ストレイトロード:ルート140(47周目)

オリジナル短編「ストレイトロード」のコンビが毎日お届けしている、掌編という名の習作。今回は2301~2350+おまけ。 終盤のリクエスト回以降を除き、ほぼ全部「ポケモンの技」をお題として選んでいました。各話の内容につながりはありません。 今後も引き続き1日1組つぶやいていきます。 続きを読む
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Rista(化屋月華堂) @Rista_Bakeya

140文字で描く練習、2311。先送り。

2020-01-18 18:48:30
Rista(化屋月華堂) @Rista_Bakeya

私達の前にグラスが二つずつ置かれた。「どちらが良いか教えてください」別の方法で浄化した水だという。工場の廃水に壊された町を再興するなら汚染対策は不可欠だが、何故部外者に判定させるのか。「利権に絡まない人の意見が欲しいのです」味だけの問題ではないらしい。藍は冷たい目でグラスを見た。

2020-01-19 19:14:31
Rista(化屋月華堂) @Rista_Bakeya

140文字で描く練習、2312。浄化。

2020-01-19 19:14:31
Rista(化屋月華堂) @Rista_Bakeya

風の導きで突き止めた隠れ家は何故か扉が空いていた。最悪の事態を頭の片隅に留めたまま踏み込むと、警察が注視していた男達が床に転がり呻いていた。藍は一番奥で大人しく座っていた。「これ、わたしじゃないから」共に囚われていた少年が頭突きで反撃して逃げたという。「その辺に倒れてなかった?」

2020-01-20 18:41:33
Rista(化屋月華堂) @Rista_Bakeya

140文字で描く練習、2313。頭突き。

2020-01-20 18:41:33
Rista(化屋月華堂) @Rista_Bakeya

同じ道を行く二度目の旅は手探りがない分早く先へ進める。だがある街で差し掛かった分岐点は前回と随分様子が違っていた。「こんな暗い道だった?」以前ここを訪れた時の写真が藍の端末に残っていて、謎の一つは解けた。小屋の傍らに生えていた植物が見ない間に成長し、日陰を作るまでに至ったらしい。

2020-01-21 19:01:15
Rista(化屋月華堂) @Rista_Bakeya

140文字で描く練習、2314。成長。 2周目はだいたい何かが違う。

2020-01-21 19:01:15
Rista(化屋月華堂) @Rista_Bakeya

突然の停電に町全体が混乱する中に魔女まで登場したからか、人々は普段以上に慌てた。原因が私達でも怪物の襲来でもないことを説明しつつ調査していくと、そもそも隣町からの送電が止まっている事実が発覚した。「まさか向こうが襲われて」「ない」藍は静かに窓を閉めた。「人間の大人が何か企んでる」

2020-01-22 18:51:54
Rista(化屋月華堂) @Rista_Bakeya

140文字で描く練習、2315。送電。 時には自然じゃない現象を読み解く羽目になる日もある。

2020-01-22 18:51:54
Rista(化屋月華堂) @Rista_Bakeya

違法作物の摘発が迫る中、藍の誘導で村を脱出した。恩人の身は心配だが私達まで捕まるわけにもいかない。夜通し車を走らせ別の村に着くと、穏やかな人々が畑を耕していた。「あちらの話は聞いたよ」手動の道具や家畜を使う土地は何を育てても役人が口を出さないという。「売れない物に興味ないんだろ」

2020-01-23 19:05:58
Rista(化屋月華堂) @Rista_Bakeya

140文字で描く練習、2316。耕す。

2020-01-23 19:05:58
Rista(化屋月華堂) @Rista_Bakeya

瓦礫の下の調査は突然湧いて出た小型の怪物に中断させられた。群れに襲われた原因が地中の探索に使われる超音波と判るまでに一晩を要した。「あの子たちにはうるさい音だったのよね?」易しい説明を聞いた藍が何か思いついた様子だったが無言で制した。調整や代替品で解決するなら技師たちも悩まない。

2020-01-24 18:49:18
Rista(化屋月華堂) @Rista_Bakeya

140文字で描く練習、2317。超音波。

2020-01-24 18:49:19
Rista(化屋月華堂) @Rista_Bakeya

様子を見に行くと藍はベッドの上に座って窓の外を見ていた。背後から同じ方向を覗いたが、隣家の屋根を覆う枝振りの木と、枝の先端で実を啄む鳥くらいしか見えない。「言われた通りおとなしくしてるんですけど?」不満そうに見上げてくる彼女の顔色はまだ悪い。その手には鳥の昼食と同じ果実があった。

2020-01-25 18:50:36
Rista(化屋月華堂) @Rista_Bakeya

140文字で描く練習、2318。啄む(ついばむ)。

2020-01-25 18:50:36
Rista(化屋月華堂) @Rista_Bakeya

家に帰れない、と泣く子供に出会った。住居はすぐ近くだったが、その門を塞いだ姿勢で大柄な男が居眠りしていた。子供の目には鉄壁の守りに見えるのだろう。「他にも入口はあるけど」藍は裏手の様子を風に聞いたらしい。だが子供は首を振った。「パパが起きないからママがモンスターになった。怖いよ」

2020-01-26 18:43:31
Rista(化屋月華堂) @Rista_Bakeya

140文字で描く練習、2319。鉄壁。 見えない壁は強敵。

2020-01-26 18:43:31
Rista(化屋月華堂) @Rista_Bakeya

男は自らが仕掛けた罠に触れ、小さな火花と共に硬直した。すかさず藍が私の肩を押さえた。「じっとしてて」背中を踏まれた。飛び蹴りを食らう足元だけ見えた。「感電してたらこうしろってどこかで読んだの」つまり安全確保が目的。藍の態度が開き直りと解釈される前に説明を加え、相手の逆上を封じた。

2020-01-27 18:43:21
Rista(化屋月華堂) @Rista_Bakeya

140文字で描く練習、2320。飛び蹴り。 どこかで聞いた……止まりでありたい話。

2020-01-27 18:43:21
Rista(化屋月華堂) @Rista_Bakeya

「両方とも同じ会社から同じ池を守りたいんでしょ。仲良くすればいいんじゃない?」藍の一言は対立してきた集落の双方をざわつかせた。和解どころか共闘など考えもしなかったはずだ。「共通の敵。子供らしい単純な発想だ」一方の頭が返しても魔女は怯まない。「一人だけ抜け駆けする大人よりはマシよ」

2020-01-28 18:43:37
Rista(化屋月華堂) @Rista_Bakeya

140文字で描く練習、2321。仲良くする。

2020-01-28 18:43:37
Rista(化屋月華堂) @Rista_Bakeya

不正の証拠が流出すると困るのか。ある団体の会員を名乗る男達が宿に押しかけてきた。「脅せば言うこと聞くと思ってる?自分がそうだから?」違うと怒鳴る彼らの前で、藍はデータが入ったメモリをちらつかせた。「わたしがこれを握り潰してもいいやって思うのはどんな時か。大人ならわかりそうだけど」

2020-01-29 18:42:11
Rista(化屋月華堂) @Rista_Bakeya

140文字で描く練習、2322。握り潰す。

2020-01-29 18:42:11
Rista(化屋月華堂) @Rista_Bakeya

箱の中に寝そべる奇妙な生物は確かに分類不能の怪物なのだろう。だが子供達は恐れるどころか可愛がっている。「どこが好きなの?」「あのねあのね!」藍が問えば口々に特徴を挙げたが、何度も横から否定的な言葉が混じっては喧嘩になりかけた。特に表面のぬめぬめした感触は好き嫌いが明確に分かれた。

2020-01-30 18:40:11
Rista(化屋月華堂) @Rista_Bakeya

140文字で描く練習、2323。ぬめぬめ。 「可愛い」「心地よい」と「愛せる」は別だ。

2020-01-30 18:40:11
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