「普通のPCR」と「蛍光プローブのリアルタイムPCR」は似て非なるもの。前者の経験で後者を評価する事は愚かな行為(PCR検査抑制プロパガンダ)である(2021.5.5作成) #新型コロナウイルス

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Cheeman M.D.,Ph.D. @kakeashi_ashika

このような「もろもろ面倒なこと」すべてについて瑕疵がないことを確認してはじめて、「蛍光プローブのリアルタイムPCR」として鋳型量の測定に使える。 ヒトや動物検体なのか培養細胞なのか、精製mRNAなのかtotalRNAなのかはたまたゲノム混じりなのか、というように用途によって可否が翻ることもある

2021-05-03 23:36:22
Cheeman M.D.,Ph.D. @kakeashi_ashika

こうして作成した「蛍光プローブのリアルタイムPCR」の系は、増幅効率に優れ、かつ【目的の用途において】非特異的なシグナルを出さない。 ましてや他人様に『使ってくださいね』と供与ないし配列公開するなら、効率ほぼ100%のノンスペ無しでなければ、炊き出しに毒を盛るが如き行為になる。

2021-05-03 23:45:42
日付切取線 @krtr_date

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2021-05-04 00:00:00
Cheeman M.D.,Ph.D. @kakeashi_ashika

従って、ヒトの細胞ないし体液中にcov2鋳型が存在するとき【だけ】シグナルが出る、すなわち特異度100%の試薬が商品化されて世に出ている。 この宿主と病原体の組み合わせで特異度100%を為し得たことは、人類にとって本当に幸いなことであると考える。 link.springer.com/article/10.100… pic.twitter.com/R9zgJk5Dtd

2021-05-04 00:13:19
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なまじ「普通のPCR」の経験があると「特異度100%」は受け入れ難いのだろう。 しかし、プライマー2本とプローブ1本計約60塩基の合致、加えてプローブが確実にプライマーより先にアニールすることも特異性に寄与する。プライマー相補に多少の甘さがあってもプローブは1塩基違うとシグナルが出ない。

2021-05-04 00:28:12
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1塩基違うとシグナルが出ない好例が、N501Y変異株のスクリーニングキットである。タカラの製品では、変異していない配列に合致するプローブにFAM、1塩基変異した配列に配列に合致するプローブにCy5、と異なる色素をつけてある。 見事に1塩基の差異を弁別できている。 catalog.takara-bio.co.jp/product/basic_… pic.twitter.com/STUj5p4xtk

2021-05-04 00:33:55
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「蛍光プローブのリアルタイムPCR」の特異度がきわめて高いことを、政治に近い場所におられる「専門家」が認識しておられない様子を嘆いた昨年7月のツイート。 twitter.com/kakeashi_ashik…

2021-05-04 00:45:17
Cheeman M.D.,Ph.D. @kakeashi_ashika

7月16日の分科会の資料が公開されてるが、FRET蛍光プローブを使用したリアルタイムPCRについての理解がズレてて、「国のブレインがこのていたらくなのか」と悲しくなる。なお、LAMPは別モノなので俎上に載せる価値はないと思う。(続く cas.go.jp/jp/seisaku/ful…

2020-07-18 19:21:53
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同じころ、尾身先生ほどの方がリアルタイムPCRの特異度が極めて高いことを御存知ないと見受けられることについて、「残念を通り越して不思議」とも書いた。 今になって思うが、やはり技術的理解は伝わっていなかったのだ。 twitter.com/kakeashi_ashik…

2021-05-04 00:47:50
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PCR検査の性能と限界についての正しい知識が未だ政府のブレインの先生方に響いていないのが残念を通り越して不思議になってきた。尾身先生は「雲の上の人」、スーパースター。リアルタイムPCRの特異度が極めて高いことを御存知なかったとは思えないのだ。

2020-07-23 19:24:20
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12月のCQ(Clinical Qusetion)形式シリーズでは 【偽陽性が出るのは河原の石が自然発火するくらい起こり得ない】とも書いた。 これが、年余に亘って「蛍光プローブのリアルタイムPCR」の系の開発を手がけてきた者の実感である。 twitter.com/kakeashi_ashik…

2021-05-04 00:52:02
Cheeman M.D.,Ph.D. @kakeashi_ashika

承前) ②いまだに「偽陽性が出る」「特異度は100%ではない」とおっしゃる方も、蛍光プローブのリアルタイムPCRの性質を御存知ない。 全世界的に検査自体の特異度は100%を前提に人々は行動している。これは検査の特性上、偽陽性が出るのは河原の石が自然発火するくらい起こり得ないからである。(続く

2020-12-14 05:10:28
Cheeman M.D.,Ph.D. @kakeashi_ashika

これまた再掲で恐縮だが、今年1月のこのスレッド。「蛍光プローブのリアルタイムPCR」の感度と特異度を医療現場にどう持ち込むか、について私の考えを総括したもの。 特異度は100%であり事前確率の影響を受けないため、陽性判断についてはベイズにそぐわない。(続く twitter.com/kakeashi_ashik…

2021-05-04 01:22:00
Cheeman M.D.,Ph.D. @kakeashi_ashika

③特異度はヒューマンエラーを除けば100%であり、事前確率やベイズを無視できる臨床検査の例外中の例外である。 他方、感度は咽頭や唾液にウイルスが来ないが肺には居る症例があり、さらに検体の採取・運搬・処理による鋳型の滅失のため高くはない。また唾液からの1stepは検出能が劣る。

2021-01-09 21:26:40
Cheeman M.D.,Ph.D. @kakeashi_ashika

承前)偽陽性はコンタミが主因なので事前確率がゼロなら「火のないところに煙は立たぬ」。 他方、感度は高くない。採取時期や体内分布、検体取り扱い、唾液1stepの反応阻害、が要因として挙げられる。陰性判断については、事前確率の影響を大いに受ける。蔓延期の陰性は真に受けると痛い目に遭う。

2021-05-04 01:22:00
Cheeman M.D.,Ph.D. @kakeashi_ashika

同じスレッドに「下手と馬鹿が使わなければ偽陽性は出ない」と書いた。 当院では累計7-8万件になると思うが、陽性は全例再検、通常の1stepで実施して40サイクル以降の立ち上がりはRNA精製して再検(結構ここから陽性確定が出る)という方針で、最終的に偽陽性と結論づけた事例は現時点ではゼロである twitter.com/kakeashi_ashik…

2021-05-04 01:53:46
Cheeman M.D.,Ph.D. @kakeashi_ashika

②このことを、 「下手と馬鹿が使わなければ偽陽性は出ない」 「体内分布の問題と、唾液ダイレクトの検出性能の低さから偽陰性(取りこぼし)はしばしば起こる」 と説明してきた。

2021-01-09 21:26:40
Cheeman M.D.,Ph.D. @kakeashi_ashika

ただし、「偽陽性ゼロ」には論理学的な問題があって、PCRがgolden standardであるがゆえに、それをほかの方法でひっくり返せない。 偽陽性と断じることができるのは、同一検体の再検結果が陰性で、後の結果のほうが信頼できる場合だけである。

2021-05-04 02:03:11
Cheeman M.D.,Ph.D. @kakeashi_ashika

どうにも怪しいときのために、最後の手段として「島津、タカラ、パンサー外注、の3者で多数決」というスキームを用意しているが、幸いそこまで行った事例はない。 そこまでやらないと偽陽性とは言い切れないので、「PCRで偽陽性」という報道を見るたびに【論理的に正しいのか】をまず疑ってしまう。

2021-05-04 02:10:01
Cheeman M.D.,Ph.D. @kakeashi_ashika

メディアやネットでお見受けする、感度特異度について「私と異なる認識の先生方」について苦々しく思うところもあるが、臨床家の先生についてはある程度は仕方のないことだと思っている。 それぞれの現場で真摯に診療にあたっておられると思うので、責める気になれない(私が甘いのでしょうか)。

2021-05-04 02:23:30