群馬県の神社装飾彫刻 ~西毛・中毛・東毛の宮彫めぐり~

先日作成した「北総地域と京成本線沿いの宮彫めぐり ~神社の装飾彫刻~」(https://togetter.com/li/1874435)「東京都内の神社の装飾彫刻 〜23区と多摩地域の宮彫めぐり〜」(https://togetter.com/li/1888092)に引き続き、ここ最近に自分が参拝した群馬県南部を中心とした神社の中から見応えのある彫り物を紹介していきます。 ※元ツイートの構成の都合上、同日に併せて参拝した埼玉県 羽生市の神社が一社入っていますが、その点に関しましては御容赦ください。 なお、今回の選定基準としては最寄駅やバス停からのアクセスの良さよりも、覆屋が無い、或いは保護施設の中にある場合でも比較的鑑賞しやすい状況であることや、防犯のため周囲に人家があり人目につきやすい場所にあるものを中心としています。 続きを読む
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井堤神社(高崎市 井出町)

一魁斎 正敏@浮世絵スキー&狼の護符マニア @ikkaisai

続いては高崎市 井出町の井堤(いで)神社さん。覆屋の中に今年の3月に調査報告書が纏められ、文化8年(1811)に造営されたことが判明した本殿がありますが、やや間隔の狭い格子の上から目の細かい金網が張られているため、目視する分にはまだ良いのですが、撮影条件としては少々厳しいです。 pic.twitter.com/a3qwuEKOwS

2022-06-27 16:06:21
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一魁斎 正敏@浮世絵スキー&狼の護符マニア @ikkaisai

胴羽目は七福神と吉祥天、唐子による琴棋書画。なお、頭部に鳥居があることから琴を弾いている方が弁財天であると思われます。(脇障子は牡丹に唐獅子) この後は夕方までに帰宅する必要があったので、本日はここで切り上げて帰路に就いたのでした。 pic.twitter.com/3xHQiJkWM8

2022-06-27 16:44:09
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菅原神社(利根郡 みなかみ町)

一魁斎 正敏@浮世絵スキー&狼の護符マニア @ikkaisai

昨日は群馬県・みなかみ町と渋川市の彫り物ガッツリ系神社さんへ。1箇所目は水上駅から徒歩20分ほどの菅原神社さん。本殿は覆屋で完全ガードですが、窓が小さく光量が少ない上に内部の格子・ガラス窓・鉄柵の三重の護りに加えてガラスが汚れているため目視もし辛い…と、鑑賞難度が高めの仕様です。 pic.twitter.com/ySQrcjpAeM

2023-01-10 18:25:59
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一魁斎 正敏@浮世絵スキー&狼の護符マニア @ikkaisai

また、ガラス窓のため映り込みもキツいので納得のいく写真は撮れませんでしたが、鳥類を題材とした胴羽目など華麗な装飾を確認できると思います。なお、背面には窓はありませんが板壁の上方に穴が空いており何とかスマホを当てて撮影しましたが雪中で足場も悪かったこともあり、かなり難儀しました…。 pic.twitter.com/0AV5AXoeyw

2023-01-10 18:41:28
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早尾神社(渋川市 半田)

一魁斎 正敏@浮世絵スキー&狼の護符マニア @ikkaisai

2箇所目は渋川市 半田地区の早尾神社さん。こちらは鉄筋コンクリート造りの覆屋の中に本殿がありますが、網入りガラスながらも三方の殆どが窓なので光量も申し分なく鑑賞条件としてはかなり良いのですが、やはり映り込みがあるため黒い雨傘などを使用すると反射を抑えて上部も見やすくなります。 pic.twitter.com/D9zZe96fxS

2023-01-10 21:58:22
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一魁斎 正敏@浮世絵スキー&狼の護符マニア @ikkaisai

胴羽目は順に韓信の股潜り、殷軍の方相の襲撃から周の武王を守護する金龍、足柄山の金太郎と山姥、そして金太郎を見出す源頼光。 それにしてもこの本殿、部材ごとの地紋彫りのバリエーションの多さ、身舎の柱の龍や脇障子上部の彫り物なども含めて「サービス満点!」と言いたくなるほどの密度です。 pic.twitter.com/3CzYuLoW0U

2023-01-10 22:18:04
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一魁斎 正敏@浮世絵スキー&狼の護符マニア @ikkaisai

また、社殿上部をはじめとして海老虹梁の龍や尾垂木の霊獣、階下や腰羽目なども良い出来の彫り物が満載なので、ご興味のある方は是非とも現地で御覧になられるのをオススメします。 pic.twitter.com/I57GfiUlIV

2023-01-10 22:31:38
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津久田赤城神社(渋川市 赤城町)

一魁斎 正敏@浮世絵スキー&狼の護符マニア @ikkaisai

3箇所目は渋川市 赤城町の津久田赤城神社さん。本殿は安永3年(1774)の再建。御覧のように完全露出型で平成17年(2005)に彩色などの修復が行われています。なお、1年以上前の投稿画像を見ると本殿の周囲に玉垣がありましたが、現在は境内の大規模な整備に伴ってか撤去されています。 pic.twitter.com/3YliyU7qWt

2023-01-11 08:58:16
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胴羽目は七福神と吉祥天による碁、双六、舞ですが、福禄寿と寿老人が見当たらない、舞の彫刻の左側の巻物を放り投げる人物など不自然な点が見受けられます。なお、余談ながらリンク先の記事には改修時に掛かった金額や今後の保存方針が記載されています。ameblo.jp/kamakurakannon… pic.twitter.com/VICikeZNFb

2023-01-11 09:28:25
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諏訪神社(富岡市 富岡)

一魁斎 正敏@浮世絵スキー&狼の護符マニア @ikkaisai

日曜日に群馬県の上信電鉄沿線と高崎市中部の彫り物ガッツリ系の神社さんに参拝してきたので、ゆっくりとレポしていきます。1箇所目は上州富岡駅から程近い諏訪神社さん。拝殿の向拝部に玉巵と思われる仙女などが配されていますが全体的に控えめな密度でして、実は真打ちとなるのは後方の境内社です。 pic.twitter.com/hkKWD6jNwd

2023-01-23 21:30:10
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一魁斎 正敏@浮世絵スキー&狼の護符マニア @ikkaisai

こちらの境内社、胴羽目の左側面や背面、腰羽目の彫り物の大半が欠損しているのが惜しまれますが、小社ながらも向拝部(中備は黄安仙人と琴高仙人)や右側面の胴羽目(張良と黄石公)、下部の持ち送りには獅子と牡丹を交互に配し、部材にも地紋彫りを施すなど、彫りの技術の腕前が見て取れます。 pic.twitter.com/M7Ec9M07OI

2023-01-23 21:44:29
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諏訪神社(甘楽郡 下仁田町)

一魁斎 正敏@浮世絵スキー&狼の護符マニア @ikkaisai

2箇所目は下仁田駅から徒歩5分の諏訪神社さん。弘化3年(1846)再建の拝殿は木鼻と一体化した双龍が施された向拝や雲龍の海老虹梁に重厚さを感じさせます。また、扉上部の四仙人(費長房・琴高・李鉄拐・劉海蟾)をはじめ二段構成の長押の上部には獅子や鳳凰などが配されています。 pic.twitter.com/ficuUS0vpa

2023-01-24 18:26:55
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一魁斎 正敏@浮世絵スキー&狼の護符マニア @ikkaisai

脇障子も含めて獅子は肉厚の彫り方で迫力を感じさせますが、南側の彫り物にはやや劣化が見られます。 pic.twitter.com/Rhnb2Gi3Ai

2023-01-24 18:37:19
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一魁斎 正敏@浮世絵スキー&狼の護符マニア @ikkaisai

本殿は天保8年(1837)の造営。こちらもガッツリ系ではありますが縁下には彫刻を施さないシンプルな造りです。胴羽目は順に孔雀・老松・鳳凰(或いは鸞)。脇障子は龍に乗る仙人・呂洞賓と鯉乗りの琴高仙人。海老虹梁は拝殿と似たスタイルの昇龍・降龍ですが、ややスッキリとした造型です。 pic.twitter.com/zlCiDBRQjA

2023-01-24 18:57:18
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一魁斎 正敏@浮世絵スキー&狼の護符マニア @ikkaisai

なお、同社には境内社として本殿よりも3年早い天保5年(1834)に再建された近戸神社の社殿があり、こちらも小社ながら胴羽目の彫り物があるガッツリ系の造りとなっており、一社で二度美味しい彫り物の鑑賞を楽しむことができるので、宮彫好きの皆様におかれましては参拝を推奨したく存じます。 pic.twitter.com/SOeFzzyJQO

2023-01-24 19:28:38
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曽木神社(富岡市 曽木)

一魁斎 正敏@浮世絵スキー&狼の護符マニア @ikkaisai

3箇所目は東富岡駅から高崎方面に向かって線路沿いに10分ばかり歩いた先の曽木神社さん。上野国神名帳に「従一位宗伎明神」と記されている古社です。本殿は覆屋の中にありますが、格子の隙間も広く光量も十分にあるため鑑賞しやすい造りになっているのが有難いです。 pic.twitter.com/qtadndaxIG

2023-01-25 08:31:01
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一魁斎 正敏@浮世絵スキー&狼の護符マニア @ikkaisai

胴羽目は順に林和靖、布袋尊と唐子の遊び、黄安仙人。脇障子は唐獅子で縁下には草花を配した蟇股を除いて彫り物は施さないシンプルなスタイルです。なお、あまり目立ちませんが社殿の上部の妻飾りには屋根を支える力神さんもいますので、鑑賞時にはチェックしてみてください。 pic.twitter.com/XFeihQcsIA

2023-01-25 08:43:24
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