三国志こばなし集2023年12月号(上)三国時代編

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孔「それは？」 魏「ご自身が賢い事を分かられているから、あれほど堂々と立ち振る舞えるのでしょう？」 孔「…」 劉(魏延。後で反省会な) 魏(え？) 孔「…私は熊猫だったのか」 劉「臥龍だろ？」 熊「ZZZ…」 劉「寝ちまった」 孔「私も臥龍ではなく臥熊猫だったら…」 魏「ただの無職では？」 孔「」

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劉備…すっかり熊猫が相棒になってしまった。魏延の無自覚な煽りにヒヤヒヤ。 孔明…魏延の発言で日々の立ち振る舞いに迷いが出始めた。 魏延…褒めたつもりだったのですがなあ… 熊猫…あざと可愛い大人気動物。益州にて名付け親を募集中。

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孫権「張休。お前が私の狩猟を諌めんとした上訴は誠に見事だった」 張休「…」 孫「お前の親父が感嘆するほどだったからな」 張「…しかし」 孫「ん？」 張「その狩装束は一体何故です？」 孫「お前の上訴文は見事である」 張「…」 孫「だが、それはそれとして狩猟を止めるわけにはいかないだろう？」

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張「…父上が常日頃家で不機嫌になられるお気持ちがよく分かりました」 張昭「わしはあの主君に仕えて何年になると思う？」 休「よくぞこの齢まで生きておられると思うほどです」 昭「まだまだ死なんぞ、死んでなるものか」 休「…殿より長生きはしませんよね？」 昭「するに決まっておるだろうが！」

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休「殿！」 孫「夕方までに帰ってきたからいいではないか」 休「父上は殿より長生きする気満々でございます！」 孫「なに!?」 休「私は殿が父上を怒らせる事で父上の寿命が伸びているのではないかと愚行いたします」 孫「大いにあり得る…」 休「ご臨終の際、父上に看取られて」 孫「たまるものか！」

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孫権…張昭より絶対先に死なないため、張昭の仕事を肩代わりするほど精力的に取り組み始めた。 張休…父の生き甲斐が主君を怒る事になっている事態をゆゆしく思った末の優しい嘘である… 張昭…最近殿がわしに優しくて心配でならぬ…

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孫権「何をしている練練たち？」 歩練師「お人形遊びです」 孫魯班「父上もやろう！」 孫魯育「うん！」 権「可愛い動物の人形だな！」 班「私は虎のお姉ちゃん！」 育「私は虎の妹！」 歩「私が虎のお母さんで」 権「もちろん私は」 班「ハイエナの父上！」 権「!?」 育「虎の父上は無いのよ？」

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権「…ハイエナの父とは」 歩「何か思い出してません？」 権「他の人形はないか？」 班「鶏のお爺ちゃんとか」 権「素晴らしい！」 育「駝鳥のおじさんとかあるよ」 権「一体誰がこんな含みのある人形を作ったのだ」 班「ハイエナの父上！お酒を飲みすぎてはいけません！」 歩「その通り！」 権「…」

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育「鶏のお爺ちゃんを食べちゃ駄目でしょ！」 権「あんな老いぼれた鶏など食う気もせん」 班「ツンツン！ツンツン！」 権「おのれ駝鳥のおっさん！今日こそ貴様を食い殺してくれよう！」 班「逃げろ〜！」 育「なりませんハイエナの父上！」 権「…この人形は？」 育「イケメンの男の子！」 歩「まあ」

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孫権…製造元を調べて問い詰めてくれる！ 歩練師…イケメン四天王は中々売ってませんものね。 孫魯班…虎のお姉ちゃんで驢馬の男の子を蹴散らした。 孫魯育…飛頭蛮の女の子の人形が怖くて泣いてしまった。

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張飛「益州は曇りが多いよな」 趙雲「晴れの日が珍しいくらいだ」 兵「将軍！とんでもない骨が埋もれてました！」 張「ああ？」 趙「どういう意味だ？」 兵「現場にご案内します！」 張「面白そうじゃねえか」 趙「案内してくれ」 兵「こちらです！」 張「なんだこりゃ！」 趙「…これは、頭骨か？」

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兵「見たことない生き物の骨です！」 兵「まだまだこの辺りを掘ると出てくるのではないかと」 張「面白え！俺たちも掘ってみようぜ」 趙「よし！」 張「…こりゃ歯か？」 趙「なんという大きさだ」 張「歯というか、牙だな」 趙「どれほど巨大な顎をしていたんだ？」 張「こいつは竜じゃねえかな…」

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趙「なるほど…」 兵「竜って本当にいたってことですか!?」 張「そうとしか思えねえ面構えだろ？」 兵「それにしても恐ろしい顔ですね…」 張「恐竜だな！」 趙「なるほど！恐竜か！」 兵「空を飛んでたんですかね！」 張「飛べるやつもいたんじゃねえか？」 趙「古来に竜は本当に生きていたのか…」

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張飛…牙の鋭さが気に入ってペンダントにしている。 趙雲…頭骨を持ち帰ってみたら孔明が興味津々。

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鍾繇「韋誕が蔡邕殿の書を持っているだと！」 荀攸「しかし彼も兄の韋康殿も涼州で勤めているだろう？」 鍾「欲しい！何としてもその書が欲しいぞ公達！」 荀「…君は書が絡むと何をしでかすか分からん男になるからなぁ」 王粲「蔡邕様？」 鍾「王粲？」 王「私は蔡邕様の蔵書を預かっておりますよ？」

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鍾「見せろ！見せてくれ！一刻も早く！」 荀「ドラミングするな…」 王(鍾繇殿ってこんなゴリラみたいな人だったんだ) 王「こちらに」 鍾「うおお！」 荀「書庫では静かにしろ」 鍾「王粲！書物しかないではないか」 王「…そう申し上げましたが」 鍾「違う！蔡邕殿の書かれた文字は残ってないか？」

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王「蔡邕様は書物に書き込みする輩が大嫌いでして」 鍾「なに!?」 王「古書に線を引く者や頁を曲げる者を董卓に摘発するほどだったと」 荀(そこまで…) 鍾「蔵書ではない！蔡邕殿の書いた字だ！」 王「…字なんて読めればいいじゃないですか」 鍾「うおおおおお！！」 荀「ドラミングをやめろ元常！」

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鍾繇…書道に携わるとエキセントリックな男に変貌する。山椒を過剰摂取し胸をドラミングしまくってしこたま吐血した。 荀攸…こいつに私の策の記録を任せて大丈夫だろうか… 王粲…ゴリラのドラミングはグーではなくパーですよ。

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張郃「錦馬超との戦になったか」 徐晃「張郃」 張「なにか？」 徐「前々から思っていたのだが、貴殿の装いは派手ではないか？」 張「おっしゃる通りです」 徐「意図があるならば聞かせてもらえぬかな」 張「戦は、美しい」 徐「ん？」 張「袁紹殿の言われていた事なのですがな」 徐「まるで分からん」

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張「戦など所詮人と人の殺し合いでしかありません」 徐「それはそうだが…」 張「しかし袁紹殿は、そのような人の姿こそ美しいのだと呟かれた事がございましてな」 徐「私には理解できぬぞ、張郃」 張「人はいつか死ぬならば、せめて美しく死にたいとの想いがあったのではないかと私は考えております」

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徐「いかに袁紹が人の生死を軽んじる男だったのかがよく分かった」 張「それは？」 徐「死とは終わりだ」 張「…」 徐「美しい身なりの帝だろうが、襤褸を纏った流民だろうが、死ねば同じよ」 張「…」 徐「人一人死ぬ事の重みと軽さを知らぬ男の物言いとしか、私には思えない」 張「…考えてみます」

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張郃…錦馬超らの装いの美しさを知って、負けじと装束を美しく着飾った所だったのだが… 徐晃…戦場で死ぬ男の装束の美しさになんの意味がある？

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曹操「劉備よ」 劉備「へえ」 曹「私には錚々たる顔ぶれの家臣がいる事は分かっていると思うのだがな」 劉「でしょうなあ」 曹「お前の家臣の中で、私の家臣には絶対にいないであろう者はおらぬか？」 劉「いますね」 曹「なに？」 劉「あんたらの部下みたいにお行儀良くて学問もできねえ男だけどな」

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簡雍「なんで俺が大将と曹操の酒のご相伴なんだよ！」 劉「気にすんな」 簡「気にするっての！」 曹操「そなたが劉備の家臣で私の部下で絶対いないという？」 劉「挨拶しな」 簡「…簡雍。字を憲和です。大将とは昔からの腐れ縁でさ」 曹「私の腐れ縁なら元譲や妙才かな」 簡「そんなできねえって！」

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曹「簡雍は劉備殿の何なのかな？」 簡「腐れ縁でしかねえですよ…」 劉「あんたの部下でよ？」 曹「ん？」 劉「民草の文句をてめえで宥めに行ったり、一緒に飲み屋で潰れてたり、はたまた俺が王になろうと落ちぶれようと絶対一緒にいてくれる相棒っているかい？」 曹「ふむ」 簡「どうでもいいだろ？」