ストラクチャリストとホリゾンタリスト(ホリゼンタリスト)

勉強ノート
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望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

内生的貨幣供給論:ストラクチャリストとホリゼンタリスト blog.goo.ne.jp/wankonyankoric… ホリゼンタリスト(カルドア、ムーアなどが源流)とストラクチャリスト(レイやポーリンら)について、正直勉強不足だったので復習。

2020-01-09 21:09:49
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

ホリゼンタリストとストラクチャリストの対立点は、中央銀行の金利設定に対する銀行の信用創造行動の仮定の差(というか厳密さ)なのかなというのが私見。 twitter.com/motidukinoyoru…

2020-01-09 21:15:20
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

ホリゼンタリスト(ホリゾンタリスト)は、中央銀行の金利政策から天下り式に市場金利が定まり、最も強引な仮定においては、受動的に定まった市場金利とそれに対する民間の支出需要に応じて、信用創造水準が受動的に変動すると論じた。

2020-01-09 21:17:23
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

要するに、中央銀行が銀行間金利目標を固定して準備預金調節を行なっている(”水平”的な金融調節を行なっている)のと類似的に、商業銀行も、ある定まった市場金利のもとで受動的に信用創造を行なって貨幣供給を行なっている、と考えていた(考える向きもあった)。 twitter.com/motidukinoyoru…

2020-01-09 21:19:27
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

これに対してストラクチャリストは、中央銀行による金融調節はホリゾンタルであると見做すことは妥当であるものの、商業銀行の信用創造においては必ずしも単純なホリゾンタリズムは当てはまらないと批判した。 (必ずしもホリゾンタリズムが丸っ切り間違っているわけではないのだが詳しくは後述する)

2020-01-09 21:23:38
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

まず、通常の信用創造において、信用創造水準が一定利子率において完全に伸縮的であるということはほぼあり得ない。第一、クレジットカードには限度額があるではないか。そういうわけで、信用創造水準に応じて利子率のマークアップが変動しうるということはごく当然である。

2020-01-09 21:26:25
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

また、この利子率のマークアップは、経済状況に応じて丸っ切り変わるであろう。 特に、ペシミズムが高まる場合は、借り手の条件に変化がなくても市場金利が変化するということは十分にあり得る。 (これは景気循環における金利政策の有効性の限界に繋がる。) twitter.com/motidukinoyoru…

2020-01-09 21:29:15
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

加えて、中央銀行の利上げによるコスト上昇に対して銀行は唯々諾々と従うわけではなく、証券化などによるポートフォリオの”再編”を通じて、コストを最小化しながら実質的な信用創造水準を拡張しようとする試みを間断なく行なっていたし、バーゼル規制などの信用規制もこの動きを強く促した。

2020-01-09 21:31:46
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

こうした、金利政策の影響を小さくしようとする銀行側の試みは、当然中央銀行による金利政策の効果を弱めるように働くであろう。 利上げは信用創造水準を思ったより引き下げず、むしろ金融全体の信用リスクを徒に引き上げるだけに終わる危険性があり、 twitter.com/motidukinoyoru…

2020-01-09 21:33:35
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

危機後に中央銀行が利下げしても、銀行が実質的な信用拡張の手段として用いていた「証券化とノンバンクへの”売り抜け”」という構造が破綻していたのなら、元の信用創造水準へはどう逆立ちしても戻りようがない。 twitter.com/motidukinoyoru…

2020-01-09 21:34:56
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

要するにストラクチャリストは、準備預金調節における金利のホリゾンタリズムを、商業銀行の市場金利と信用創造にも安易に当てはめようとすることに批判的であり、また金融政策に対して銀行は決して受動的ではなく、むしろ能動的にコストを引き下げるような信用創造行動に手を染めることを指摘した。

2020-01-09 21:37:20
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

ただレイ自身が述べているように、ある種の藁人形論法的批判になっているところはある。 特にホリゾンタリストは、必ずしも構造変化によってホリゾンタルな金利水準が変動することを否定はしなかった。 ストラクチャリスト的な金利の”非”水平性は、ホリゾンタリストにおける構造シフトでも説明できる。

2020-01-09 21:38:42
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

とはいえ、信用創造水準を(中央銀行から天下り式に決まる)ある利子率における受動的な決定物と考えるべきではない、というストラクチャリストの指摘は、特に金融政策(の不確実性)を考える上で重要なものだったし、野口氏との対談 youtube.com/watch?v=NBO8uG… もここがキーだったのではないかと思う。

2020-01-09 21:43:07
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