大事な記憶

いぞーさんがりょーまさんの記憶だけなくった話
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かむい @sunyaxxx

「いぞーさん、いいお酒が入ったんだけど暇ならどうかな?」 柔らかな優しい笑みを浮かべお伺いをたてる。 理由なんてなんでもいいのだ、昔のように仲良く…いや、せめて、普通に話をしてもらえるだけでも。

2021-03-21 22:59:27
かむい @sunyaxxx

カルデアにきて、りょーまといぞーには体の関係はあれども昔のように他愛のないことを話をさせてもらえるということはなかった。 いぞーの方が意図的にそれを避けているからだ。

2021-03-21 22:59:28
かむい @sunyaxxx

体はやる、だが、心はやらないと…いや、やる心すらないのだと…重ねた熱はあれどもその目はどこまでも凍り付いているのだ。 いぞーは、どうしてりょーまが自分をそこまで好いているのか『わからない』のだ。

2021-03-21 22:59:28
かむい @sunyaxxx

友愛はあった、親愛はあった、兄弟愛、家族愛に近いものはあった、すべてが『あった』という過去形なのだ。 それをわからなくしたのは誰だ…そこを突き詰めていけば悲しい現実しかなくなる。 ◆◆◆

2021-03-21 22:59:28
かむい @sunyaxxx

りょーまが好きだと言えば迷わず嫌いだと答える、だが、一度だけ閨が終わる二人でベットの上でその肩を掴み自分を見てほしいとその瞳に映してほしいと頼んだ。

2021-03-21 23:01:17
かむい @sunyaxxx

『カルデアの女に手を出すにゃあ命がいくらあっても足りん、おりょーに手を出すにゃあ近すぎる、おまんが衆道に興味ながかは知っちゅう、やけんど、おまんがわしを好きじゃ言うてむつこいき、なら穴になるくらいならできるぜよ、どうせ、男相手はおまんが初めてっちゅうわけでもないきな』

2021-03-21 23:01:18
かむい @sunyaxxx

仮初の心臓が凍り付いた気がした。 『人にゃあ役割っちゅうもんがあるろう、党の連中は、わしを剣以外に使う時にゃあ、そう使うた、ほん時になたま~に、わしん事好きやち言う奴もおったがな、好きじゃ好きじゃ言うてわしの上で猿みたいに腰ふりよる、

2021-03-21 23:01:18
かむい @sunyaxxx

やけんど、しばらくしたら言葉もない来る頻度も少ない、んでな、『ただの言葉遊びに本気になっちゅう、まっこと阿呆じゃの、誰がおまんみたいな、だきな奴を好きになるか』ちゅうて嗤いよる』 琥珀の瞳が空虚な目をしてへらりと嗤う。

2021-03-21 23:01:18
かむい @sunyaxxx

『ほれで納得じゃ、わしは阿呆やきそれを信じてまう、わしを好いてくれるんじゃ、わしみたいな人斬りを好いてくれるんじゃと…ほやったら腹をきゅうきゅう締めるき具合がようなるんじゃと、やからな、言われすぎてな、おまんの言う『好き』もわからんが、安心しい、

2021-03-21 23:02:53
かむい @sunyaxxx

おまんが飽きるまでは、わしもおまんが好きやきに、ほがに必死んなって言わんでもえいぞ、わしはちゃあんとわかっちゅうきな』 ここまで壊れるまでにどれほどの痛みを与えられたのだろう…ここまで自我をなくさせるまでに凌辱されたのだろう、ここまで…信じながら殺され続けたのは…。

2021-03-21 23:02:53
かむい @sunyaxxx

悲しくて悔しくて…そして、何もできなかった気付かなった自分が不甲斐なさにどうしようもない怒りがこみ上げる。 掴んだ肩に爪をたてそうなる。

2021-03-21 23:02:54
かむい @sunyaxxx

どうやったら届くのか…信じてもらえるのか…。 わからないなんて言いたくない、ここまでいぞーを壊した連中と同じになりたくない…手遅れなんていう生半可なものじゃない。 信じるべきものを奪われた壊された…。 そして、りょーまは、閨以外にも、いぞーをもっと誘うようになった。 ◆◆◆

2021-03-21 23:02:54
かむい @sunyaxxx

「行かん」 その魅惑的な誘いを考える間もなく断りインバネスコートを翻しせっかく来た道をまた戻ろうとする。 「本当に美味しいんだよ、郷里のお酒だよ!!ね、たまには二人だけで一緒に飲まない?おりょーさんは、女子会でいないし、…」 「そっちの誘いかよ」

2021-03-21 23:02:55
かむい @sunyaxxx

しまったと思えば振り返った顔はにぃっと嗤っていた。 おりょーがいない、そして二人きりと言えばいぞーの思考はすぐに変わる。 りょーまと二人きり酒はただの口実、いぞーの方がりょーまの腕を掴んで自室に引っ張る。 「いぞーさん!!違うよ!!僕の話を…」

2021-03-21 23:03:40
かむい @sunyaxxx

「言い訳なんぞいらん、おまん、わしの穴が好きやろ、なんぼでも使やあえい、どうせ、今日はクエストもあったがやろうが、魔力も渡せるきな」 りょーまの想いなどどうでもいいのだ、りょーまが気持ちよくなりさえすれば、それが自分の役割だと、そして…もう一つ付け加えられていた。 ◆◆◆

2021-03-21 23:03:41
かむい @sunyaxxx

『さかもとくんの体を回復させる為には厄介な呪いをかけられている、君はなにかしら感づいたから彼の宝具であるおりょーさんを離したね』 『……………』 『今から言うことは、君にとってなによりも残酷なことだよ』 『前置きはいい、結論を言いや』

2021-03-21 23:03:41
かむい @sunyaxxx

『回復・維持の為に少しずつ君の中の『さかもとりょーま』の記憶をもらう』 だ・ヴぃんちの言葉にさして驚いた様子もなく静かな目で見る。

2021-03-21 23:04:31
かむい @sunyaxxx

『君の中にある、生前からの記憶をもらうことで回復と維持ができる、だがこれは君からでなくともおりょーさんからもらうこともできる、なぜなら、より強くさかもとさんを知りそして深く想っている人物からもらうのが一番だからだ』 珍しくも真剣な顔で言われても、言われた表情一つ変えず、

2021-03-21 23:04:32
かむい @sunyaxxx

『んで、りょーまはカルデアの魔力を受けることができるっちゅうわけか』 『現状はね、エーテルが組みなおされ正常に戻れば、また世界からの後押しを受けられるだろう、だから一時的なことだ、どこまで削られるかもわから…』 『えいぞ』

2021-03-21 23:04:32
かむい @sunyaxxx

全く興味のない目でだ・ヴぃんちを見る。 『わしのりょーまへの怒りも憎しみも昔の記憶もぜ~んぶやるわ、ほの方がわしもすっきりしてえいぞよ』 それこそにぃっと犬歯を見せ嗤って見せる。 『あいたあに関する記憶なんぞいらんわ、今すんぐくれちゃるわ、その条件でえい』

2021-03-21 23:05:38
かむい @sunyaxxx

『だが、その記憶も戻るように手を…』 『いらん』 即座に断りを入れられる。 『わしとりょーまは、最初から終わりまでなんもないでえい、あいたあの記憶なんぞ一つもいらんわ、ついでにおりょーの事も忘れさせとうせ』

2021-03-21 23:05:38
かむい @sunyaxxx

ダ・ヴィンチは、快諾したいぞーの顔を忘れない。 わかっていないのだ、本人が今本当にどんな顔をしているのか…。 悲しいくらいに健気な男だ。 死にたくない生きていたい…そして、誰かに必要とされたいと願い続けた男の悲しいまでの優しさ。

2021-03-21 23:05:39
かむい @sunyaxxx

そして、それほどまでに大事にしたいと願い、世界からの仕事がなくなったあかつきには二人で幸せになってほしいと願う。 『毎日毎分毎秒ゆっくりと記憶はなくなる、体を繋げればなおのことだ…あとは…』 そこまでの説明の途中で、最後まで聞くことなく二人の方へ戻っていく。

2021-03-21 23:06:45
かむい @sunyaxxx

強がっているのも気付かない悲しい男にかけるべき言葉もなく、このままではと呪いをとく方法とそしてなくなっていく記憶の取り戻し方を調べなければとだ・ヴぃんちもその場から出ていく。 ◆◆◆

2021-03-21 23:06:45
かむい @sunyaxxx

りょーまを自分のためにあるベットに投げる。 「いぞーさん、僕は本当に君と一緒にお酒を飲みたいだけなんだ」 ベットから立ち上がり止めようとするが腰に構えていた刀も床に投げ袴を落とし、止めようとする手を避け体を押し倒し素早く上に乗りあがる。

2021-03-21 23:06:46
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