『科学哲学は物理学をどうしたいのか?』に対しての返答

谷村省吾教授(@tani6s)の科学哲学に対する疑問のTweetに対し、科学哲学者(でない人も含む)からの返答をまとめています。 承前:  哲学vs物理学:哲学ってただの「考え事」じゃないの?物理学者からみた哲学   http://togetter.com/li/284397  科学哲学は物理学について何か「指導的なこと」を言えるか? 続きを読む
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古田彩 Aya FURUTA @ayafuruta

でも、確かにそれは物理学者どうしで哲学を語っているから、ではある。本職の哲学者が入ってきたら、果たして盛り上がるだろうか? うーん、見てみたいけど。

2012-04-09 21:59:06
墓所の某(前世紀の尻尾) @kafukanoochan

@ayafuruta 最新の加速器実験のエピソードをダシにしても、しなくても、介入実在論の哲学者は、電子を実在と思ってる模様。電子の位置も速度(運動量)も、アインシュタインの定義でいうと、非実在。それで、何で 電子が実在と断定できるのか?

2012-04-09 21:59:22
古田彩 Aya FURUTA @ayafuruta

@kahukanoochan アインシュタインの実在の定義をどう見るかは、議論のあるところだと思います。

2012-04-09 22:41:05
シータ @Perfect_Insider

文系の後輩が「化学で分子が球と棒で表されて教えられて、『こんなものがあるわけないじゃないか!』と思ってそれ以降化学が嫌いになった」と言っていた。確かにこれは真っ当な感覚で(だから教育はあまり良くなかったのだろうが)、「何が実在するか」は科学サイドでも意外と重要なんじゃないかと思う

2012-04-10 00:08:07
シータ @Perfect_Insider

同じ後輩が「分子なんて見えないのに、なんでそんなのがあるなんて分かるんだ!」とも言っていた。もちろん「見えないから実在しないとして扱いましょう」という反実在論の立場には与しないが、でも「見えない分子がなぜあると言えるのか」をきちんと説明してこなかった科学教育の責任は重いと思う。

2012-04-10 00:10:08
シータ @Perfect_Insider

授業で教わる科学は、すべて完成形態のものをもっとも整理された形で「これが事実です」とだけ教えられて、なぜそれが正しいとされているのか、そこまでどういう道のりで至ったのか、などは教わらない。これでは科学の現実の営みは全然わからない。

2012-04-10 00:13:16
シータ @Perfect_Insider

例えば天動説は誤りだと誰もが知っているけど、地球が回るか天体全体が回るかは相対的関係なので「では理論のシンプルさ以上の地動説を支持する証拠はあるのか」と問われたときに、フーコーの振り子とコリオリ力にきちんと言及できる人はごく少数だと思う。

2012-04-10 00:16:57
シータ @Perfect_Insider

メンデルの法則はすごく当たり前の法則を単純な実験で確かめたように習うが、我々の身の回りにはメンデルの法則をきれいに満たす現象は実はごく例外的にしか存在しない。メンデルは理論の美しさから法則を確信し、それを実証する事例を丹念に探したのが真実。http://t.co/pT1noQ1n

2012-04-10 00:35:52
シータ @Perfect_Insider

地図と土地の関係はうまい表現。RT @masmt モデルというものを理解できてないんですよね。「科学というものは実在してるもの、そのものを記述している」と思い込んでいる人が多い。あくまで科学というものは私たちが世界を理解するための地図であって、土地そのものを記述しているのではない

2012-04-10 00:36:47
シータ @Perfect_Insider

熱力学の非常に重要な定理である「カルノーの定理」、通常の定式化ではこの定理がエントロピーの存在を基礎づけるわけだが、実はカルノー自身は熱素説を支持していた。

2012-04-10 00:40:46
シータ @Perfect_Insider

「現代人は、たとえば、熱を微小な粒子ととらえる「熱素説」を愚かな考えと嘲笑うことが多い。確かに熱素説は誤りであったが、その欠点を見抜くのは決して容易なことではなかった。電気現象を、電荷を担った粒子に基づいて説明する考えは、最終的には正しかったことを思い出してほしい。(続く)

2012-04-10 00:44:47
シータ @Perfect_Insider

(承前)マクロなふるまい(熱流と電流、摩擦熱と摩擦電流)だけをみることで、熱と電気の本質的な違いを洞察するのは、並大抵のことではない。」(田崎晴明『熱力学――現代的な視点から』p9)

2012-04-10 00:45:20
@hajimesugio

[1] 杉尾です.ご丁寧な返信ありがとうございます.前半が,Hacking の介入実在論からの科学哲学批判.後半が,小澤先生の不等式の誤差についての批判と受け取りました.tweet は[1]~[30]まで用意しました.@tani6s(以後,『@tani6s 本文』形式)

2012-04-10 01:27:11
@hajimesugio

@tani6s [2] まずは,介入実在論についてコメントしながら,科学哲学を擁護させていただきます.次に,科学哲学者として小澤先生の不等式における誤差の定義を擁護したいと思います.

2012-04-10 01:27:30
@hajimesugio

@tani6s [3] その前に,まずは取るに足らないささいな反論です.多くの良心的な科学哲学者は,そんな大それたことを考えていないと思います.RT @tani6s科学哲学が物理学について何か「指導的なこと」を言えるか?

2012-04-10 01:27:48
@hajimesugio

@tani6s [4] さて,本題に入りましょう.Hacking の介入実在論の話です.実在論を擁護したい科学哲学者としてコメントさせていただきます.(反実在論の立場の科学哲学者もいるからです.)

2012-04-10 01:28:04
@hajimesugio

@tani6s [5] 哲学者というのは,論理的に許される可能性を(それが常識に反していても)考えてしまう人間です.ご存知の通り,デカルトはあらゆるものを疑い,己の存在まで疑いました.そして,ようやく「考えている自分は確かにいるよね.」と納得したわけです.

2012-04-10 01:28:22
@hajimesugio

@tani6s [6] 現代人からすると不思議な人と思うかも知れませんが,哲学史を紐解いてみれば,デカルトの気持ちはわからなくもありません.しかし,ここに哲学者の典型的な態度が現れています.それは,疑いようのないものでも,疑おうとする哲学者の態度です.

2012-04-10 01:28:48
@hajimesugio

@tani6s [7] 哲学者は,「電子なんかあるに決まってる」ではなく,「電子があるとはどういうことか?」「本当に電子があると言うための十分条件は何か?」と悩んでしまうのです.

2012-04-10 01:29:09
@hajimesugio

@tani6s [8] Hacking は「何をもって実在とみなすことができるか?」ということを考えたときに,介入実在論という結論に達したのでしょう.EPRによる実在の定義と気持ちはそんなに変わらないと思います.やはり,問題意識の違いでしょう.

2012-04-10 01:29:22
@hajimesugio

@tani6s [9] それでは,そのような議論が,物理学そのものの議論や発展に役立つのか?という疑問です.それは,小澤先生の誤差の定義のところでコメントします.

2012-04-10 01:29:47
@hajimesugio

@tani6s [10] いずれにせよ,谷村さんが以下でおっしゃる『相手』とは哲学者自身でしょう.RT @tani6s (2)そんなマニアックで大げさな例を引っ張り出して来てまで「電子の実在性」を説得すべき相手がいるのか?

2012-04-10 01:30:08
@hajimesugio

@tani6s [11] 確かに,物理学者からすると,石橋を叩きすぎて前に進むのを忘れているように思えるのでしょう.しかし,趣味の問題だと思っていただけませんでしょうか.

2012-04-10 01:30:25
@hajimesugio

@tani6s [12] ある有名な建築家が築いた石橋を,「橋は渡ってこそ意味がある」と考えて芸術的な評価をしない人間もいれば,「ここの石の削り方,装飾の仕方が秀逸だ!」「ここの装飾をもっと綺麗にできないか?」など薀蓄をたれながら,なかなか石橋を渡らない人もいるでしょう.

2012-04-10 01:30:45
@hajimesugio

@tani6s [13]「この石橋は安全か?」と,文字通り石橋を叩いて渡る人もいるでしょう.そのような,性格の違いを認めてくれたら幸いです.良心的な科学哲学者は,物理学が間違っているとか馬鹿なことは言いません.

2012-04-10 01:30:57
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