「低線量被曝と向き合う:チェルノブイリからの教訓」メモ

「低線量被曝と向き合う:チェルノブイリからの教訓」 講演の資料に載っていない部分のメモです。(4/7 札幌講演) ・会場で販売される資料集には、資料と概要がほぼ記載されています。(札幌講演ではそうでした) 全国講演が進むうちに、講演のメイン部分や資料もどなたかがまとめられるはず…。 気が付いた分は、また追加で載せるつもりです。 続きを読む
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 《 被曝した両親から生まれた子ども 》


《 被曝した両親から生まれた子どもの特徴 》

●恒常的に高い罹患率:
 罹患率は最近5年間でウクライナのデータ(1032.09-1335.83%)を上回り、
 1426.78-1587.40%となっている。

●ウクライナでは、被曝していない子も健康状態が良くない。
健康な子どもは、全体の18.61~25%以下。
被曝した両親から生まれた子どもで健康な子は、5.0-9.2%。


・ウクライナの国家登録簿:
 1986年に事故処理作業員から生まれた子どもが13136人記載
されており、
 そのうち1190人の子どもが先天性発達生涯と登録されている。
 (1000人当たり90.6人)

・先天性発達生涯が最も多いのは、事故直後に生まれた子どもである。
 父親が放射能環境から離れて時間がたつにつれ、
 先天性発達生涯をもつ子どもの数は減少した。

(・グラフ:1986年の事故処理作業員から生まれた子どもに
 見られる先天性発達障害頻度 %)


●分子遺伝学研究で下記の事項が明らかになった:
・チェルノブイリ原発事故後に、事故処理作業員家庭に生まれた子どもは
父親が事故処理作業に参加する前に生まれた兄姉と比較して、
DNAのマイクロサテライト部分に突然変異の増加が見られた。

(*一般の2.6倍、*イスラエルの学者と共同研究)
(写真:DNAの異常部分を示す写真)


●結論:
・被災者の子どもの健康状態には、かなりネガティブな傾向が認められる。
・健康状態が最も悪いのは、甲状腺に高い被曝線量をもつ未成年者であることが
 確認された。
・年齢が低いほど慢性疾患が確認された。
 同時に複数の病気にかかりやすく、治療しても治りにくく、再発率が高い。

・体内被曝をした子どもには、健康異常、身体発達異常、身体の染色体異常が
 高い頻度でみられる。
 染色体異常と体内被曝線量には相関関係があることが明らかになった。
・被曝した両親からチェルノブイリ事故後に生まれた子どもには、
 遺伝子に影響をうける可能性があると、データから推測できる。


 「福島原発事故は、子どもの健康に悪い影響を与えるだろうか?」
         ●事故の比較(表):
  レベル     7          7
  ヨウ素131  1.8x10^18Bq   1.5x10^17Bq 
  137Cs    8.6x10^16Bq   1.2x10^16Bq
  被ばく線量  85-95%      状況不明


・チェルノブイリ原発と福島第一原発の事故は、レベル7と評価され、放射能大事故に相当する。
福島第一原発事故で、環境に放出された放射性核種のヨウ素131、137Csは
チェルノブイリ事故よりも若干少ないが、両者は比較しうるものである。
・したがって、日本の子どもたちの健康への影響は、チェルノブイリの子どもたちに観察されたと同じようなものでありうる。
したがって子どもたちを放射線リスクを負っているとみなすべきで、
幼年期の後も常に医学観察の元におかれるべきである。
その目的は健康障害の予防と早期発見にある。


地図:137Csによる積算汚染状況(グローバル+チェルノブイリ:kBq/m2)


・地図:文部科学省による、福島県西部の航空機モニタリングの測定結果について
(福島県内の地表面への137Cs、134Csの沈着量の合計)


・地図:文部科学省による福島県西部の航空機モニタリングの測定結果について
(福島県内の地表面への134Cs、137Csの沈着量の合計)


 「 チェルノブイリの教訓 」①~⑨  


so sora @sosorasora3

http://t.co/r898Oj3J  「チェルノブイリの教訓」 ①~⑨      #チェルノ教訓

2012-04-20 22:21:54
so sora @sosorasora3

① チェルノブイリと福島第一原発事故は、原子力発電ではもっとも起こりえないとされた事故でさえ起こりうることを示した。国家は事故にそなえて、対応措置を高度なレベルで準備し、常に対応措置がとれるように、体勢を整えておかなければならないことを証明している。  #チェルノ教訓

2012-04-20 22:23:33
so sora @sosorasora3

② チェルノブイリ事故が大事故であると、認識するのが遅かったこと。 また住民と環境への、深刻な影響への理解が不足したことが、住民、特に子どもの健康に大きな被害をもたらした。      ②-1 #チェルノ教訓

2012-04-20 22:29:59
so sora @sosorasora3

時宜を得た情報は、医療当局へもたらされず、医療当局は、放射能大事故の医学的影響を、解消する用意ができていなかった。 ヨウ素を用いた予防対策の実施は遅れたり、全く行われなかった。 その結果、甲状腺癌の頻度が急増した。特に子どもが甲状腺癌にかかった。    ②-2 #チェルノ教訓

2012-04-20 22:30:09
so sora @sosorasora3

③ 事故対応システムは欠如しており、事故状況下で、処理作業に対して何の準備もできていない人を、事故処理にあてることになった。 この決定は不合理であり、作業員の健康状態に与えた影響は正当化されない。    #チェルノ教訓

2012-04-20 22:31:49
so sora @sosorasora3

④ 被曝線量の大部分は、事故の急性期に放出された。 人々への健康、特に子どもの健康保護は、何よりも優先されるべきである。 プリピャチ市と、チェルノブイリ原子力発電所の周囲、30km圏内からの住民の避難は、正しいものであり、効果的だった。   #チェルノ教訓

2012-04-20 22:34:27
so sora @sosorasora3

この避難で、住民の被曝線量を約10000人・Svに防ぐことができた。が、 若干遅れたため、最大限の効果は得られなかった。効果的だった措置は、5月~9月までチェルノブイリ発電所30km圏の汚染地域から、「汚染されていない」地域へ、子どもたちを退避させたことである。 #チェルノ教訓

2012-04-20 22:40:47
so sora @sosorasora3

 その結果、子どもたちの被曝線量を30%まで防ぐことができた。 その後も子どもたちは、毎年4週間以上、保養施設で健康増進を行っている。 #チェルノ教訓

2012-04-20 22:41:23
so sora @sosorasora3

⑤ チェルノブイリ原発事故に関して、住民に、遅れることなく、しかも充分客観的な情報が伝えられなかったことが、社会に、心理的緊張を生み出す前提となった。 避難と移住の過程は、時には家族関係、友人関係、倫理的・文化的価値観を破壊した。   #チェルノ教訓

2012-04-20 22:45:16
so sora @sosorasora3

さらに、新しく住む場所に関して、被災者の選択権も考慮されなかった。チェルノブイリ事故の教訓として、住民の生活条件を変えるような決定を下す際には、被災者の希望を考慮する必要があると、認識することである。   ⑤-2 #チェルノ教訓

2012-04-20 22:46:20
so sora @sosorasora3

⑥ すべての住民集団は、子どもを含めて、チェルノブイリ事故後にも、生涯線量レベルの80-95%を、超えるような被曝線量を受けた。この被曝線量は「チェルノブイリの放射性核種」により形成された。   #チェルノ教訓

2012-04-20 22:49:26
so sora @sosorasora3

したがって、体内被曝線量を低減するための策を講じる必要がある。その方法は汚染されていない農産物、とりわけ子どもにとって重要な汚染されていない牛乳を確保することである。    ⑥-2 #チェルノ教訓

2012-04-20 22:49:40
so sora @sosorasora3

⑦ チェルノブイリに関するすべての健康問題は、被災者のモニタリング登録が事故直後に作成されていれば、より効果的に解決されていたであろう。 しかし、モニタリング登録簿は、かなり後に作成された。    #チェルノ教訓

2012-04-20 22:53:47
so sora @sosorasora3

だが、その後毎年実施されている、被災者の健康管理システムを含む医学モニタリングシステムが、疾患の早期発見に有効で、時宜にかなった治療を行う可能性を作り出している。   ⑦-2  #チェルノ教訓

2012-04-20 22:54:15
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