教員養成のいま

免許状主義による教員養成はいま「制度疲労」になりつつあります。獲得されるべき資質が必ずしも保証されていません。これをどう変えていったらいいか。教員養成の教育の実際の質、その中でもアカデミックスとプラクティショナーとの協働の決定的意義について論じています。
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村山紀昭 @muranori7

今日本の教員養成で決定的に重要なのは、アカデミックスとプラクティショナーとが手を結ぶことです。互いに無視、蔑視している時ではありません。互いに少し謙虚になれば、学び合うことは無数にあると思います。修士レベル化で、それが少しでも前進すればと痛切に願っています。

2012-03-11 01:01:15
村山紀昭 @muranori7

これは大きな問題です。戦後ずっと「免許状主義」でやってきました。つまり国公私にかかわらず大学で一定のコースを取れば免許が取れるとしてきたのです。RT @k1satok1:どのような要件を満たせば教員免許をもらえるのか。 実は、それは、自動車の運転免許ほどの明確な基準がない。

2012-03-10 23:55:40
村山紀昭 @muranori7

免許状主義主義は戦前の閉鎖的な免許に代わって、広く免許を開放しました。しかしその弊害も近年強くなってきているのです。免許取得者と実際に採用される人とが大幅に違ってきているのです。大ざっぱに言って取得者は17万人、採用者は4万人くらい。これは高度成長期の大学増に伴っています。

2012-03-10 23:59:21
村山紀昭 @muranori7

つまり、多くの新設私大など教員免許が取れることが、学生集めの大事な手段になっているのです。このことと、教職課程の、単位の集合による認定。免許法上の単位の指定はありますが、それによりどういう資質能力が必須であるかは示されていません。

2012-03-11 00:02:30
村山紀昭 @muranori7

でも法人化前後から国立教員養成大学学部では、教職基準を独自に立てる動きが拡がっています。「教職スタンダード」とか「教職チェックリスト」など。4年間を通した学校現場への関わり、補習などのボランティアも多くの大学で行われています。しかし一般学部では相変わらず最小の免許法指定取得です。

2012-03-11 00:12:54
村山紀昭 @muranori7

そこでようやくできたのが、近く始まる18年答申の「教職実践演習」です。でもその中身は各大学任せですし、トータルに教職の必須基準をチェックするものになるかどうか疑問も残ります。たった2単位ですし。

2012-03-11 01:03:31
村山紀昭 @muranori7

要するに教職課程での単位の寄せ集めによる免許取得というのが、各大学の努力に拘わらず制度疲労になっていると言えます。だからといって国家試験化は資質の底上げに有効ではありません。開放制も簡単に廃止はできません。さてどうするか?難問です。ここがロドスだ、ここで飛べ、です。

2012-03-11 01:08:34
村山紀昭 @muranori7

免許状主義を維持しながら質保証をどう徹底できるか。思案のしどころ。いずれ中教審で一定の方向付けが出るでしょう。でも、いくら制度的に質保障を唱えても、実際に教員養成をやるのは個々の大学です。で、大学の教員自身の姿勢、質、教育力が問われます。制度と大学教育の内実の双方を問うべきです。

2012-03-11 00:23:06
村山紀昭 @muranori7

免許単位を増やしたり厳しくしたり、欧米に一部ある「専門職基準」を導入したりは簡単です。でも、どういう教師の資質をどのように大学で確実に形成すべきかについての一定の共通理解とそのための実際の教育内実がなければ、課題は全うされません。丸山ではありませんが制度をつくる精神が大事です。

2012-03-11 00:29:14
村山紀昭 @muranori7

それと大事なことは、大学の養成と採用、研修とを一体的に変えることです。学校や教委は大学の養成に不信、大学は採用後の資質に無関心、ではダメです。初任研をいくらやっても、入ってくる若者は大学で年々養成された連中です。蛇口をいくら絞っても、元々の水がちゃんとしていなければ徒労です。

2012-03-11 00:35:46
村山紀昭 @muranori7

そのポイントにあるのが、アカデミックスとプラクティショナーとの本気の協働です。これなしにはどんな制度いじりも空無です。そしてそれはいまようやく教職大学院などで始まったばかりなのです。これが成就しなければ日本の教員養成の未来はないとまで言えます。

2012-03-11 00:31:48
村山紀昭 @muranori7

教師の資質について誰が悪いの議論は不毛です。問題の所在を大きなパースペクティブで透察したいものです。その上で少しでも解決の方向に向けて手を結び合いましょう。大量退職、採用時代の今それをやらなければ日本の教育は変わりません。しかし未曾有の財政難の今、事は簡単ではありません。

2012-03-11 00:40:36