江口允崇氏とのMMTに関するダイアログ

一応軽くまとめておきます
1
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

@maseguchi 「賃金の通貨払い」については、 togetter.com/li/1493260 などで一瞬取り上げたことがあるのですが、例外規定があり、基本的には銀行預金払いが一般的であることには注意。 あと、表券主義的メカニズムは、それによって高位決済手段として需要されるようになるのがポイント。 twitter.com/maseguchi/stat…

2020-04-26 12:07:59
Masataka Eguchi @maseguchi

労働基準法第24条で賃金支払いは現物じゃなくて通貨で支払わなければならないと定められていることなどを鑑みると、税金を通貨で納めさせると決めるだけでは現実の通貨量を説明する上で不十分な気がする。というか、法で直接全ての取引を通貨で行わせると定めることとどれだけの違いがあるんだろうか。

2020-04-26 11:53:22
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

@maseguchi 高位の決済手段として、予備的ないし貯蓄的に需要されるのを、どう表現するかという問題になるのですが、これは主流派経済学のフレームワークでいけば、MIUの方が(CIAよりは)親和性があるのかなと思っています。 財務省証券etcを広義の通貨として取り入れると尚良いかなと。 twitter.com/motidukinoyoru…

2020-04-26 12:09:50
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

MMTにおける財政の”実物的”制約については、「突き詰めれば主流派経済学の議論に近接する」と主張するのは辛うじて可能だとは思う(とはいえ色々と見直しが必要というのが私見ですが)けれど、それ”以前”に、通貨主権国における政府支出、徴税、国債発行の実質的な機能/構造の理解くらいは共有したい。 pic.twitter.com/porfeTH2Vm

2020-04-27 14:42:03
拡大
拡大
拡大
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

極限の細かい取引まで知悉しなければならないとは思わないですが、「政府支出は単体では名目金利下落圧力」、「金利が下がらないように国債を供給する」くらいの(MMT的には)ベーシックな話に卒なく着いてくるぐらいは、”経済学者として”、出来ていて欲しくはあるのです。 twitter.com/motidukinoyoru…

2020-04-27 14:45:02
Masataka Eguchi @maseguchi

@motidukinoyoru 政府支出の増大が貨幣需要に影響を与えないという暗黙の仮定が存在していると思います。貨幣需要は一般的に名目金利と所得の関数ですが、政府支出の増大によって民間所得が変化すれば貨幣需要が変化するので、貨幣供給と貨幣需要が両方増大するために金利がどう変わるかは不確定かと。

2020-04-27 16:11:53
Masataka Eguchi @maseguchi

@motidukinoyoru IS-LMモデルはストック変数(国債+貨幣)を一定とした短期モデルなわけですが、バランスシート操作だけに基づくMMTの議論はフロー変数(YやCやI)をも一定とした超々短期モデルになっているのではないかと思います。先日も言いましたが、フローのPL側の要因を一定とするかしないかの差かなと。

2020-04-27 16:21:25
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

@maseguchi 政府支出が名目所得増加を通じて経済全体のベースマネーの平均需要を増やすという経路は確かにあります。 しかしながら、ある名目所得に対して需要されるベースマネー水準の平均は、名目所得に比べてかなり小さいことが経験的に知られています。 twitter.com/maseguchi/stat…

2020-04-27 17:47:24
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

@maseguchi なぜBM需要が名目所得に比して明らかに小さいのかについては、MMT的な語法に則るならば、通貨より債務ヒエラルキーの低い負債が、経済全体の決済の大部分を担うという構造になっているから、と説明されます。 twitter.com/motidukinoyoru…

2020-04-27 17:47:49
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

@maseguchi このため、政府支出以上にBM需要が増加するということは、ほぼあり得ないと考えていいです。 (もちろん、BM需要は時季的変動が大きいのでそこには要注意ですが、それでも政府支出自体がそれ以上のBM需要を生み出す可能性はまずないと見ていいでしょう) twitter.com/motidukinoyoru…

2020-04-27 17:49:06
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

@maseguchi なので、名目所得増加による効果を含めても、全体で見れば概ね、 「政府支出単体は(通貨増発として)名目金利を引き下げてしまうので、名目金利を下げないように保つには、有利子債券の発行・供給が必要になる」 とまとめるのが正しいと思われます。 twitter.com/motidukinoyoru…

2020-04-27 17:49:28
Masataka Eguchi @maseguchi

@motidukinoyoru それは貨幣需要が変わらないという仮定に対する正当化の理由付けであって、仮定していること自体は変わらないということですよね?

2020-04-27 17:50:38
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

@maseguchi 以上にまとめました通り、名目所得増加による派生的なBM需要増加を含めても、(お言葉を借りれば、「仮定」を緩めても)概ね理解ないし含意は変わらないものとお考えください。 twitter.com/maseguchi/stat…

2020-04-27 17:52:33
Masataka Eguchi @maseguchi

@motidukinoyoru ついでに、民間の総資産(BM+市中国債)が変わらないという仮定もしていると思います。政府支出によって民間の総資産が増えるという主張もよく見かけますが、スライドにおける議論はそれとは違う前提(民間総資産は一定)に基づいているようで、仮定の整理をして頂けると助かります。

2020-04-27 17:55:19
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

@maseguchi 上記で引用したスライドでは、政府支出の分だけ民間資産(通貨のみ、ないし通貨+国債)が増加することが前提されています。 支出以前を記述していないので、分かりづらいかもしれませんが、とにかく民間総資産一定を前提にはしていません。 twitter.com/maseguchi/stat…

2020-04-27 17:59:48
Masataka Eguchi @maseguchi

@motidukinoyoru 所得が変わらなければ政府支出が金利を引き上げるという結果は出てこないのはIS-LMでも同じかと。貨幣需要関数の所得に対するパラメーターをゼロにもできるわけですし。そして、貨幣需要が不変なら、ベースマネー(貨幣供給)が国債と振り替えられば金利は下がりますよね。

2020-04-27 17:59:56
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

@maseguchi twitter.com/motidukinoyoru… の一連のスレッドでは、政府支出による名目所得増加、それによるBM需要の派生的増加を含めても、(名目所得増加に比べてBM需要の増加が優位に小さいため)政府支出は全体的には利下げ方向に働くと考えるべき、と結論づけました。 twitter.com/maseguchi/stat…

2020-04-27 18:03:11
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

@maseguchi 「貨幣需要が不変なら、BMが国債と振り替えられれば金利は下がる」 というのは、失礼ながら意味が分かりかねます。 貨幣需要一定を前提として、BM→有利子債券(国債)とすると、金利は通常、上昇圧力を受けるものと思われます。 twitter.com/maseguchi/stat…

2020-04-27 18:04:57
Masataka Eguchi @maseguchi

@motidukinoyoru あ、逆ですすみません。民間からすると国債→BMです。

2020-04-27 18:08:19
Masataka Eguchi @maseguchi

金融危機のシステミックリスクおよび連鎖倒産について、貨幣乗数論だと非常に簡単に説明できるんですけど、預金を貸し出してるわけじゃないから元手なしでいくらでも貸し出せるとする説明をした後で金融危機の説明ってできますか?

2020-06-21 18:34:54
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

@maseguchi むしろブームとバストの議論って、内生的貨幣供給論でないと説明できない(貨幣乗数論だと意味不明になる)のではないでしょうか……。 信用創造って要するに銀行の負債増発なので、見合いになる資産(債券etc)の価値が落ちればバランスが崩れるというシンプルな話になる。 twitter.com/maseguchi/stat…

2020-06-22 01:38:10
Masataka Eguchi @maseguchi

@motidukinoyoru 内生的貨幣供給論の明示的なモデルが見えないのであれですが、いわゆる貸出が預金を生む説と貨幣乗数論の違いって、バランスシートの変化だけを見ればこちらのFigure 2の真ん中のステップを踏むか踏まないかの違いでしかないと思うんですけどその点はいかがでしょう。bankofengland.co.uk/-/media/boe/fi…

2020-06-22 02:42:51
Masataka Eguchi @maseguchi

@motidukinoyoru あと、もう一つはReserveではなく、Currencyで全て貸出を行うという違いもありますが。

2020-06-22 02:44:19
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

@maseguchi Figure 2の第二弾で書いてあるのは、信用創造「後」の、銀行間取引の話(Buyer's bank と Seller's bankの話)なので、現金又貸し説とは関係のない話になります。 もちろん、創造した預金がどんどん振り出されないように、銀行は自行内での決済をattractしようとするわけで。 twitter.com/maseguchi/stat…

2020-06-22 07:06:34
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

@maseguchi 「銀行はなぜかつて預金獲得競争をしていたのか」 togetter.com/li/1460526 ここらへんの議論を抑えると、かなり見通しが良くなるのではないかと考えます。 以下は拙著 shuwasystem.co.jp/book/978479806… より。 pic.twitter.com/j37VLQUNiV

2020-06-22 07:10:25
拡大
Masataka Eguchi @maseguchi

@motidukinoyoru 関係がない、ではなく、マネーの変化のみに着目すれば同じとみなすことができるというのがポイントです

2020-06-22 09:15:55