東北大助教、堀田氏(QEnergyTeleport)のツイート

主に量子力学の話について、堀田さんの何度もの連続ツイートをまとめたもの。最初から最後まで繋がっているわけでは全然ないので、飛ばし読みして面白い部分を探してもOKです。 他の人との会話もあったのですが、相手の発言も拾わなければ分からないものは省きました。当初は誰でも編集可能にしていましたが、堀田さんのツイートは追加できない(はずな)ので、停止しました。
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@QEnergyTeleport

哲学者がよく、サールの中国語の部屋(http://t.co/JKeJWimS )の思考実験を持ち出すけど、個人的にはピンとこない。この議論からは、むしろ、意識はいろいろな機構でも発生するとも、見えてしまう。

2012-02-01 08:01:45
@QEnergyTeleport

強いAIである「究極超人あ~る田中一郎」の内部が、中国語の部屋とあまり変わらなくても、外部からは意識のある存在と区別がない。また内部を公開されたとしても、それで機械が意識を持たない事実が証明されるわけではない、思う。

2012-02-01 08:04:00
@QEnergyTeleport

自由意思を持った複数の人間が宇宙に出現して、測定方法を設計して情報を集めるようことが起きても、なんら矛盾や破綻が起きないような量子力学という体系を自然が備えていた、というのが、むしろ驚くべき点かもしれない。同時に、自然法則が人間を生みだす根源だから、それは当たり前だとも見えるが。

2012-02-01 08:09:25
@QEnergyTeleport

多世界解釈支持の方へ。時刻tの宇宙全体の波動関数Ψ(t)が与えられた時、以下の問題を答えて下さい。(但しΨ(t)は任意の一般的な状態であり、特定の基底ベクトルで展開されていない形です。)Ψ(t)から、誰が何の物理量をどのように測ってどのような確率分布を得るのかを求めてみて下さい。

2012-02-01 19:07:13
@QEnergyTeleport

この多世界解釈にとって基本的と思える演習問題を、きちんと答える方にまだ会ったことがないので。論理的に納得のいく方法で答えて頂ければ、自分のこれまでの多世界解釈の理解が足らなかったことが分かる。これを期待。

2012-02-01 19:10:54
@QEnergyTeleport

しかしこの問で要求されている解を、原理的なレベルですら、答えられない多世界解釈の支持者がいれば、多分その方は自分できちんと多世界解釈を理解していない方。

2012-02-01 19:12:26

2月2日

@QEnergyTeleport

コペンハーゲン解釈と多世界解釈で、線形重ね合わせ状態の各成分間の干渉をなくす部分の理解は全く異なる。コペンハーゲン解釈では、理想測定に関して公理の中に入っていることだし、系外部の測定機械の設定がデコヒーレンスを起こすpreferred pointer basisの選択に直結。

2012-02-02 05:18:55
@QEnergyTeleport

東大の清水さんも述べているように、多世界解釈では、重ね合わせ状態の間の干渉効果が消えるように見えることを「仮定」する。でもこれは公理扱いではなく、導く内容と多世界解釈では見なされる。なお干渉が無くなるように見えるのは内部測定者にとってだけであり、宇宙全体の波動関数は収縮しない。

2012-02-02 05:23:08
@QEnergyTeleport

ズーレック等は、系のダイナミクスにより自発的なデコヒーレンスが起こり、preferred pointer basisというのが観測する内部で発生して、観測対象自身が測定をしていることに対応する理論を構築しようよしているが、これも完成された理論ではない。

2012-02-02 05:25:47
@QEnergyTeleport

干渉の無くなった様々な宇宙の候補から1つの状態を選ぶのは、特定の測定者。コペンハーゲン解釈では、それは単に公理の一部。一方、多世界解釈では、その測定者も観測される側の物理的自由度なので、なぜその測定者が特定の基底ベクトルで展開された、ある宇宙の1つを状態を選ぶのかが、問われる。

2012-02-02 05:29:14
@QEnergyTeleport

多世界解釈は観測者自身も観測対象に取り込んでしまうので、波動関数の収縮はなくとも、コペンハーゲン解釈より大きな難問に答えなくてはいけなくなった。

2012-02-02 05:33:54
@QEnergyTeleport

その原理的解答がまだ存在しないため、宇宙全体のただ1つの波動関数Ψ(t)が与えられても、多世界解釈では、誰がどんな物理量を測定し確率解釈をしたのを、現在明確に計算できない。つまりまだ理論というより、思想レベルの話。

2012-02-02 05:34:52
@QEnergyTeleport

多世界解釈がコペンハーゲン解釈と同等で、しかも波動関数の収縮を追い出してすっきりしたという感想は、やはり的外れであろう。

2012-02-02 05:37:15
@QEnergyTeleport

コペンハーゲン解釈でも、ある測定者Aを観測対象に取り込んで、それを観測する第2の観測者Bを設定することは、可能。Aの脳がスピンz成分を測定しようとしている状態と、スピンx成分を測定しようとしている状態の、線形重ね合わせ状態も存在する。

2012-02-02 05:56:33
@QEnergyTeleport

その場合でもシュレーディンガーの猫と同様に、原理的に干渉効果は測定可能。では現実的になぜAの脳がどちらかの状態にあることしか、Bは観測しないのか。それはBの測定技術の能力限界で決まる。Aの脳の状態の干渉効果を測定するために、Bは圧倒的多数の原子、分子の測定を大局的に行う技術が必要

2012-02-02 05:59:37
@QEnergyTeleport

干渉効果を実験で見るというのは、どのような基底ベクトルで波動関数を展開してその成分を測れるかという、現実のテクノロジーの限界で決まっている。コペンハーゲン解釈では、公理に入っている測定者の技量次第で、なんでも測定できる前提。多世界解釈では、そのあたりも、あいまいなまま。

2012-02-02 06:03:54
@QEnergyTeleport

宇宙全体の波動関数が純粋状態のまま時間発展しながら、どの基底ベクトルの各成分が選択されて"実現"するか、をきちんと理由づけすることが、多世界解釈で成されていないのは、大きな問題。コペンハーゲン解釈と違って、測定行為は公理ではないのだから、合理的説明が必要とされるのだ。

2012-02-02 06:07:35
@QEnergyTeleport

多世界解釈は、波動関数の収縮を放棄したから、全く線形な世界。にもかかわらず、観測される対象にもなってしまった観測者が、特定の世界をピックアップするということを説明するのは、大変困難になったとみるのが、自然であろう。

2012-02-02 09:15:49
@QEnergyTeleport

多世界解釈では、波動関数の線形性しかないのに、何故特定の基底ベクトルだけで、解釈するのかの説明が必要。別な基底ベクトルによる展開で解釈してはいけない、合理的理由も要求されている。

2012-02-02 09:17:05
@QEnergyTeleport

ながながと多世界解釈のつぶやきをしているが、これは世間で余りに名前だけ浸透して、シュレーディンガーの猫と同様に、文系分野でミステリー扱いされ、疑似科学化している部分もあるため。またコペンハーゲン解釈と同等と言われながら、結局あやふやな話しかされていない現状を知ってもらうため。

2012-02-02 09:20:21
@QEnergyTeleport

数学の確率論、統計学、情報理論は、最低限人間の意識の存在を前提にしてこそ意味があり、役立つ学問。コペンハーゲン解釈の量子力学も、情報理論の一種であり、自由意思をもつ能動的な測定者があってこそ、意味のある理論というのが、自分の立場。公理に測定者の存在が入っているのは、当たり前。

2012-02-02 15:19:35

2月3日

@QEnergyTeleport

量子力学の波動関数は、測定時に物理的自然現象として収縮するものではない。測定結果の知識を得たことで、観測者が自分の記憶の中の波動関数を、自分で意識的に書きかえて更新する作業があるだけ。

2012-02-03 05:28:22
@QEnergyTeleport

量子系の測定後の状態は必ず測った物理量の固有状態にあると思う人は、量子測定をもっと知って欲しい。それは理想測定の場合だけ。コペンハーゲン解釈の公理の中に理想測定は入っているが、それ以外の多様な測定もある。測定結果から測定後状態を知るには、測定機の設定を詳しく知っておく必要あり。

2012-02-03 05:56:20
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