群馬県の神社装飾彫刻 ~西毛・中毛・東毛の宮彫めぐり~

先日作成した「北総地域と京成本線沿いの宮彫めぐり ~神社の装飾彫刻~」(https://togetter.com/li/1874435)「東京都内の神社の装飾彫刻 〜23区と多摩地域の宮彫めぐり〜」(https://togetter.com/li/1888092)に引き続き、ここ最近に自分が参拝した群馬県南部を中心とした神社の中から見応えのある彫り物を紹介していきます。 ※元ツイートの構成の都合上、同日に併せて参拝した埼玉県 羽生市の神社が一社入っていますが、その点に関しましては御容赦ください。 なお、今回の選定基準としては最寄駅やバス停からのアクセスの良さよりも、覆屋が無い、或いは保護施設の中にある場合でも比較的鑑賞しやすい状況であることや、防犯のため周囲に人家があり人目につきやすい場所にあるものを中心としています。 続きを読む
12
前へ 1 ・・ 3 4

郷見神社(高崎市 下里見町)

一魁斎 正敏@浮世絵スキー&狼の護符マニア @ikkaisai

4箇所目は高崎市 下里見町の郷見神社さん。本殿は完全ガード型の覆屋の中にあり、格子付きのガラス窓から覗き見る形になりますが、窓の位置がやや高く、ガラスが汚れていることに加えて反射による映り込みがあるため、鑑賞時は踏み台と黒い傘やレフ板があるとベターです。 pic.twitter.com/5QrXeg91S0

2023-01-25 13:41:04
拡大
拡大
拡大
拡大
一魁斎 正敏@浮世絵スキー&狼の護符マニア @ikkaisai

胴羽目は左右に二十四孝の大舜、楊香、背面には孔雀と牡丹を配しています。なお、社殿上部の装飾は比較的に控えめで尾垂木には霊獣の彫り物などは無く、また、縁下も持ち送りに牡丹を配する程度でシンプルな造りですが、地域的な傾向なのか、或いは単に資金面での問題なのかは分かりません。 pic.twitter.com/1IXpXgYRcJ

2023-01-25 14:31:23
拡大
拡大
拡大
拡大

榛名木戸神社(高崎市 本郷町)

一魁斎 正敏@浮世絵スキー&狼の護符マニア @ikkaisai

当日最後の5箇所目は郷見神社さんから30分ほど歩いて到着した高崎市 本郷町の榛名木戸神社さん。こちらも本殿は覆屋内ですが、格子の幅が狭い上に場所によっては二重に貼られている目の細かい金網、更に右側が祭礼時に用いる幟旗の竿置き場となっており、密着鑑賞も無理という高難度仕様です。 pic.twitter.com/VgVMkAGji7

2023-01-25 18:01:53
拡大
拡大
拡大
拡大
一魁斎 正敏@浮世絵スキー&狼の護符マニア @ikkaisai

胴羽目は順に神功皇后と誉田別命を抱く武内宿禰、天岩戸、張良と黄石公ですが、前二者は男性の髭の表現が独特で遠目で見ると襟巻きのようにも見える、チリチリ&もっさり感のある豪快さがあります。なお、こちらも縁下には彫り物は施されていないシンプル仕様でした。【終】 pic.twitter.com/3UQGDSo4aP

2023-01-25 18:27:35
拡大
拡大
拡大
拡大

八斗島稲荷神社(伊勢崎市 八斗島)

一魁斎 正敏@浮世絵スキー&狼の護符マニア @ikkaisai

本日は群馬県の利根川と烏川沿い、並びに旧箕郷町の彫り物ガッツリ系神社さんに参拝してきたのでゆるゆるレポートしていきます。1箇所目は伊勢崎市の八斗島稲荷神社さん。本殿は上屋に瑞垣のみなので鑑賞はしやすいですが、直立時の目線の高さが腰羽目の位置に来るため胴羽目は見上げる形になります。 pic.twitter.com/8PcMtJbYv2

2023-02-06 20:55:48
拡大
拡大
拡大
拡大
一魁斎 正敏@浮世絵スキー&狼の護符マニア @ikkaisai

胴羽目は何れとも三国志ですが少し変則的な構成となっており、右側面の彫り物は孔明の庵を訪ねる劉備・関羽・張飛。そして左右の脇障子と背面・左側面の胴羽目が連動しており、前者は長坂坡の戦いで曹操軍に追われて谷底に落ちた趙雲が生還する場面で胴羽目に追手、脇障子に趙雲が配されています。 pic.twitter.com/F3HcYiAdla

2023-02-06 21:10:51
拡大
拡大
拡大
拡大
一魁斎 正敏@浮世絵スキー&狼の護符マニア @ikkaisai

また、背面から見て右側の脇障子は長坂橋に於いて曹操軍に大喝する張飛で、左側面の胴羽目は恐れをなして逃げる曹操軍となっています。なお、社殿の上部は簡素ですが、対する腰羽目の彫り物は全て二十四孝に題材を採ったものですが彫りも細かく、持ち送り部分と併せて見応えのある造りとなっています。 pic.twitter.com/70O7Hl8eeR

2023-02-06 21:22:48
拡大
拡大
拡大
拡大

角渕八幡宮(佐波郡 玉村町)

一魁斎 正敏@浮世絵スキー&狼の護符マニア @ikkaisai

2箇所目は佐波郡・玉村町の角渕八幡宮さん。こちらの本殿は右側面の後方まで祭礼時の幟旗の柱置き場の屋根が来ているため、瑞垣に密着して正面から見られないことを除けば完全露出型なので鑑賞に関しては特に問題はありません。 ※誤字があったので再投稿しました。御了承ください。 pic.twitter.com/xJl8cKZico

2023-02-07 19:47:32
拡大
拡大
拡大
拡大
一魁斎 正敏@浮世絵スキー&狼の護符マニア @ikkaisai

胴羽目は順に高砂の翁と嫗、張良と黄石公。なお、右側面に関しては完全な特定はできませんが日本武尊の東征(あるいは西征)ではないかと思われます。また、脇障子は左右とも禅宗の代表的な画題である「十牛図」から第五図の牧牛、第六図の騎牛帰家を題材としています。 pic.twitter.com/bjxz52GL7k

2023-02-07 19:49:52
拡大
拡大
拡大
拡大
一魁斎 正敏@浮世絵スキー&狼の護符マニア @ikkaisai

腰羽目の彫り物は三面とも唐獅子の親子。また、海老虹梁などの部材には地紋彫りを施し、社殿上部こそ装飾は控えめですが尾垂木や木鼻の霊獣、浜縁の下、持ち送りも含めると、手の込んだ造りであることを実感できます。 pic.twitter.com/okcRL8dCnR

2023-02-07 19:51:07
拡大
拡大
拡大
拡大

新町諏訪神社(高崎市 新町)

一魁斎 正敏@浮世絵スキー&狼の護符マニア @ikkaisai

3箇所目は高崎市・新町の新町諏訪神社さん。こちらも本殿は完全露出型ですが、瑞垣の屋根が高めの位置にあるため胴羽目は格子の低い位置から見上げるか、或いは少し離れた位置から鑑賞する形になります。なお、ご覧の様に本殿の縁下は柱のみで腰羽目などは無いシンプルな造りです。 pic.twitter.com/68tMgFIoqf

2023-02-07 12:01:38
拡大
拡大
拡大
拡大
一魁斎 正敏@浮世絵スキー&狼の護符マニア @ikkaisai

胴羽目は順に稲村ヶ崎で太刀を投じる新田義貞、楠公桜井の別れ、隠岐に配流となる後醍醐天皇の奪還を果たせず行在所の庭の桜木に天皇を勇気付ける漢詩を書き付ける児島高徳となっています。なお、本殿は昭和10年の再建で比較的新しいこともあり、甲冑などの表現も考証に基づいたものとなっています。 pic.twitter.com/Zj7VEdBHzm

2023-02-07 12:19:47
拡大
拡大
拡大
拡大

北野神社(高崎市 箕郷町)

一魁斎 正敏@浮世絵スキー&狼の護符マニア @ikkaisai

当日最後の4箇所目は箕郷町・生原の北野神社さん。拝殿と本殿覆屋は近年に修築されたものですが、前者に関しては古い彫り物を再利用しています。なお、覆屋は上部まで簀子状の格子仕様なので光量は問題なく目線の位置に限れば目視はしやすいですが、高い位置に胴羽目があるので脚立があるとベターです pic.twitter.com/xKmiAOnDWB

2023-02-07 15:57:34
拡大
拡大
拡大
拡大
一魁斎 正敏@浮世絵スキー&狼の護符マニア @ikkaisai

胴羽目は三面とも七福神。脇障子は左右で八岐大蛇を退治する素盞嗚命と櫛名田比売。なお、現在の本殿は文久元年(1861)の再建ですが、榛名神社の双龍門を手掛けた原山地区の棟梁・清水和泉、熊谷の彫工・小林源太郎の手によるものです。 pic.twitter.com/mVU3ox300K

2023-02-07 16:23:47
拡大
拡大
拡大
拡大
一魁斎 正敏@浮世絵スキー&狼の護符マニア @ikkaisai

また、縁下の持ち送りは簡素な雲形ですが上部に唐獅子を配した2段の腰羽目や、階下、浜縁下にも装飾を施し、海老虹梁に巻き付く龍など見応えのある社殿でした。そして、当日はここでタイムアップに付き帰路へと就いたのでした…【終】 pic.twitter.com/O4vgUXyNQM

2023-02-07 16:42:29
拡大
拡大
拡大
拡大

参考書籍はこちらです。

前へ 1 ・・ 3 4