編集部イチオシ

鉄炮伝来時にポルトガル人から「ネジ」を習得する以前に、「ねじる」という言葉はあったのか?

南蛮渡来の新しい文化が入ってきたとき、見慣れないものや文化の習得を通じて日本語が変化していったという話。
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巫俊(ふしゅん) @fushunia

この疑問の意味が分からない方もいらっしゃるようですが、ネジがポルトガル語だと言ってるのでは無く、ネジという言葉はあの形状の現代の工具を指す専用の言葉だという認識があるので、それ以前には「ねじる」という言葉があったのか?という意味です。 pic.twitter.com/h1oQUOON7W

2021-08-10 09:12:48
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巫俊(ふしゅん) @fushunia

「歌」が「打つ」に由来するとされたりするように、動詞由来の名前はよくある訳ですが、工具のネジのイメージに引きずられて、「ねじる」もネジを回すイメージの応用で「ねじる」と言うという認識が広まってきてるんじゃないかと思いました。 ↓こちらがその話をしてる記事 togetter.com/li/1757064

2021-08-10 09:17:49
巫俊(ふしゅん) @fushunia

「歌」など、日本語の中には最早それが動詞由来であることが学者以外に認識されずらくなってる言葉が多数あり、研究者も名詞由来としてきたものが言語学の発展で動詞由来に変わるといった成果もあったりするので、事実とは異なっていても「認識」の変化を追うのも大切なことです。

2021-08-10 09:20:34
巫俊(ふしゅん) @fushunia

事実とは異なる「認識」の話をすることから、かえって古い事実や歴史を明らかにしていくのが歴史学でもあります。

2021-08-10 09:21:10

「ねじる」という言葉を思い出すときに、「捻」「捩」といった漢字や日本の古典における用例を知ってるかどうかで、感想が変わってくることもあると思いますが、工具のネジの伝来よりねじるを意味した動詞の「ねづ」の方が古いということを知らない方の方が多くなってきてるのではないかと思って、説明する意義がありそうだという趣旨からツイートしていました。

たまきひさお Trans・Venus マンガ図書館Z @Tamakinia

@fushunia 外国語ではスクリューですから日本で捻るから捻子の単語を作って当てたと思います。螺子は螺旋ですね。 ねじり鉢巻もしてたでしょう。

2021-08-09 17:11:08
たまきひさお Trans・Venus マンガ図書館Z @Tamakinia

@fushunia 種子島、火縄銃の段階ではネジ構造ではあっても銃身の尻の栓としての構造単位としてしか認識していないと思います。 汎用部品のネジとしての認識は明治維新前後の欧米視察以降で、その後の日本工業規格(JIS)制定で単語を決めたはずです。

2021-08-09 17:20:25
ライケン @b4gxgvFzYMnUvRX

@fushunia 参考になるかわかりませんが…九州北部在住の老人達が指でつまんでひねる行為を「ねずむ」と呼んでいました。標準語は「つねる」かな。発生したのがネジ伝来の前か後かわかりませんが。

2021-08-09 16:56:19
巫俊(ふしゅん) @fushunia

@b4gxgvFzYMnUvRX ありがとうございます。記事中で説明してますが、工具のネジの伝来前からある言葉でしたので、方言も日本語の古い起源に遡る言葉だと思います。

2021-08-09 16:58:30
常藍守 奏 🍜💜💌🍐🍣🐱🐟🌱☔🐉 @cppig1995

普通に「ひねる」という意味だったんじゃないでしょうか。ちなみに「ねじる」は現代日本語では子音語幹動詞(五段活用)ですが、本来は上二段でしたので、「ねじ」から「ねじる」が生まれたわけではなく、「おちる」→「おち(結末)」同様、連用形による名詞化ですね。 twitter.com/fushunia/statu…

2021-08-10 09:20:52
熊猫さん🐼🐷🐶🐻🐉🇵🇸 @xiongmao53

広辞苑第7版によれば、「ねじる」は上二段動詞「ねづ」が近世以降、四段活用になったそうです。名詞「ねじ」自体は「ねづ」の連用形から来ていると。旺文社古語辞典によれば、「ねづ」は『宇治拾遺物語』に用例があるようです。 twitter.com/fushunia/statu…

2021-08-10 16:38:32
熊猫さん🐼🐷🐶🐻🐉🇵🇸 @xiongmao53

確かに、戦国以降、伝来した「ネジ」という工具のイメージに引きずられて、上二段の「ねづ」が四段の「ねぢる(ねじる)」になった可能性もあるかもしれません。 twitter.com/fushunia/statu…

2021-08-10 17:08:02
burton3rd🔞本垢 @burton1795

@fushunia 捻るは古語にも有ります。たぶん半固体の物や布などを「捻る」時の形状がネジに似ていたので「捻った物」と言う意味で「捻子」になったのかと 後もう一つの当て字「螺子」の「螺」は巻き貝の一種のツブ貝を指す漢字だそうでこれも形状からかと

2021-08-10 09:55:46

追記部分終わり

黒井瓶(Kuroi Bin) @jaguchi975

なぜ日本人は銃が伝来した時、銃を用いた攻撃を「射る」ではなく「撃つ」と表現したのだろう。 英語でもshootの原義は「射る」に近い。「撃つ」はattackだ。

2020-07-12 12:15:45
巫俊(ふしゅん) @fushunia

@jaguchi975 yiruは、ya、yumiとつながってる言葉だからでしょうか。下は日本語南島語起源説(日本語の起源には諸説ありますので)のサイトですが 「似た現象 (名詞: ma が 動詞: mi-ru に変化)が、 ya (矢)と yi-ru (射る)、ko2ro2mo2 (衣) > kiru (着る)にも起きてます。」 roz.my.coocan.jp/wissenshaft/AN…

2020-07-12 18:21:36
黒井瓶(Kuroi Bin) @jaguchi975

@fushunia ya、yumi、yiruですか。考えたこともなかったです。ありがとうございます 「射る」は元々「弓矢」とセットで生まれた語彙だったのですね

2020-07-12 18:25:28
巫俊(ふしゅん) @fushunia

@jaguchi975 東京大学史料編纂所データベースで古文書を検索しましたが、『島津家文書』に「弓鉄炮射と〇しの事」とあるのが、唯一の用例みらいです。これも「〇」の部分の文字がよく分からないので、何と言ってるか分からなかったのですが。 clioimg.hi.u-tokyo.ac.jp/viewer/view/id…

2020-07-12 18:31:24
黒井瓶(Kuroi Bin) @jaguchi975

@fushunia 調査ありがとうございます いちおう用例はあったんですか 「構え、射よ!」になっていた可能性も少しはあるんですね

2020-07-12 19:01:17
巫俊(ふしゅん) @fushunia

@jaguchi975 ほとんどの史料は、「矢を射、鉄炮を放」と書かれてました。この島津家文書は、〇の部分が崩し字苦手な私には読めないので、射が弓矢にだけかかってる可能性もあります。なので、分からなかったです。

2020-07-12 19:03:15
ぢべた @jibetaP

@fushunia 「を」に見えますけど、「射通す」って「いとをす」っ書いてよかったですっけ……? pic.twitter.com/DFpMNKBeTU

2020-07-13 07:36:47
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巫俊(ふしゅん) @fushunia

@jibetaP 「弓鉄炮射とをしの事」になるのでしたか。そうした表記のことも詳しくなくて、分かりませんが(汗)そういう異表記もありなのかな?と思いました。ありがとうございます。

2020-07-13 13:19:03
肝付風羽 @teizankou

@fushunia @jibetaP 割りと仮名遣いは適当なことも多いですね。法則的には「か」と表記するべき所をわざわざ「くわ」って間違って?書いてる古記録とかもあったりします。 当時は慣用的に書いてただけで別に決まりでもあったわけじゃないでしょうし、正式な字があるのに当て字してるのもいっぱいありますしw

2020-07-13 15:52:10
𓃦 ちぐ。𓃥 @uesugi_dewa

武井弘一『鉄砲を手放さなかった百姓たち』に出てくる史料を拾ってみたところ、寛永期の史料には「鉄炮放つ」とあるのが、貞享以降の史料では「鉄炮打つ」となっているようです。 江戸時代の鉄炮関連の史料を端から並べていけば「放つ」と「打つ」の境目がはっきりするかもしれません。 twitter.com/manshu226/stat…

2020-07-13 18:19:24
万秋 @manshu226

鉄炮射手のことは鉄炮放(はなし)だし、撃ち殺すことは射伏すって書いてるな。むしろいつ頃「撃つ」が使われ始めたのか気になる twitter.com/jaguchi975/sta…

2020-07-13 11:42:03
𓃦 ちぐ。𓃥 @uesugi_dewa

「撃つ」表現はさらに時代が下がるのでは… さまざまな新式銃が導入される幕末か、あるいは明治以降か

2020-07-13 18:28:07