米「CrimeReads」選出、2010年代ミステリー小説ベスト10の1冊に中村文則『掏摸[スリ]』が選出される【2019年11月21日】

2012年に『掏摸[スリ]』が英訳されて以来、英語圏でミステリー(クライム・フィクション)あるいはノワールの書き手として高く評価されてきた中村文則先生。その後に英訳された作品は順に、『悪と仮面のルール』、『去年の冬、きみと別れ』、『銃』、『王国』、『土の中の子供』、『教団X』。 2019年11月20日(米国時間)にアメリカのミステリー批評サイト「CrimeReads」が発表した2010年代ミステリー小説ベスト10の1冊に、その中村文則先生の『掏摸[スリ]』が選出されました。 補足1)レオナルド・パドゥーラについての情報を追加 続きを読む
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関連Togetter・リンク

まとめ 中村文則『掏摸[スリ]』がロサンゼルス・タイムズ文学賞ミステリ部門候補になるまでの軌跡 2013年2月22日、中村文則『掏摸[スリ]』の英訳版『The Thief』がロサンゼルス・タイムズ文学賞ミステリ部門の候補作に選ばれました。受賞作の発表は2013年4月19日。 それに関連して、過去の英語圏での『The Thief』の評価をまとめてみました。 ロサンゼルス・タイムズ文学賞ミステリ部門の今回の候補作や過去の受賞作についてもまとめました。 ★まとめ第2弾作成しました★ 「中村文則がデイヴィッド・グーディス賞を受賞するまでの軌跡」(2014年2月25日) http://togetter.com/li/634319 13558 pv 32 1 user 1
まとめ 中村文則がデイヴィッド・グーディス賞を受賞するまでの軌跡 ノワール小説の分野に貢献した作家に2年に一度贈られるアメリカの文学賞、「デイヴィッド・グーディス賞」の2014年の受賞者に中村文則が選ばれました。2008年から授与されている賞で、今までの受賞者は2008年がケン・ブルーウン(アイルランド)、2010年がジョージ・ペレケーノス(アメリカ)、2012年がローレンス・ブロック(アメリカ)。日本人の受賞はもちろん初です。 中村文則は2012年3月に『掏摸(スリ)』、2013年6月に『悪と仮面のルール』がアメリカで英訳出版され、ジャパニーズノワールの旗手として高い評価を受けています。 このTogetterでは英語圏での中村文則の評価および、次に英訳が決まっている『去年の冬、きみと別れ』に関するインタビュー記事などをまとめました。 昨年作成した中村文則の英語圏で.. 19349 pv 20 5
まとめ 中村文則がアメリカのミステリー雑誌の表紙を飾る! 中村文則が1985年創刊のアメリカのミステリー雑誌『Mystery Scene』137号(2014年 Holiday号)の表紙を飾った。 この雑誌は年5回刊行で、毎年「冬号」、「春号」、「夏号」、「秋号」、「Holiday号」の順で刊行される。「Holiday号」は「年末年始号」とでも訳せばいいだろうか? ※2014年10月22日~11月18日の北米キャンペーンツアーについてもまとめました 7670 pv 32 1 user 4
  • ↓ 「翻訳ミステリー大賞シンジケート」に寄稿した、中村文則先生の英語圏での受容に関する拙文(2016年7月13日掲載)
リンク 翻訳ミステリー大賞シンジケート 【横山秀夫『64』CWA賞ノミネート記念】日本ミステリー英語圏進出の「その後」(2)(執筆者・松川良宏) | 翻訳ミステリー大賞シンジケート 横山秀夫『64(ロクヨン)』が英国推理作家協会賞の候補になったのを機に、ここ2、3年の日本ミステリーの英語圏進出状況を連載させていただくことになった。今回が連載第2回となるが、せっかくなので旬な話題をメインに紹介していこう。 関連記事 「非英語圏ミステリー賞あ・ら・かると 第9回 日本のミステリー小説の英訳状況」(2013年11月) 「非英語圏ミステリー賞あ・ら・かると 第10回 アメリカのミステリー賞と日本ミステリー」(2013年12月) 「【横山秀夫『64』CWA賞ノミネート記念】日本ミステリー英語圏

補足1)キューバの作家、レオナルド・パドゥーラについて

Dokuta 松川良宏 @Colorless_Ideas

キューバのミステリ小説、レオナルド・パドゥーラ『アディオス、ヘミングウェイ』読了。かつて文豪のヘミングウェイが暮らしたキューバの家。嵐によって巨木が倒され、そこから40年ほど前のものと見られる他殺死体が発見された。この死体とヘミングウェイとの関係は? 元刑事のコンデが真実に迫る。

2012-05-20 23:58:17
Dokuta 松川良宏 @Colorless_Ideas

レオナルド・パドゥーラ『アディオス、ヘミングウェイ』。キューバのミステリ小説を読むのは初めて。自分が普段求めているミステリとはまったく別物だったが、キューバの街を舞台に描かれる人々の生きざま、刑事を引退して作家を目指す中年の刑事の思いなど、非常に味わい深く読めた。

2012-05-21 00:11:44
Dokuta 松川良宏 @Colorless_Ideas

なお、キューバのミステリ作家レオナルド・パドゥーラの邦訳書は『アディオス、ヘミングウェイ』(ランダムハウス講談社、2007年)のみ。ほかに、雑誌『すばる』2004年11月号に短編「狩猟者」とインタビューが掲載されているらしい。

2012-05-21 00:21:07
Dokuta 松川良宏 @Colorless_Ideas

キューバの推理小説に関する情報を入手。『すばる』は純文学雑誌だが、その2004年11月号(特集:チェ・ゲバラとキューバ文学の挑戦)にキューバの推理作家のレオナルド・パドゥーラへのインタビューがあった。

2013-05-06 09:35:31
Dokuta 松川良宏 @Colorless_Ideas

キューバでは1970年代になると国外の小説がほとんど出版されなくなってしまうが、1960年代までは英米やフランスの小説がそれほど間をおかずに翻訳出版されていた。クリスティーや、カー、クイーンなどの黄金時代の探偵小説を集めた《エル・ドラゴン叢書》というのがキューバで出ていて、(続く

2013-05-06 09:39:21
Dokuta 松川良宏 @Colorless_Ideas

続き)レオナルド・パドゥーラはまずその《エル・ドラゴン叢書》で推理小説に触れ、その後ハメットやチャンドラーなどのハードボイルドに傾倒していった。またパドゥーラは文学ではサリンジャーとバルガス=リョサを好んでいて、新たに執筆に掛かる際には2人の作品を読んで自らを鼓舞するとのこと。

2013-05-06 09:41:20
Dokuta 松川良宏 @Colorless_Ideas

キューバでは1970年代になると国内の純文学作家への検閲が厳しくなり、活動できなくなってしまった作家も大勢いた。一方で推理小説は自由に書けたので、キューバでは1970年代から80年代にかけて国産推理小説が盛んに出版された。1986年には「キューバ推理作家協会」が設立された。

2013-05-06 09:42:00
Dokuta 松川良宏 @Colorless_Ideas

以上、『すばる』2004年11月号より。インタビュアーは野谷文昭氏。野谷氏は1年ほど前の毎日新聞のコラムでもレオナルド・パドゥーラについて書いている。 mainichi.jp/feature/news/2… パドゥーラの邦訳は『アディオス、ヘミングウェイ』がある。

2013-05-06 09:46:17
Dokuta 松川良宏 @Colorless_Ideas

英文記事「ぜひ読んでみてほしいラテンアメリカのミステリ作家10人」(2015年4月19日) crimefictionlover.com/2015/04/latin-… 日本で既紹介なのは10人中3人。(レオナルド・パドゥーラ[キューバ]、パコ・イグナシオ・タイボ二世[メキシコ]、ルイス・セプルベダ[チリ])

2015-04-25 00:12:09
Dokuta 松川良宏 @Colorless_Ideas

レオナルド・パドゥーラの邦訳は『犬を愛した男』が2冊目。1冊目の『アディオス、ヘミングウェイ』(宮崎真紀訳)は、埋もれてしまった名作が多いことで知られるランダムハウス講談社文庫から刊行されていて、楽しく読んだ記憶が。 twitter.com/Colorless_Idea… twitter.com/Colorless_Idea…

2019-11-25 20:27:47
Dokuta 松川良宏 @Colorless_Ideas

米国のミステリ批評サイトにより2010年代ミステリベスト10 togetter.com/li/1433009 の1冊に選ばれたレオナルド・パドゥーラ『犬を愛した男』(邦訳2019年4月、水声社)、6年前に「翻訳ミステリー大賞シンジケート」で柳原孝敦氏が紹介していた作品です。 honyakumystery.jp/1366586704

2019-11-25 20:29:09
リンク 翻訳ミステリー大賞シンジケート 黒、ただ一面の黒(執筆者・柳原孝敦) | 翻訳ミステリー大賞シンジケート 第4回 黒く塗れ 昨年だったか、フランス出張から帰ってきた同僚の西谷修さんが、当地で話題だったとして、「なんとかというキューバ人が書いた、トロツキー暗殺についてのこんな分厚い小説、知ってる?」と話題を振ってこられた。 もちろん、知っておりますとも。レオナルド・パドゥーラLeonardo Paduraの『犬が好きだった男』El hombre que amaba a los perros (Barcelona, Tusquets, 2009) のことでしょう。ええ、評判になるに値する、大作でございますよ。前年

補足2)中村文則先生のアメリカでの活動に関連して、アメリカの作家、バリー・ランセットについて

中村文則先生は2014年10月22日~11月18日、英訳版『去年の冬、きみと別れ』の発売に合わせて北米各地でサイン会を実施したり、ミステリー関係の対談やパネルディスカッションに参加したりしています。下記の「バウチャーコン」もその際に中村文則先生が参加したイベントの1つ。アジアミステリーについてのパネルディスカッションが実施され、その登壇者にはこのたび邦訳が出ることになったバリー・ランセットもいました。

この時期に中村文則先生がまわったイベントについては、上にリンクを貼ったTogetter「中村文則がアメリカのミステリー雑誌の表紙を飾る!」で詳しくまとめています。

2014年11月

Dokuta 松川良宏 @Colorless_Ideas

アメリカ有数のミステリ大会、バウチャーコン(13日〜16日)で日本時間の15日午前8時にアジアのミステリ小説についてのパネルディスカッションがあるようだ。中村文則が出席。ミステリマガジンにレポートが載ったりしないかな。 bouchercon2014.com/author-desc.ph…

2014-11-15 02:46:08
Dokuta 松川良宏 @Colorless_Ideas

中村文則が参加したバウチャーコンのパネルディスカッション「Mysteries and Thrills in Asia」、ほかの参加者はJuliet Grames, Lisa Brackmann, Barry Lancet, Martin Limon, Ovidia Yu

2014-11-15 18:17:44
Dokuta 松川良宏 @Colorless_Ideas

アジアミステリについてのパネルディスカッションに中村文則とともに参加したバリー・ランセットは、サンフランシスコの「ジャパンタウン」を舞台にしたミステリで2013年デビュー。 barrylancet.com/japan/

2014-11-15 18:24:25