尾上先生の勉強風景(29) ついに御本尊ダーウィン先生に

暑い夏に動物と植物を家畜化する方法を考える先生
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尾上正人 @9w9w9w92

「食物の調理はすべて、食物を消化する口や胃や大腸の仕事量を減らしてくれるが[ランガム説]、栄養分の吸収に要する仕事には何の変化もない。それゆえ、ヒトの小腸は、同じ体格の霊長類の小腸とほぼ同じ大きさなのである」106頁

2019-08-22 03:02:14
尾上正人 @9w9w9w92

「ダニエル・フェスラーによると、ヒトは6〜9歳頃に、他者が火を扱うのを観察したり、自分で実際に扱ってみたりして、火について学ぶことに執着する時期があるという。…現代社会では、多くの子どもがその好奇心を満たせずにいるがゆえに…20代前半になっても、火への興味を引きずることになる」109

2019-08-22 03:09:22
尾上正人 @9w9w9w92

「月齢に関係なく、ほとんどの乳幼児は植物にはまったく手を触れようとしなかった…人工物の場合には、未知のものであってもまったく躊躇することはなかった。…赤ん坊は満1歳になる前から、植物とそうでないものをすぐに見分け、植物を警戒するようにできている…植物を避けるこの保守的性向」126頁

2019-08-22 10:13:45
尾上正人 @9w9w9w92

「ブルーやグリーンの瞳は、高緯度地域で穀物を主食とする人々が、白い肌の遺伝子[HERC2]が有利になる自然選択を受けた結果、いわばその副作用[多面発現]としてもたらされたものなのである。…文化進化によって形成された環境が、遺伝的進化を駆動する可能性は十分にある」131-2頁

2019-08-22 10:32:43
尾上正人 @9w9w9w92

「文化進化によって生じる選択圧は、自然界の選択圧<以上>に強い力になりうることもわかってきた。文化はときとして、自然委では見られないほど急激な遺伝的進化を引き起こすことがあるのだ。…文化にはゲノムを変化させるほどの力があるのだ」132頁

2019-08-22 10:36:02
尾上正人 @9w9w9w92

太田博樹氏らの、タイ山岳地帯の社会における父方居住・母方居住によるY染色体とミトコンドリアDNAの多様性の違いに関する研究の紹介。144頁 twitter.com/9w9w9w92/statu…

2019-08-22 11:24:54
尾上正人 @9w9w9w92

太田博樹(2018)『遺伝人類学入門ーーチンギス・ハンのDNAは何を語るか』ちくま新書

2018-11-26 18:02:26
尾上正人 @9w9w9w92

「全体的に見て、伝統的な人種分類は、ヒトの遺伝的多様性のわずか7%ほどしかとらえていない」146頁

2019-08-22 11:29:38
尾上正人 @9w9w9w92

文化進化には、だれもがもっている部族意識を利用して、社会を特定のやり方で切り分けようとする働きがある…そのときに人種や民族といった分類が生まれるのだ。このような分類には通常、大した遺伝的根拠などないのだが、それが無意識のうちに習得されて、私たちの知覚、直感、とっさの判断に影響 147

2019-08-22 11:35:10
尾上正人 @9w9w9w92

「新しい社会構築主義の考え方…それは、すべての人間は(あるいはヒト以外の種も)生まれながらに、奪うことのできない権利を授かっているという考え方に通じるものだ…遺伝子や生物学的特性や文化についてどんな新事実が明らかになろうとも、人間からこの権利を奪うことはできない」147 唐突な印象w

2019-08-22 11:40:34
尾上正人 @9w9w9w92

「キャッサバの毒抜き法のみならず、文化的適応の多くは因果関係がわかりにくいというこの事実が、ヒトの心理に大きな影響を及ぼした」151頁 この事例とてもおもろい

2019-08-22 13:45:14
尾上正人 @9w9w9w92

「文化進化は、往々にして、私たち自身よりもはるかに賢いのである。成功、名声、健康を手にしている共同体成員のやり方を個々人が無意識にまねる、ということを何世代にもわたって繰り返すうちに、こうした進化プロセスによって文化的適応が生まれてくるのである」151-2 市場が人間より賢いのと似るw

2019-08-22 13:49:42
尾上正人 @9w9w9w92

「ペラグラは、この新たな主要作物[トウモロコシ]とともに、ルーマニアやロシアにまで広がっていったが、患者はほとんどが貧困層の人々だった。冬の間、ほとんどトウモロコシだけを食べて過ごすからで、ペラグラは『春の病』と呼ばれるようになった」157頁

2019-08-22 13:58:51
尾上正人 @9w9w9w92

「[カリブーの肩甲骨を焼いて、ひび割れから狩りの方向を決める]占いの儀式は、ハンターの意思決定にバイアスがかかるのを防ぐためのランダム化装置だった可能性がある」161頁 面白すぐる…殷王朝や卑弥呼の占い政治にも適応的な意味があったのかな

2019-08-22 14:07:09
尾上正人 @9w9w9w92

「人々はたいてい、先祖伝来の風習にどういう意味があるのかをまったく理解していないが、むしろ、その目的も効果もわからずにやっているということにこそ、意味があるのかもしれないということだ」162-3頁 ハイエクの考えに近いのかのう(素人)

2019-08-22 14:12:15
尾上正人 @9w9w9w92

「モデルの年齢やステータスが本人よりも上である場合は特に、目的とは関係のない行動まで模倣する傾向[過剰模倣]が見られた。…行動と結末の因果関係が不明瞭な場合には、年齢とともに『過剰模倣』の傾向が<強まっていく>」166頁

2019-08-22 14:29:53
尾上正人 @9w9w9w92

「チンパンジーはすぐさま、無意味な行動をすべて省略した[過剰模倣しなかった]…自分の目で見て、その行動が無意味だとわかると、その行動は模倣しなかった。チンパンジーも確かに文化をもつ動物だが、チンパンジーは文化的な種ではないのだ」166-7頁

2019-08-22 14:34:01
尾上正人 @9w9w9w92

「ヒトは模倣という手段を利用して社会的関係を築いたり、ステータスの差を示したりするようになった。…ヒトは『過剰模倣』することによって逸脱者呼ばわりされるのを避けようとすることがある」167頁

2019-08-22 14:43:28
尾上正人 @9w9w9w92

「化学兵器[カプサイシン]はトウガラシの生存や繁殖に役立っている。というのは、哺乳類などはヒリヒリ辛くて食べられないのに、カプサイシン受容体をもたない鳥類はこれをおいしく食べることができ、そのついでにトウガラシの種子を撒き散らしてくれる」170 WASABIのジャン・レノも受容体なさそうw

2019-08-22 14:51:26
尾上正人 @9w9w9w92

「心理学者ポール・ロジンの研究から、トウガラシを食べておいしいと感じるようになるのは、主として、トウガラシのもたらす痛み信号が快感や興奮として解釈し直されるからである…メキシコ高原での調査によると、子どもたちは無理強いされなくても少しずつ、トウガラシに対する思考を獲得していく 170

2019-08-22 14:56:09
尾上正人 @9w9w9w92

「必要な場合には、本人も知らないうちに、哺乳類としての生得的な忌避反応を抑え込んでしまえるほど、文化の力は強力なのである」171頁

2019-08-22 14:58:35
尾上正人 @9w9w9w92

「文化的な種、すなわち文化に依存して生きている動物であるヒトは、複雑な手順、習慣、信念、そして動機を丸ごとすべて、意味のなさそうなものまで含めてそっくりそのまま、忠実に模倣しようとする本能をもっている」172頁

2019-08-22 15:03:38
尾上正人 @9w9w9w92

「複雑な文化進化の産物の存在こそが…因果モデルの構築を誘発・促進したのであって、その逆ではない…たいていの場合、ある装置や技術は、因果理解が生まれる以前からすでに存在していたのであり、それが<存在することによって>、高度な因果理解が発達しやすい世界が開かれていったのだ」172-3頁

2019-08-22 15:10:01
尾上正人 @9w9w9w92

「最近までの人類史においては、因果理解によって文化進化が促されるのではなく、逆に、累積的文化進化の結果として、因果理解がより深まっていくケースのほうがはるかに多かった」173頁

2019-08-22 15:14:14
尾上正人 @9w9w9w92

「ヒトの頭の中で因果推論メカニズムが最も効果的に作動するのは、人工物を用いて『何かをしよう』としている人を見ているときである…だれかが人工物を使って何かをするのを見たときのほうが、まったく同じ物体移動やそれによる環境変化が『自然に起きた』ときよりも…因果関係をより正確に推論」173

2019-08-22 15:22:09
尾上正人 @9w9w9w92

「少なくとも累積的文化進化が始まって以降、自然選択は、局所環境に合った複雑な適応を『黙々と』生み出す<唯一>のプロセスとしての地位を失ったのだ」174頁

2019-08-22 15:47:05
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