#ガザ投稿翻訳 #西岸地区投稿翻訳: 情報源選定について

偽情報 (disinfo) のばらまき作戦の片棒を担がされないために。 #ガザ投稿翻訳 #西岸地区投稿翻訳 のアーカイヴ12から19まで入れてあった注意書きを独立させ、大幅に加筆しました。
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Irish Emergency Logistics Team 🇮🇪 @irishelt

Resharing this from June 2022 because I'm seeing well meaning people, supporters of Palestine, sharing articles by the Grayzone, Mint Press and all the usual puppets of Putin. Don't They spread lies and disinformation. Syria & Ukraine before. theguardian.com/world/2022/jun…

2023-12-07 04:17:02

あと、「現地筋」といっても要注意なのが報道機関

市民ジャーナリストや、医師などを含む一般市民が個人として発言しているものは「個人の声」ですが(それでもさまざまな制約はあるかもしれません)、報道機関は「個人」ではありません。

この報道機関が「要注意」であることをわかっていて、そのうえで、伝えられているファクトを厳密に峻別して、ファクトはファクトとして受け取る、ということができるのなら、常時参照していてもいいのかもしれません。

リンク Wikipedia Quds News Network Quds News Network (Arabic: شبكة قدس الإخبارية) (QNN) is a Palestinian news agency affiliated with Hamas and Palestinian Islamic Jihad.QNN is popular among young Palestinian Internet users given its strong social media presence. QNN combines breaking new 1

「報道機関」はいろいろあって実は難しい。ヒズボラ系のメディアもあるし

例えば下記の報道機関のフィードは、「ヒズボラと関係の深い報道機関のフィードである」ということがわかっている人が読むには問題なくても、広く一般に対して「こういう報道がある」と示すのはちょっといかがなものかと……

リンク Wikipedia Al-Manar Al-Manar (Arabic: المنار, romanized: al-Manār, lit. 'The Lighthouse') is a Lebanese satellite television station owned and operated by the political party Hezbollah, broadcasting from Beirut, Lebanon. The channel was launched on 4 June 1991 and it is a m 57
リンク Wikipedia Al Mayadeen Al Mayadeen (Arabic: الميادين, transl. "The Plazas") is a Hezbollah-aligned Lebanese pan-Arabist satellite news television channel based in the city of Beirut. Launched on 11 June 2012, it has news reporters in most of the Arab countries. In the pan-Arab 48

私もよく参照しているし、RTもよくしているけど、ロンドンのMiddle East Eye

ここも実は不透明。オーナーシップが明らかになっていない。

ただ、編集・取材執筆の面では元ガーディアンの人や元アルジャジーラ・イングリッシュの人が主力だから、情報の質と強度は、例えば、素人が「ネットで稼ぐ」ためにやってるようなオンライン・メディアとは全然違います。ゲスト寄稿者もガチ筋(研究者など)。

リンク Wikipedia Middle East Eye Middle East Eye (MEE) is a UK-based news website founded in 2014 that covers the Middle East and North Africa. Foreign policy commentators and the governments of Saudi Arabia, the UAE, Egypt, and Bahrain accuse the site of being backed by Qatar and having 71

今の世界には、「ジェノサイド否定」の潮流っていうのが、確実に存在する

https://en.wikipedia.org/wiki/Genocide_denial
↑ざっとでいいので、目を通してください。

古典的には、欧州のナチ残党やネオナチによるホロコースト否定(否認)、日本のウルトラナショナリストなどによる南京事件否定、トルコのウルトラナショナリストなどによるアルメニア虐殺否定(トルコによるクルド人弾圧については「クルド人」という存在すら認めていないこともあるのでより複雑)、セルビアのウルトラナショナリストなどによるボスニアでのジェノサイド否定などがあるのですが、21世紀に入ってからはリアルタイムで起きているジェノサイド・虐殺の否定が平然と行われていて(中国によるウイグルのジェノサイド否定、シリア政府による「アラブの春」以降の自国民虐殺の否定、など)、おそらく、今進行しているイスラエルによるガザ地区でのジェノサイドもそのひとつに数えられることになると思う。

ロシアのウクライナ侵略で、ロシア側が負傷者の写真が出れば「被害者のふりをしている役者だ」などと主張していることなども、同じような「否定(否認)」。

nofrills🍉文法を大切にして翻訳した共訳書『アメリカ侵略全史』作品社など @nofrills

もちろん、現地ツイッタラーは信頼できる情報源と扱ってよいです。 どのアカウントやサイトがアレかということは私から公然と言うわけにはいかないのですが、とりあえず、シリアの民主化運動の人たちが「こいつはジェノサイド否定論だから釣られるな」と言っているのは当てにしてよいです。

2023-10-31 10:04:02

例えば……

Razan Saffour @RazanSpeaks

I belong to the Syrian Revolution | Head of Content Strategy and Comms @Kawaakibi | 🇵🇸

https://t.co/P08qLT1DpK

Razan Saffour @RazanSpeaks

your periodic reminder that roger waters is a genocide denier who weaponises war on terror language and strips agency away from people being bombed to death, by referring to Syrians protecting themselves against the Assad regime as ‘terrorists’ and ‘jihadists’.

2022-08-25 00:33:11
リンク Wikipedia Roger Waters George Roger Waters (born 6 September 1943) is an English musician and singer-songwriter. In 1965, he co-founded the rock band Pink Floyd as the bassist. Following the departure of the songwriter, Syd Barrett, in 1968, Waters became Pink Floyd's lyrici 1543
Razan Saffour @RazanSpeaks

Reminder that David Miller is a genocide denier re Syria and propagandist disseminating disinformation on Syrian victims of Assad. If you’re still amplifying him after claiming to cut off genocide deniers, you are cut from the same cloth as the unprincipled you claim to oppose.

2023-11-20 07:57:02
リンク Wikipedia David Miller (sociologist) David Miller (born 1964) is a British sociologist whose research and publications focus on Islamophobia and propaganda. Miller was Professor of Sociology at the University of Strathclyde (2004–2011) and the University of Bath (2011–2018) and was Profess 1
Razan Saffour @RazanSpeaks

@AlaHamdann @jacksonhinklle Jackson has been denying the genocide against Syrians for years. He has been instrumental in denying Assad’s chemical gas attack massacre, claiming that we gassed ourselves. He’s a genocide denier who shouldn’t be engaged with in any capacity.

2023-10-22 04:25:41
リンク Wikipedia Jackson Hinkle Jackson Hinkle (born September 1999) is an American political commentator and social media influencer, who hosts the political show The Dive with Jackson Hinkle. He has also appeared on cable news outlets, such as Tucker Carlson Tonight and One America 20

怪しい情報源、ジャクソン・ヒンクル

情報源の多様化

当ハッシュタグの最初期段階から #ガザ投稿翻訳 を使っている翻訳者は、ずっと以前からTwitterで英語で情報発信をしてきたガザ地区および西岸地区(と東エルサレム)の人々、ディアスポラの人々の発言に加え、占領とジェノサイドに反対する欧米のユダヤ人や、赤十字赤新月・国連諸機関や医療NGOのような団体、「この人を信頼せずに誰を信頼するのか」というレベルで信頼性の高いTwiterユーザー(研究者や人権団体元代表など)の発言を日本語にしています。

その後、ハッシュタグが広まるにつれて、情報源の幅も広がってきました。ハッシュタグを使う人それぞれが自分の判断で選ぶ情報源は、実に多様です。

(ハッシュタグが消え去ることなく、むしろ多くの人々に閲覧されるようになった時点で、いきなり横合いからクビ突っ込んできて「現地っつったってその人の発言が信用できるかどうか、あなたわかんないでしょ」という方向で圧力をかけてくる人もいるかもしれませんが、ハッシュタグ参加者各位におかれましては、その点で不安に思うことがあれば、Twitterユーザー歴の長い現地アカウントの発言を選んで日本語化するようにしてください。パレスチナ関連の英語コミュニティはいろんな意味で固いので、「なりすまし」が出ても、長期にわたって発言の場が与えられるということはまずないです。)

私 @nofrills はたかがハッシュタグの発起人にすぎず、他人の発言を止めることはできないし、止めようとは思わないんですが、当ハッシュタグの当初の趣旨(現地からの声が読まれていることの可視化)を逸脱して、現地と関係のない怪しい情報源を参照した投稿も見られるようになってきたら、さすがにやばいと思うようになりました。

(それでも、ネットでバズりがちなあからさまな陰謀論や、某国政府筋の情報戦担当アカウントの発言がこのハッシュタグで日本語化されているのを見るのは非常にまれなことで、この点、ハッシュタグ参加者の皆さまが、それぞれ経験があって確実な目を持っていることのあらわれだと驚嘆しています。)

ジャクソン・ヒンクルというSNSユーザー

当初の趣旨(現地からの声が読まれていることの可視化)が完全に守られる必要があるということはなく、むしろ、時間の流れや文脈の変化によって翻訳対象の範囲が変わっていく、というか幅を広げていくことは、当然だと思います。しかし、怪しい情報源はだめです。

ここでは特に問題と思われるジャクソン・ヒンクル (Jackson Hinkle) というユーザーについて、注意を喚起しておきます。

11月14日にTwitter/Xで連続投稿したのですが:
https://twitter.com/nofrills/status/1724281127811027419

Jackson Hinkleという米国のユーザーの投稿は、慎重に扱ってください。というか、基本的に「デマ屋」と位置付けておくくらいでちょうどよいです。以下、その根拠説明です。

英BBCのネット情報検証 (Verify) 班所属のジャーナリストが、Jackson Hinkleが「イスラエル最強の狙撃兵Barib Yariel」として示している写真は少なくとも2020年のものであり、Barib Yarielという名前の人も存在していそうにない、と指摘しています。https://twitter.com/Shayan86/status/1722807225826082816

つまり、Hinkleは、ネット上の「拾い画」にもっともらしいキャプションをつけて流していると考えられる、ということです。

これ以外にも、同じBBC検証班の記者さんが、Hinkleについて何度か指摘しています。下記URLで指摘が一覧できると思います。
https://twitter.com/search?q=jackson hinkle from:@Shayan86&src=typed_query&f=live

Hinkleの誤情報だと指摘されているものは、わりとよくある「古い写真を今のものとして流用」の手口が多いので「大したことない」と思われるかもしれません。「たまに変な投稿もあるけどまともな投稿もある」と思われるかもしれません。

しかしHinkleのアカウントは、少なくとも、信頼できるものではありません。そして今のこの局面では、「信頼できるものではない」と判断される情報源は自分の観測範囲から排除していくことが重要です。よく言われるとおり、「戦争の最初の犠牲者は事実(ファクト)である」わけですから。

そればかりでなく、Hinkleのやっていることは、何なら「事実の敵」と言ってもよいくらいです。

Jackson Hinkleの投稿の一例。 via https://twitter.com/RamiSafadi93/status/1715770885255139659

イラクの大量破壊兵器所持(2003年イラク戦争)、プーチンによるノードストリームのパイプラインの爆破、イラク兵が赤ん坊を保育器から放り出しているとのデマ(1990年湾岸戦争)、アサド政権による自国民に対する毒ガス使用(何度もありますが特に2013年8月のサリン攻撃でしょうね)、中国の新疆におけるウイグルのジェノサイド、ハマスの嬰児斬首殺害(この10月)について、箇条書きにして全部を否定している。

今回の事態が始まった数日後の10月12日にHinkleが投稿したもの(上掲図)は、事実と事実否定と事実かどうかわからないものへの根拠のない断定がぐちゃまぜになっているだけでなく、彼がジェノサイド否定論者であることを示しています。
https://en.wikipedia.org/wiki/Genocide_denial

シリアの民主化運動活動家のラザンさんは、「Jackson Hinkleに場を与えるのをやめよ。この人物は詐欺師であり、シリアやウイグルの人々の殺戮と苦痛を、パレスチナの人々を支援するという口実で、自身のファシズム的なジェノサイドのアジェンダを拡散するために利用している。アライではない」と指摘しています。
https://twitter.com/RazanSpeaks/status/1715774401080082486

実は私も、今回の事態が始まった数日後に何か有益な情報があったのでHinkleの投稿をリツイート/リポストしたことがあります。bio(プロフ)欄は一応見たのですが特に注意すべき点があるとは思わなかった。実際、今も、下記の添付画像のような真正な情報が投稿されています。

Hinkleのタイムラインはこういうまともな投稿と、上で見たような悪質なデマや、差別投稿(それと、収益化のための自分の宣伝)がぐちゃまぜです。「まともな投稿だけ見てるのなら、問題ないじゃない」と思うかもしれませんが、よく知らないことがらについて、「まともな投稿」かどうかをどうやって判断できるか?

ジャクソン・ヒンクルが2023年11月14日11:57(日本時間)に投稿したもののキャプチャ。ガザでパレスチナ人ジャーナリストのAhmad Fatimaさんがイスラエル軍の攻撃によって殺されたという情報自体は真正。

Jackson Hinkleの投稿は、今の事態が始まったあとの1週間くらいの間に何度も私の画面に流れてきていました。私のフィルターバブルの中に流れてくるHinkleの投稿には、私が変だと認識するようなものはなかった(それがTwitter/Xのアルゴリズムです)。だからうっかりRT/RPしてしまったんですね。でもすぐに「あのアカウントはダメ」という指摘も流れてくるようになったので、そこでJackson Hinkelについて確認すべくウェブ検索してみたところ、英語圏の「《著名人》の学歴は? 彼女は? ウィキ風にまとめました!」ブログが見つかったんです。
https://wikicelebs.com/jackson-hinkle-wiki/

この「いかがでしたか」ブログは2023年10月にHinkleが大注目される前の記事なので("only 21 years old as of 2022" と記載がある)、余計なノイズがなくてよいです。細かく読む必要はなく、斜め読みするだけでも人物像がつかめると思います。2001年生まれと若く(上に引用した投稿で画像で紹介されていた「イラクの大量破壊兵器」等は、本人がリアルタイムで知ってるわけではないということ)、裕福な家庭で育ち、元は俳優だったのがキャリアチェンジしたとか(Jan6の毛皮かぶりもの男と同じ)、「ネットで稼ぐ」人だとか、タッカー・カールソンとつながってるとか。

さらに今、爆発的に登録数が増えて目立っているこの人物については、大手報道機関でもこの人物についての記事を出しています。例えばガーディアン:
https://theguardian.com/world/2023/nov/11/israel-hamas-fake-news-thrives-on-poorly-regulated-online-platforms

前半がHinkleで後半がイスラエルのdisinfoについての記事です。HinkleはYouTubeなどからは既に締め出されていて、発言の場はTwitter/Xだけという状態で、デマをまいているのにTwitter/Xはただ放置している、ということです。記事には、本スレッドで見たのよりずっと悪質なHinkleによるデマの事例が紹介されています。ぜひご一読ください。

というわけで、ハッシュタグご参加各位におかれましては、Jackson Hinkleはミュートもしくはブロックしておくのが一番手っ取り早いかと思います。

私が記録しているアーカイヴ は、あくまで記録が目的なので、Hinkleの投稿を訳したものも排除はしないつもりですが、これを情報源とすることはおすすめしません。

既にアーカイヴには「情報操作を意図した偽情報の類も含まれているかもしれません。……保存が目的のため、内容に基づいた取捨選択はしていません。ご利用は各自のご判断でお願いします」という注釈を入れてあります。ご閲覧の方もご注意ください。

なお、注意が必要な「ネット上の著名人」はHinkleだけではありませんが、そこはもう個人の判断です。あと「注意が必要なアカウントがある」ということだけで、ガザについての情報の流れを作ることを躊躇してはなりません。この点は前にもツイートしましたが、これだけ荒れそうなハッシュタグで、おかしな情報がごく少数にとどまっていることは、ご参加の皆さまの経験がものをいっているのだと思います。情報の流れを作り、記録することを続けましょう。

※このセクションは、ここまでは、アーカイヴ12からアーカイヴ19までは毎度毎度入れてありました(改稿して再録)。アーカイヴ12でこのような注意書きを入れるに至った理由は、アーカイヴ11の末尾で説明しています

(繰り返しになりますが)英語圏Twitter/Xは情報の地雷原です!!

ジェノサイド批判のダブルスタンダード

Twitter/Xには、アメリカのやることは批判して、ロシアのやることは批判しない人々がいます。アフガニスタンで米軍が病院を攻撃したときはすさまじい勢いで「戦争犯罪だ」と叫んだのに、ウクライナでロシアが病院を攻撃したときには無視したり、「偽情報だ」と言い張ったり、挙句の果てには報道写真で被害者を見ると「クライシス・アクター(災害、テロ、戦災などの被害者の役を演じる役者)だ」と主張し始めるなどの醜態をさらすような人々です。

パレスチナに関しては、パレスチナに対するイスラエルの暴力は声高に批判するが、同じ性質の暴力がパレスチナ以外の場所で行使されたときに、暴力の主がロシアだったりイランだったりすると、批判しないどころか、暴力が存在することを否認・否定してくる人々がいます。私の見る画面では、シリアの当事者たちがこれに絶望し、怒りとフラストレーションを抱えて発言しています。

また、中東(つまりイスラエル/パレスチナ)に関しては、西洋諸国の反ユダヤ主義や白人優越主義も絡んできます。一方で、21世紀の西洋の「極右」の多くは、イスラエルに(というかシオニストに)親和的な態度を取っています。イングランドのEDLがその代表例ですが、鍵は「反イスラム」にあります。シオニストの「反イスラム」の思想と、欧州等の極右の「反イスラム」の思想が、両者を結び付けています。

反ユダヤ主義の極右ももちろんいますが(米国でのシナゴーグ襲撃事件など)、「極右は反ユダヤ主義者だ」という思い込みは、思い込みとして認識しなおす必要があります。

もちろん、反ユダヤ主義とシオニズムそのもののつながりもあるのですが、その話はここでは割愛します。(簡単に言えば、「自分の国からユダヤ人を追い出したい勢力は、シオニズムを支持」ということですが。)

以上、ざっくりとした説明ですが、ずっと上の方で説明した「ジェノサイド否定(否認)」とも複雑に絡み合ったものです。

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