京都府立植物園の野鳥の種多様性を島の生物地理学の考えを適用して評価する

京都府立植物園は開園100年を間もなく迎えるが、それに合わせて「北山エリア再開発計画」の計画地に含められ、存続の危機に見舞われている。このまとめでは、京都府立植物園における野鳥の多様性を評価し、植物園の存続から真っ当な発展を望む立場から情報提供を行う。
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目  次

京都府立植物園の未来を拓こう
京都府立植物園の野鳥の種数推定
1)自分で確認した野鳥
2)インターネットサイトで確認した野鳥
3)野鳥確認種数の推定
比較対象と評価法
評価結果
バラ園を守ろう
「花とみどり」から「花・みどり・生き物」へ


京都府立植物園の未来を拓こう

植物園は園芸植物や希少植物の保存・情報発信を主たる目的とする施設である。同時に、地域の生物多様性ホットゾーン、すなわち、自然的環境や昆虫・小動物・野鳥等およびその生息場所を保全・創造する場としての潜在的価値を有する施設でもある。

京都府立植物園は1924年に開園され、もうすぐ100周年を迎える日本でトップレベルの植物園であり、面積24haの敷地にテーマ別に約12000種類、約12万本の植物が植えられている(京都府HP、Wikipedia)。

京都府は京都府総合計画で定めた「北山『文化と憩い』の交流構想」の実現に向け、「北山エリア整備基本計画」や「京都府立植物園100周年未来構想」を策定しており、府立植物園の現敷地を蚕食して商業施設やイベント用地が増設されようとしている(京都府HP、https://www.pref.kyoto.jp/kyoto_sports/news/documents/02_eriaseibi.pdf)。

京都府立植物園で記録された野鳥の種数を、自分で確認した29種に、日本野鳥の会京都支部HP「京都府立植物園(京都市左京区)」から24種とムシクイ類およびトケン類、「京都府立植物園の野鳥観察履歴」から11種、好奇心京都「ドバトを捕食するオオタカ」から2種、好奇心京都「京都府立植物園で見たサメビタキとコサメビタキ」から2種を加え、68種と2グループの記録から70種以上の野鳥を確認し、種数を71種と推定した。

そして、大阪市内の都市緑地のデータに島の生物地理学の理論を適用して解析した面積―種数関係および山からの距離―種数関係と京都府立植物園のデータを比較し、京都府立植物園の野鳥の種多様性が高いと評価した。

植物園だからといって植物だけに着目するのではなく、小動物・昆虫・野鳥などを含めた生物多様性を保全するために植物園を賢く活用すること(wise use)を京都府立植物園の未来構想の重要な柱に据えるべきだ。しかし、一部で言われている「生物多様性センター」のような大規模なハコモノを増設して野外博物館としての機能を縮小することには反対する。ましてや、客寄せの商業施設を増設するなど、論外である。

なお、京都府立植物園の蝶類の種多様性については、https://togetter.com/li/1889091 をご覧いただきたい。

京都府立植物園で出会った植物たちについては、https://togetter.com/li/1907330 をご覧いただきたい。


京都府立植物園の野鳥の種数推定


1)自分で確認した野鳥

以下の29種を確認した。写真を掲載したツイートの一部に「左」と「右」とあるのは、ツゲッターでは、それぞれ「上」と「下」と読み替えてください。


山野の鳥

今井長兵衛 @medanjin

#京都府立植物園 #野鳥 ヒレンジャク(左)とルリビタキ(右):2021年3月14日 pic.twitter.com/D6CwBaUINy

2022-05-20 20:59:32
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今井長兵衛 @medanjin

#京都府立植物園 #野鳥 カワセミ(左)とツグミ右):2021年2月10日 pic.twitter.com/YVJ7y1NnpD

2022-05-19 21:30:07
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今井長兵衛 @medanjin

#京都府立植物園 #野鳥 ハシボソガラス(左)とヒヨドリ(右):2015年1月24日 pic.twitter.com/Y6RxtGOmjb

2022-05-19 20:53:24
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今井長兵衛 @medanjin

#京都府立植物園 #野鳥 アオジ(左)とシジュウカラ(右):2021年1月13日 pic.twitter.com/koRLUDyiNK

2022-05-19 21:00:48
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