前提知識ない世代向けの、エルフやドワーフの”簡単・ざっくり”解説~「フリーレン」「ダンジョン飯」等を機に

本当に「簡単」「ざっくり」かどうかは、読者が判断してください(笑)。これに反響多数
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ダテナオト@『イラスト解体新書』29刷 好評発売中! @datenaoto2012

葬送のフリーレンの話から10代~20代でなろう作品等でファンタジーに触れているものの前提知識がない生徒に簡単な解説をしたので共有。 本当に分からない人に向けて説明したのでだいぶ大雑把でかなり飛躍しているところはあるので悪しからず。 まずエルフ、ドワーフの起源は北欧神話。 エルフは光の妖精、ドワーフは地下の妖精とされる。 エルフは容姿端麗、長寿、知的、魔法に精通しているが、イタズラ好きの側面を持っているとされる。 ドワーフは髭をたくわえた小人で、頑なな性格、腕力が強く、地下に住み、金属細工を得意としているとされる。 ここから中世になるとエルフは二つに分かれる。 ひとつは人間サイズで蝶の羽が生えたタイプと鳥サイズで昆虫の羽が生えた人型タイプ。 前者はFGOの妖精王オベロンが正にそのもので鳥サイズのはピーターパンのティンカーベルとかベルセルクのパックが有名。 別名フェアリーと称される。 (この辺も例え話として伝わらない場合が多く説明が難しい) 中世でのエルフは「不吉なものの象徴」とされ、例えば「エルフショット」は突然死、「エルフの夢」は悪夢と訳されていた。 日本だと「たぬきの仕業」とか「天狗の仕業」とかに近いかな。 古く日本で翻訳された童話集などでは単に「妖精」とか「小人」とだけ書かれていることが多く、エルフもドワーフもノームもあまり区別されてなかったようだ。 そこから初版は1954年、日本では1972年に翻訳された「ロード・オブ・ザ・リング(邦題:指輪物語)」にエルフ、ドワーフ、ホビットが一つの作品として出てきてその後のファンタジーの基礎となる。 映画版は2001年。 ファンタジーによく登場するモンスター「オーク」はエルフが悪い神によって魔改造されたのも。エルフ語で「イルフ」と呼ばれる。 現代のエルフが森に住んでたり緑の衣装を着ているのも指輪物語が源流。 指輪物語においてエルフは「葉っぱのような耳」と表現され、耳先が尖った容姿になっている。 ドワーフは北欧神話同様に髭をたくわえ、小柄で筋肉質、高い筋力と鍛冶仕事を得意とし、地下に住んでいる。 エルフとドワーフは犬猿の仲。 その後指輪物語を継承してテーブルトークRPGゲーム「ダンジョンズ&ドラゴンズ(D&D)」が1970年代に出現し、当時の若者に広く普及した。 最近だとネトフリドラマ「ストレンジャーシングス」でも主人公達がD&Dをプレイしているのが観てとれる。 因みに当時の親世代からは「悪魔の遊び」「神を冒涜する遊び」という風潮があったらしい。 その他にPCゲーム「ウィザードリィ」の存在も大きい。 脱線だが、「ダンジョン飯」はウィザードリィのオマージュ的作品と思われる。 日本ではD&Dのゲームプレイ記録(リプレイ)を小説化した「ロードス島戦記(1988~)」が発売され、日本においてファンタジー人気の火付け役となった。 特に作中に登場するエルフのヒロイン「ディードリット」は凄まじい人気があった。 これ以降本作が日本ファンタジーの基礎となる。 エルフの耳が今のように長い(笹耳やロバ耳と呼ばれている)のはロードス島戦記によるもの。(初出は「エルフ17」であるともされるが決定打はロードス島戦記と考えて良い) (耳の形にはカルト的人気作品「ダーククリスタル」に登場するゲルフリン族の耳が影響している) D&D人気により日本製テーブルトークRPG「ソード・ワールド」が誕生、KADOKAWAから刊行されていた雑誌「ドラゴンマガジン」では多くのファンタジー作品が作られた。 これによりファンタジー人気がさらに加速し、様々な作品を経て今のなろう系に引き継がれている。 この辺が主にファンタジー、エルフ、ドワーフに関する歴史。 勇者ヒンメル一行のパーティ編成が勇者、戦士、魔法使い、僧侶なのも大体D&Dやロードス島戦記、ソード・ワールドが影響している。 「勇者」とはファンタジーテレビゲーム(RPG)内における主人公の役所であることが多く、代表作は「ドラゴンクエスト」のロトの勇者。 モンスターや魔族を統べる「魔王」を討伐する役割として勇者が存在している。 出自は場合によって王子であったり、庶民であったりと様々ではあるが、多くは王様から任命される形で勇者を名乗ることが多い。 言うなれば勇者とは「魔王討伐パーティの発起人」であり、「正義のヒーロー」だと思って貰って良い。 僧侶ハイターが酒飲みなのはソード・ワールド辺りの影響が大きいと思う。 (当時のTRPGでは僧侶はスケベだったり大酒飲みの僧侶が多かった) 因みに近年巨乳でムッチリしたエルフや、おっとりしたエルフの存在は「ゼロの使い魔-三美姫の輪舞-(2008)」のティファニアの存在が大きい。

2024-01-04 05:10:15
ダテナオト@『イラスト解体新書』29刷 好評発売中! @datenaoto2012

二次元絵の講師をしてます オンラインサロン「ダテ式お絵かきゼミ」開講中 神奈川県茅ヶ崎市でオフライン教室開設中 株)マイナビ出版様より著作多数 公式HP→datenaoto.net 著作→u0u1.net/7bqw Pixiv→is.gd/pvNaOl 真海で検索して来た方→urx.blue/h3SW

datenaoto.net

ダテナオト@『イラスト解体新書』29刷 好評発売中! @datenaoto2012

本当にざっくりとした説明ではあるけれど、多分基礎知識を知らない生徒にとってはこれでも説明過多なんだろうなとは思う。 ある時期からファンタジーの継承が世代間で行われなかったのでかなり形骸化していると思う。 そういう意味ではなろう系は継承を担っているとも言える。 近年の作品で往年のファンタジーを割としっかり継承してるのは「ゴブリンスレイヤー」「ダンジョン飯」「葬送のフリーレン」辺りかな、と。 そもそも異世界出身の主人公が少ないし、最近のファンタジーには「スキル」や「ステータス」といったゲームシステムが組み込まれているものが多く、そういう意味では往年のファンタジーとは違うものになってしまっている。

2024-01-04 05:11:00
ダテナオト@『イラスト解体新書』29刷 好評発売中! @datenaoto2012

いろいろ指摘を頂いてますが、無論ピロテースが巨乳(ダーク)エルフの始祖であることやアーシェス・ネイもその系統であることは分かってますが、それはあくまでダークエルフの話。 ハイエルフはまた別です。 また、「エルフの若奥様」の件も分かってますが、若者に説明するには過度な説明すぎると廃しています。 何もすべてを伝えるのが目的ではなく、あくまでも「大まかな」解説として伝えるのが目的なのです。 本当にすべてを伝えようと思うととても規定の時間内には収まらず、おそらく理解が追いつかない事態になると感じ省いたまでなんです。 ダンジョンズアンドトロールズもエルダースクロールゲームブックもあえて廃して説明しています。 その辺はツイートでもあくまでもおおまかな、飛躍した解説と事前に前置きしておりますのであしからず。

2024-01-05 00:12:58
YBF @YNMLBF

ついでだから魔女の一撃(ぎっくり腰)とかも(ry twitter.com/datenaoto2012/…

2024-01-04 05:42:36
薙原(なぎはら) @nagihara21

日本の創作におけるエルフ・ドワーフについての歴史をざっくり解説されている。 自分くらいの年齢層なら既知な事も多いけど、ロードスが元々TRPGのリプレイだったのは知らんかったな🙂 twitter.com/datenaoto2012/…

2024-01-04 07:41:07
Joe @joe_tokyo

フェアリーテイルあたりのエルフとドワーフの理解や説明には疑義がある内容でツッコミどころは多いが、指輪物語以降は概ねその通りかな。 なおナイスバディなエルフはロードスのピロテースあたりのビジュアルからだと思う。 それにエルフとドワーフの不仲は、北欧神話のエルフが光の妖精でドワーフが闇の妖精だったという設定が起因のはず。 本当にわからないひと向けの説明としては情報過多すぎるし本質ではない気がする。 日本人が日本の童話や神話を文化として理解するのと同じプロセスが指輪物語以前の考察または指輪物語に至る設定の理解には必要で、今のアニメやゲームコンテンツの理解なら指輪物語以降、もしかしたら日本に限って言えばロードス島戦記以降で十分ではないかなぁ。

2024-01-04 09:02:41
あほうどり @Phoalbatrus

ふと思ったが、「ダークエルフ(という表象)」がごっそり無いの興味深い twitter.com/datenaoto2012/…

2024-01-04 09:04:30
スイカ羊☆規制用 @borometz0705

確かに今は、妖精、精霊、魔物などの一大変革が起こっているんですよね この手の「魔物のデザインの大きな変革期」は中世にもあったらしいです ↓ 【№62 / 怪奇】怪物の書 リベル・モンストロム youtu.be/0IIDzcN4OT0?si… 今はそれがワールドワイドにかつ大規模になってるんスねぇ・・・ ꒰๑;°ヮ°꒱ twitter.com/datenaoto2012/…

2024-01-04 09:15:28
まとめ 「RPGエルフ像」の歴史についての個人的な覚え書き ここでの「エルフ」はRPGのプレイアブル種族とそれを基にしたメディアでのエルフを指します。古くてD&Dまでとし指輪物語や古典伝承は対象外とします。 17297 pv 103 2 users
まとめ エルフ耳のかたち 〜トールキン、D&D、西欧と日本 【要約】エルフ耳の日米の差 西欧:「尖っている」。結果的に長く見えることがある。人間の耳ベースで尖るので、上方向に延びる。 日本:それを見て「長い」と認識し、変異クローン。長いので、頭の横に長く突き出る。 4171 pv 7
まとめ エルフのイメージや設定の変化について 「エルフはもともと耳が尖ってはいない(※単純な尖りは前例があり「長く尖る」形のことだそうです)」「出渕さんが考案した。日本発祥」ということは聞いていたけど、それ以上は知らないので、まとめてみました。「山本貴嗣」先生のことも。 66858 pv 264 35 users 84
まとめ 創作にオススメ! 人型ファンタジー生物の設定まとめ-うちのファンタジー世界の考察 TRPG雑誌『Roll&Roll』で連載中の「うちのファンタジー世界の考察」シリーズから、人型ファンタジー生物について考察された記事ツイートをまとめました。 TRPGプレイヤー・創作者におすすめ! 8654 pv 16 1 user 51
まとめ エルフ耳キャラで思い出すのは誰? 思いつきで緩募してみたエルフ耳にリプライが割と付いたので、まとめて見ました。 注意:ツイートの「同じく」は、ディードリットで換算しています。 11341 pv 5
まとめ ダークエルフの起源 指輪物語に「闇のエルフ」という人たちが出てくるのですが、別に黒くもないし邪悪な存在でもありません。 が、後に出てくる「ダークエルフ」というのはいつから邪悪な存在になったんだろう。 ということで大将が解説してくれました。 35697 pv 76 42 users 1
灰色 熊雄 @graybear_namo

@datenaoto2012 失礼します ハリーポッターの映画を英語版で見ていたらドビーみたいな「屋敷しもべ妖精」は英語で「ELF」となっていました 耳も長いしこれが英語文化圏の人が考えるエルフの姿みたいですね

2024-01-05 04:54:11
ダテナオト@『イラスト解体新書』29刷 好評発売中! @datenaoto2012

@graybear_namo ドビーは正式には「ハウスエルフ」と言うそうです。 妖精系エルフの系統みたいですね〜。 おそらく民間伝承からの派生した使い魔としてのエルフなのでしょう。

2024-01-05 08:41:17
荻久保 庄次郎 @Showt6x

@datenaoto2012 う~ん。脳内で情報が整理されていく音が聞こえます。1つ1つの情報は知っているものの、これが綺麗に体系立てて説明されるとまた気持ちが良いですね。

2024-01-05 11:59:25
なお兄(お椎) @brothernaoto

@datenaoto2012 いわゆる「冒険者」にモラルに欠いた僧侶が多いのは、まっとうな僧侶であれば旅に出たりしない、というのが大きいですよね。(上からの指示で勇者のサポートについたり、自分の宗派を広めるために旅する真面目な僧侶というパターンもありますが)

2024-01-04 12:35:57
Asuto Furuhashi @AsutoF

@datenaoto2012 ヒンメル一行のパーティ構成についてはドラゴンクエストⅢの基本のパーティ構成の影響が強い気がします 幼少期に何故か当たり前としていた勇者戦士(or武闘家)魔法使い僧侶の構成にそれらの作品の影響がないとは言いませんが

2024-01-04 10:15:12
Altina @altina27195297

@datenaoto2012 ???「だってさ、はとこ」 ???「種族に歴史ありだな、はとこの子よ」

2024-01-04 14:46:29
ヨシダ・サンチ工ス @Sanchez_bike

@datenaoto2012 80年代にファンタジー世界観が日本で広まっていった点については、『火吹山の魔法使い』を始めとするゲームブックの役割も大きかったように思います。

2024-01-05 00:46:37
KK@ヘッポコ @Kz_K

@datenaoto2012 @johneyk ダウトー! むっちりエルフ、おっとりエルフは2000年代初頭あたりにはけっこういる。 むっちりはダーク限定だがロードス島戦記が起源という説が濃厚。

2024-01-04 21:08:52
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