2023年10月19日

かつて感染症を『経験と勘』でなんとかしたという話、その後の対処がムチャクチャでむしろ被害拡大してる

これもまた積み重ね

医学経験感染症社会科学学問知識

jinmenkutsu
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零 @zero_hisui

かつて感染症は瘴気によるものと信じられていた。もちろん誤りだけど、そこから導かれる対策自体は合ってるんだよね。瘴気が生じるとされる「ジメジメして不潔な場所」は雑菌やネズミの温床なので。

2023-10-17 12:21:41

零 @zero_hisui

ロンドンの下水道を整備し、公衆衛生法を成立させたサー・エドウィン・チャドウィックは瘴気説を信じていた。フローレンス・ナイチンゲールも。多くの人々を救った経験則であると思う。

2023-10-17 12:38:11

零 @zero_hisui

そもそも『瘴』という字は「南方の山川から生じる毒気」、つまりマラリアの危険地帯を指す。世の東西を問わず、みんな空気を読んで己の健康を守っていたのだ……

2023-10-17 12:43:49

まとめ

「かつて感染症は"瘴気"が原因だと信じられていた」←間違ってるけど、そこから導かれる対策自体は合っていた、って話人類の叡智 34617 pv 44 1

この話には続きがあって…

西内啓 Hiromu Nishiuchi @philomyu

たまたまこれバズってるの目にしたのでマジレスするんですけど、瘴気説という経験則に基づくチャドウィックのコレラ対策、ロンドン中の不潔なもの掃除するとこまでは正解だったんですけど、それ全部川に流した結果むしろコレラの被害めちゃくちゃ拡大させてるの「経験と勘」の脆弱性示す事例だと思う。 twitter.com/zero_hisui/sta…

2023-10-18 20:33:16

西内啓 Hiromu Nishiuchi @philomyu

疫学の元祖と呼ばれるジョンスノウが偉いとこ、拙著含めてよく言われるようにデータ集めてコレラの原因になってそうなものを探したとこももちろんだけど、瘴「気」が原因なら消化器より呼吸器の方に顕著な症状あるのでは…って考察してて、まさにデータサイエンスにおけるドメイン知識の重要性である。

2023-10-18 20:33:16

リンク HelC（ヘルシー） 133：伝染病を正しく怖がるにはどうしたらよいか？コレラからコロナを考える（3）人間到る処バイキンあり（17）（望月吉彦先生）

＞1840年代ロンドンでコレラが流行した時、ロンドン衛生責任者「チャドウィック（Chadwick, Sir Edwin：1800－1890）」は「瘴気」がロンドンに蔓延しないように対策を立てました。

チャドウィックはコレラが発症している地域の下水、汚水つまり糞尿から瘴気が立ち上ると考え、下水をテムズ川に大量に押し流したのです。糞尿を大量にテムズ川に流したことでコレラが流行っていた地域の「糞尿の匂い」は消え、同時に「瘴気」も少なくなり、コレラが減ると思われたのですが、ロンドンでは逆にコレラに罹る人が急増したのです。

今ならさしずめコレラが「急増：オーバーシュート」したのです。