生存率が高まることが確認されている」207頁

2019-08-23 02:00:23
尾上正人 @9w9w9w92

「研究者たちが子ゾウの生存率を調査したところ、高齢の雌に率いられている家族集団ほど、この旱魃期の子象の死亡率が低いことが明らかになったのだ。…公園を離れてうまく生き延びたこの2つの群れには、それぞれ1頭ずつ、1960年[の旱魃]当時の記憶をもつ高齢の雌ゾウがいたのである」207-8頁

2019-08-23 02:07:39
尾上正人 @9w9w9w92

「階層制のない平等主義的な社会においては、名望(prestige)が政治経済の営みの重要な土台になっている。…それぞれの土地で『ビッグマン』と呼ばれているこうした人々は、一生の間に相当な影響力を築くが、それは一代限りであって、影響力が子孫に引き継がれることはほとんどない」209-10頁

2019-08-23 02:12:10
尾上正人 @9w9w9w92

「うまく機能している制度というものはたいがい、このようなヒト特有のステータス心理を、思いがけない方法で、引き出したり抑えたりしているものだ」210頁 好例として、年少者から発言するユダヤの「サンヘドリン」…山本七平が「全員一致は無効」とデタラメ書いて浅見定雄にボコされたサンヘドリンw

2019-08-23 02:20:26
尾上正人 @9w9w9w92

「社会規範の出現が、自己家畜化という遺伝的進化の駆動力となって、ヒトの社会性を急速に高めていった」215頁

2019-08-23 02:37:11
尾上正人 @9w9w9w92

「血縁選択説と互恵的利他主義の考え方では、現代社会のような複雑な社会の協力行動をうまく説明できないだけではない。移動型狩猟採集民などの小規模社会で見られる協力行動もうまく説明することができない」216頁 反ハミルトンの流れがもはや防ぎ止められなくなってきたのう…

2019-08-23 02:41:32
尾上正人 @9w9w9w92

(承前)「ヒトの協力行動や社会性を理解するために必要なのは何なのか…必要なのは、文化によって網の目のように張りめぐらされた社会規範のなかで、ヒトの社会的本能がどのように引き出され、強化され、あるいは抑制されているかを探ることなのである」216頁 ボイド&リチャーソン直系ーッって感じ

2019-08-23 02:45:23
尾上正人 @9w9w9w92

「文化的学習のもつ底知れぬ力…本来ヒトが嫌うはずの事や物を、むしろ好みの対象としてしまう…人々が他者を手本にして学び、そのようにして身につけた行動、信念、動機が社会的相互作用に影響を及ぼすようになると、いったい何が起こるのか? おのずと社会規範が出現してくる…文化進化ゲーム理論 218

2019-08-23 03:07:47
尾上正人 @9w9w9w92

「父方に有利な社会規範が姿を消した多くの現代社会では、<父方>よりも<母方>の祖父母やおじ・おばの関与が強くなるにつれて、父性の不確実性の影響が表面化してきている」225頁 これは確かに実感としてはある(笑)

2019-08-23 09:28:18
尾上正人 @9w9w9w92

「近親相姦に対する嫌悪と近親相姦のタブー(禁忌)の違いや、その関係…タブーは、近縁ではない親族どうしの性交渉やつがい形成を規制するために、文化として発達してきた社会規範である。…文化進化は、近親相姦に対する生得的な忌避をうまく利用しながら…ヒトの行動を自在にコントロールする」232

2019-08-23 09:57:22
尾上正人 @9w9w9w92

「ヒトの共同体をつくり上げているのは社会規範の力なのだ。…ヒトの協力行動や社会性は、文化進化によって生まれた社会規範に大きく影響され、これに深く依存している。この社会規範こそが、ヒトを、他に類を見ないユニークな動物にしている」233頁 共進化説が伝統的社会学へと回帰した瞬間(苦笑)

2019-08-23 10:03:44
尾上正人 @9w9w9w92

「霊長類は、おそらく夫婦のような関係を築くと思われるが…姻族が特別な関係を築いているという証拠は得られていない。…姻戚関係の出現は、人類を特異な存在にした重要な特徴の1つかも…狩猟採集民のバンドは、文化によって形作られている…姻族まで含めてはじめて、『大部分が親族』で構成」236頁

2019-08-23 10:24:36
尾上正人 @9w9w9w92

「社会規範を通じて文化は、ヒトの血縁関係やつがい関係を強化するとともに、遺伝的つながりに基づく小さな親族社会を、文化的に構成された親族システム社会へと劇的に拡大していく」236-7頁

2019-08-23 10:27:06
尾上正人 @9w9w9w92

「儀礼的親族関係と姻戚関係。この2つはいずれも文化的に構築されたもので、霊長類やその他の動物の世界には存在しない。しかし、ヒト社会においては、この2つが、血縁にもまして、連携、協力、援助、および分配行動をもたらす大きな要素になっているのである」247-8頁

2019-08-23 10:52:09
尾上正人 @9w9w9w92

「なぜ、向社会的行動を促す規範が広まっていったのか——その理由を説明しうる重要なプロセスを提供してくれるのが集団間競争なのである。…協力行動を促す規範をもっている集団は、そのような規範をもたない集団との競争において、優位に立つことができる」252 この章はボウルズ&ギンタス流群淘汰か?

2019-08-23 11:16:54
尾上正人 @9w9w9w92

「文化進化が常に向社会的な規範形成を促すとは限らない…歴史を見ればわかるとおり、どんなに優れた制度であっても、集団間競争に揉まれながら刷新されていかないかぎり、やがて制度疲労を起こし、私利私欲のせいで崩壊に至る」256頁 どうもここはロジックが曖昧だな…この著者全体に感じることだが

2019-08-23 11:29:56
尾上正人 @9w9w9w92

「戦争と名声バイアスという、2種類の集団間競争の相乗効果によって、協調性を重んじる文化が周囲へと広まっていく」264頁

2019-08-23 15:26:19
尾上正人 @9w9w9w92

「今から3000~5000年ほど前にクイーンズランド州北西部地域に現れたパマ・ニュンガン語族が徐々に分布を拡大していき、やがて、オーストラリアのほぼ全域[8分の7]を席巻するに至った」266頁

2019-08-23 15:32:03
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