三国志こばなし集2023年11月号(上)三国時代編

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曹操「今年の孟徳兵学賞は」 荀攸「…」 程昱「…」 賈詡「…」 曹「荀攸！奇策十二計！」 荀「ありがたき幸せ！」 曹「メダルと賞金を授与しよう！」 荀彧「おめでとう公達！」 攸「…メダルの品質低下が著しいですな」 曹「ろくな金属が無いからな」 彧「メダルを作れる職人も滅多にいませんものね」

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曹「続いて孟徳平和賞！」 夏侯惇「…」 曹仁「…」 許緒「…」 夏「馬騰を入朝させ、涼州を安定させた張既！」 張既「なんと！」 鍾繇「でかしたぞ徳容！」 曹「メダルと絹の着物を授与しよう」 張「錦張既とは畏れ多いですが…」 鍾「それはそれとして、奴らを野放しにするわけにもいきますまい！」

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曹「最後に孟徳文学賞！」 曹丕「…」 曹植「…」 王粲「…」 陳琳「…」 徐幹「…」 応瑒「…」 劉楨「…」 阮瑀「…」 蔡琰「…」 荀彧(さすが激戦区の賞だな…) 華歆(全くです) 操「私の短歌行！これしかあるまい！」 植「只今お祝いの詩を吟じます父上！」 丕「チッ！」 司馬懿「まあまあ」

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曹操…ご機嫌で短歌行を唄って曹植の詩に有頂天だった。 荀攸…策の著述は鍾繇に任せます。 程昱…どんな基準で選ばれたのかな？ 賈詡…殿の独断でしょう。 荀彧…私も欲しいな。 張既…せっかく涼州も沈静化しつつありますのでどうぞ穏便に… 鍾繇…お前は韓遂と馬超らの真の恐ろしさを知らんな？

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夏侯惇…民との堤防建設事業でノミネート。 曹仁…日頃の外征での大活躍でノミネート。 許緒…日々の完璧な任務遂行でノミネート。 曹植…ぶっちゃけ文学賞より軍事賞を狙ってる。 王粲…曹植に負けじと筆を取った。 陳琳…曹操打倒の檄文がノミネートされたと知り冷や汗。 徐幹…中論がノミネート。

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応瑒…ノミネート作品を紛失されてた。 劉楨…雑詩が官吏の気持ちを捉えノミネート。 阮瑀…山を焼かれた時の記録がノミネート。 蔡琰…悲憤詩がノミネート。 華歆…セレモニーをアシスト。 曹丕…司馬懿に下手くそな詩を作らせて憂さ晴らし。 司馬懿…こういう所があるから選ばれないんですよ！

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鍾繇「でやあ！」 崔琰「いつもながらな大胆な筆遣いですな鍾繇殿！」 鍾「おう！丞相への上奏をするならば、文字に力がなければとても書けたものではないからな！」 司馬朗「この文字の土台があれば、我らの文字も容易く真似できてしまうのでは？」 鍾「面白そうだ！やってみよう！」 崔「しからば」

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鍾「どうだ！」 崔「これは参りましたな！」 司「偽手紙も書き放題ではありませんか！」 鍾「書で他人を陥れる策など言語道断！」 崔「全くです」 鍾「そんな卑怯な真似をする輩がいたら親の顔が見たい！」 司「…？」 司馬懿「…」 朗「おう仲達！」 懿「どうも…」 鍾「お前の字も真似てやろうか！」

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懿「いえ…結構です」 鍾「そう言うな！」 崔「せっかくだから書いてみろ！」 朗(調子は？) 懿(…善処します) 鍾「？」 懿「風痺を患っておりますので情けない字で申し訳ありません」 崔「気の毒な…」 鍾「これは真似できぬ」 懿「鍾繇殿にお目汚しを…」 鍾「いや！この字を極秘文書で使えばよい！」

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鍾繇…仲達を極秘文書担当書記とするよう上奏しようか？ 崔琰…仲達しか読めぬ字ではありませぬか？ 司馬朗…なるほど！符牒として使うのですな！ 司馬懿…風痺が痛むので私に字を書かせる仕事を勧めないでいただきたく…

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孫権「…やれやれ。今日も今日とて昨日の記憶がない」 諸葛瑾「殿！張昭殿が！」 孫「おおよそ酔った時の悪戯はやり尽くしたはずだが…」 諸「日頃のストレスに耐えかねて幼児退行したとの報告が！」 孫「なに!?」 諸(どうして国の一大事をこんな嬉しそうに見に行くのかなこの主君は…) 孫「張公！」

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張昭「おぎゃあ！おぎゃあ！」 孫「」 張承「殿！」 張休「どうされるのですか！」 孫「うわあ…エラいことになったぞこりゃ…」 諸「しみじみドン引いてる場合じゃございません！」 孫「かくなる上は私が一肌脱ぐしかあるまいか…」 諸「それは？」 孫「私が張公をも下回る赤子になるのだ！」 諸「」

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孫「まんままんま！」 張「バブバブ！」 諸「赤子同士が共鳴し始めましたよ」 虞翻「日頃も大差ないです」 魯粛「物心の有無はなかなかに違うと思いますがな狂直殿」 虞「物心が有るのに無いかのように振る舞う殿と、有ったはずの物心を無くしてしまった張昭殿…」 魯「深い！」 諸「どうでもいい！」

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孫権…諸葛瑾の一喝で正気に戻り赤面。 張昭…諸葛瑾の一喝で物心が帰ってきて赤面。 諸葛瑾…日頃温厚な人間こそ、本気で怒った時は恐ろしいのである。 張承…諸葛瑾殿とは思えぬ怒声だ… 張休…諸葛恪はあんな声で叱られて平気なのか？ 虞翻…ゾワっと鳥肌がたった。 魯粛…さすが孔明の兄だよ…

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諸葛恪「陛下！私の父上と叔父上、ひいては魏の諸葛誕を天下でどう評しているのかをご存知ですか？」 孫権「諸葛瑾は天下の驢か？」 諸「動物なのは正解です！」 孫「ふむ…」 張休(陛下公認のギャグかも分からんが…) 顧譚(私たちでは考え難いリアクションだ) 諸「叔父上は臥竜と呼ばれていたので…」

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孫「諸葛亮は龍なのか？」 諸「正解です！」 孫「子瑜といえば驢以外思いつかなぬが」 諸「父上は虎です！」 孫「ほう。朕の父上も江東の虎だが、子瑜は天下の虎なのか！」 諸「つまり私も虎の子なのです！」 孫「ほう？」 張(ヒヤヒヤする…) 顧(まるで敵わん) 孫「諸葛誕とは？」 諸「諸葛の狗です」

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孫「狗とな？」 諸「虎にも龍にも到底敵いますまい！」 孫「ではお前は諸葛の何と呼ばれている？」 諸「え？」 孫「諸葛誕など朕は知らぬが、子瑜と諸葛亮と並べられるほどの者なのには違いあるまい」 諸「」 孫「お前に子瑜を超えられるのか？」 諸「私に全てお任せあれ！」 孫「…頼んだぞ四友の皆」

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孫権…子どもの頃に馴れ馴れしくさせすぎたかな… 諸葛恪…諸葛誕など歯牙にもかけぬほど強く賢くなってやる！ 張休…これからもこいつと上手くやれるかな？ 顧譚…お爺様が亡くなったらどうなるだろうか…

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王平(もう兵の渇きが限界だ…) 馬謖「王平！水不足が解消したぞ！」 王「そんな馬鹿な！」 馬「こんな時のために備えておいて正解だった」 王「何をです？」 馬「ウォーターサーバー導入のパンフレットだ！」 王「…」 馬「初月無料でオプションも選び放題だからな！王平も一台選べ」 王「文盲なので」

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王(寝返りだけはしたくねえんだが…) 馬「見ろみんな！モンドセレクション最高金賞の天然水だ！」 兵「早く飲ませてください！」 馬「一人一口だぞ」 兵「バナジウムが沁み渡る…」 兵「次はコーヒーサーバー付きのやつを導入しましょう！」 王(ここは戦地なのだろうか) 業者「あの…」 王「どうも」

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業「搬入手続き完了の印を」 王「よくこの包囲を潜り抜けてきましたね」 業「…張郃殿のお情けでして」 王「ああ…やっぱり…」 業「それに喉が乾きっぱなしよりも一度潤してからさらに乾かす方が…」 王「さすが張郃…」 業「来月は行かなくていいですよね」 王「きっとそれどころじゃないですから」

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馬謖…来月はどのウォーターサーバーを導入しようかウキウキしていたが、ストックの水が二日持たずに無くなった。 王平…張郃に舐められ放題で悔しいが、将が将だからやっぱしょうがないと思ったし、自分でもそうするだろうと思い至った。

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孫権「子どもたちの仮装大会だと？」 諸葛瑾「可愛らしいので見にきてください」 孫「…ここは一つ大人の本気を見せてやろう」 諸「？」 孫「大人の本気を見せてやろうぞ！」 諸葛恪「悪戯かお菓子か選べ！」 孫登「父上に無礼だ！」 顧譚「どうした張休？」 張休「三日前から父上がおられなくて…」

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権「義封！」 朱然「ただいま！」 業火「！！！」 恪「うわ！」 陳表「すごい火炎…」 瑾「…あの棺、暴れてません？」 権「ああ！張公と虞翻が収納されているからな！」 休「え…」 瑾「大至急鎮火だ朱然！！」 朱「ただいま！」 権「…火葬大会じゃなかったのか？」 瑾「死んでないだろうが！！」

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張昭「死ぬかと思った…」 虞翻「…」 権「死んだ三日後に復活したぞ子どもたち！」 休「…」 昭「休！こんな主君に殺されるわしらではない！」 虞「我らを信仰の対象として祀っていただきたい！」 権「貴様らが磔刑にされたければな」 虞「…地獄に堕ちろ」 権「虞翻」 昭「♪〜」 権「ラッパの音？」