お玉さんの読書マラソン企画「本格力を高めよう サンシャイン」(5部)

オールタイムのミステリベスト本『東西ミステリーベスト100』(2012年度版)国内編と海外編双方の同順位作品を、ミステリ読みの鉄人 お玉さんが比較検証。感想を述べつつ「どっちが好きか!」判定する対決企画です。この第5部では(第46〜50位)の対決を収録します。 第1部はこちら→ https://togetter.com/li/1723552 第2部はこちら→ https://togetter.com/li/1750586 第3部はこちら→ https://togetter.com/li/1810946 第4部はこちら→ https://togetter.com/li/1981875 続きを読む
2
前へ 1 2 ・・ 16 次へ
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

これまたネタバレだけど、第三の殺人での時間の檻具合がかなりお見事にキまっているので、、、 第二の殺人における「アリバイ精査部分での状況把握のザックリ感」や「不可能状況をより強固に演出するための推理のトライ・アンド・エラー、そういったものが完全に欠如してる仕様」には途方もない残念感

2023-08-13 01:59:17
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

結構ページ割いているのに、子供が手がかりとして全然機能してないとこもモヤるわ(個人的意見) つまらないトリックなのですぐ分かるけど、このアリバイトリックも読者にとっては実質ノーヒントなのも すごい伏線芸で脇を固めてくれてるのに、メインディッシュは生焼けで火が通ってない。そんな感じ

2023-08-13 01:59:17
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

全世界の読者相手にならこのくらいの精度のアリバイトリックでもOKなのかもだけど、ウチら昭和生まれのミステリ大好き部員にしては、『見えないグリーン』の第二の殺人は、いただけない、の一言だ。 せっかく事件現場に人がいるシチュやってるんだから、時間誤認の要素のひとつでも入れろつ〜の

2023-08-13 01:59:59
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

文庫版『見えないグリーン』の解説は鮎川哲也。で、あゆてつ解説で見受けがちな「基本的には激褒め姿勢だが、本格的好きにしか共感し得ない手厳しいネタバレ指摘をブチ込んでくる!」といつものキラーぷりが今解説でも発揮されてるの。 けど、糾弾するのは第三のほうじゃなく第二のほうじゃね? と

2023-08-13 02:00:53
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

第一の密室トリック(密室トリックと関係ない「犯人当て」も好き♡)、第二の殺人での多くの疑問がスッキリ解決する気持ちいい伏線芸に目を奪われがちだけど、 今の私の視点からすると、第三の殺人が一番バランスが整っており、良く出来ているのでは? と思ってるのよ

2023-08-13 02:00:54
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

「読者が事件に挑むために必要な一番重要な手がかりが、探偵役の推理の途中に登場する」といったトンデモない弱点が第三の殺人には存在するんだけど、 スラデックって読者との知恵のバトルを楽しむ気など全く無く、オレの考えた凄えトリックを見ろォォな人なのね、と気づくと、そこは弱点じゃなくなる

2023-08-13 02:00:54
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

パーティー場に姿を見せた謎の男とか、もう完全に俺好みなんだよね『見えないグリーン』の第三の殺人事件。 第一の殺人では「見えない」がああいう意味を持ち、第二の殺人では……、マァ、コウイウコトモアルヨネ……、の残念感を醸し出す。 そして、第三の見えない人間なのよ。こう捻ってくるかぁ〜

2023-08-13 02:01:52
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

そして、ここで解説でのあゆてつ指摘に反論するよ。 確かに、あの人のあの行動って全く合理性ってモノがなかったりするんだけど、、、コレって「若いときは才気煥発でも、老いが柔軟な発想を奪っていく」ってことじゃないのかしら? と。 プロローグで似たような事例が語られてるじゃん、と。

2023-08-13 02:02:35
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

プロローグでジョン・スラデックは登場人物のセリフを使って、ホームズ冒険譚のとある矛盾に対し言及をしている。この矛盾説明って、まさに文庫解説であゆてつが指摘している「第三の殺人におけるとある証拠物が持つ意味合い」のそれと重なる部分がかなり多いのよ。

2023-08-13 02:04:20
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

多数の意味を引き出せる証拠品なのに、恣意的にそこから一意だけをクローズアップし取り扱う。 第三の殺人での証拠品、と、プロローグで指摘されたホームズ物語の証拠品とは、その性質はほぼほぼ同値と見てよいだろう。 あゆてつ。あのおかしなアレとあの行動、作者は分かって書いているよ。きっと。

2023-08-13 02:04:20
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

プロローグは老人の視点で語られている。 そして、聡明な部分も残っているが、老いによりアタマの回転が落ちてる様子がかなりどストレートに描かれているんよね。 プロローグの様子は、要素として第三の殺人に投影されているんだよ。俺褒めのパーティー場での怪しい人の伏線も、過去が絡むものよね

2023-08-13 02:05:58
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

密室トリックは別として、『見えないグリーン』の他の謎は、割と古典作品の3R(リデュース・リユース・リサイクル)的意図がありそうなの。 それが途轍もなくキレイに決まっている箇所もあれば、全然ダメダメなとこもあるよ、ってことなんスよね。 プラマイで考えると大きく大きくプラスなんだけどね

2023-08-13 02:06:31
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

海外ミステリに関しては疎いので『見えないグリーン』が発表された70年代後半、その時分の海外推理小説シーンがいかようだったのかが分からないけど、こんなどデカいトリックをドンッ、トリックの量ズララン、伏線いっぱい楽シイナな作品は珍妙だったに違いない。 海外ではウけたのかな?

2023-08-13 02:08:34
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

日本での評価と人気は推して知るべし、だね。 第二の殺人をちゃんとやれぇ、読者にも推理出来るようにヒントをきっちり施せえ、と悪態ついたけど、そこに背を向けたからこそ、高密度の内容がえげつないスピードで進行するといった快楽もあるんだよね。日本人が今作が好きなのも納得してるわ

2023-08-13 02:08:35
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

次!(先に言っておくが、次の感想はミステリ感想ではなく、ただの老人の懐古である)

2023-08-13 02:09:54
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

さて『不夜城』だ。 2023年の読書家の視点で言うと「それまで一部の好事家のモノであったノワール & 暗黒ジャンルの小説を、広く世に浸透させたエポックメイキングな作品」ということになるだろう。 これまでのおままごと小説(?)じゃない。モノホンの手応えと歯応えがある。

2023-08-13 02:10:44
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

あんまり馴染みのない題材を、全然馴染みのない領域下にて料理する。そうすることにより、逆にリアルっぽさが担保される。 現代の視点で判断しても、その技巧的な試みは成功していると言えそうだ。 今作に日本人が混じっていたら、、、一気に浮世離れ感が発生しちゃうんじゃないかしらん??

2023-08-13 02:10:44
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

まぁ、異国人文化の強調をやり過ぎているから、要素の紹介が完全な後出しジャンケン気味に見えちゃうのはマイナスかな? あと何もかもがいちいち回りくどいのも難点かしら? でも、これらの指摘は、この手の小説にもう慣れ親しんでいるからこその気づきなのだろう。

2023-08-13 02:11:26
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

『不夜城』がシーンを開城してくれたため、海外のノワール & 暗黒小説に対しとっつきやすくなった。 また馳星周自身がその後の作品で『不夜城』での不満点やマイナス部分を宿題的に埋めていってくれた(結構チャレンジブルな作品が多いんよね) 僕たちの暗黒経験値は1996年からグングン伸びた

2023-08-13 02:11:27
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

でも、 馳星周、そんなに数は読めてないけど、私の中では、『不夜城』は世間に対して一番アピール出来た作者の代表作、……くらいの認識なのね。馳星周での作品ランキングを作ったら、たぶん下のほうじゃないかな? 再読して感じたのは、面白さよりもミステリ小説としての上手で、魂は震えなかった。

2023-08-13 02:12:07
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

でもって、1996年のお玉さんは『不夜城』にどう感じたか? 友だち(この頃はまだ友人と呼べる人がいた)の山口くん(仮)が「お玉さん、お玉さん。新宿には青龍刀を持ったマフィアが、首を斬りまくっているんだよ。怖いねえ」と大興奮しているのを尻目に、当時の私、酷く裏切られた気持ちだったんだ

2023-08-13 02:12:36
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

それは、馳星周が坂東齢人だっていうことを何らかの記事で読んだからだ。 坂東齢人ってことは、坂東レーニンってことだ。坂東レーニンがメジャーな世界に名を刻みつけたことはとても喜ばしいかった。けど、僕らが、いや僕個人が希望していたカタチとは真逆の作品で世間に受け入れられたんだよね……

2023-08-13 02:14:44
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

僕は山口くん(仮)に尋ねたよ。 「山口くん(仮)、キミは、レーニンの子育て日記って知っているかい?」 答えはNO。 山口くん(仮)はPCゲーム雑誌はコンプティークひとすじの男だったのだ。 「……ポプコム? なにそれ? ヤマハの音楽コンテスト?」

2023-08-13 02:14:44
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

80年代後半から90年前半、お玉さんはポプコム読者だった。 あっ、それ以前はコンプティーク読者だったのよ。雑誌連載版の「聖エルザクルセイダーズ」の次号への引きは画期的だったし、「ロードス島戦記(第三部)」には毎回クッソ笑わせてもらったのよ。 でも、肝心のゲーム記事が肌に合わなかったの

2023-08-13 02:15:15
お玉と毒をくらわば皿まで @ottama709

秋葉原とかのSLGリプレイとかうすら寒かったし(榊先生ごめんなさい)、RPGゴクドープレイとか嫌悪感すら感じてたもの(中村先生ごめんなさい) 福袋もH度が中途半端……。読者参加型ゲームは、記憶にも残ってないわ。巻末漫画も僕には意味不明だったなぁ(でも、コミックコンプは創刊から買ってた)

2023-08-13 02:15:15
前へ 1 2 ・・ 16 次へ