島薗進氏による「放射線健康影響の専門家は精神論も専門家?②」

宗教学者 島薗進氏による『福島原発事故―内部被ばくの真実』(長崎大2012年3月)に関する連続ツイート第3部です。
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島薗進 @Shimazono

1放射線健康影響の専門家は精神論も専門家?②柴田義貞「福島第一原子力発電所の事故は日本人の精神構造を改めて明らかにしたと言えないでしょうか」同氏編『福島原発事故―内部被ばくの真実』長崎大学グローバルCOEプログラム放射線健康リスク制御国際戦略拠点2012年3月発行p203-4

2012-04-16 20:46:53
島薗進 @Shimazono

2放射線健康影響の専門家は精神論も専門家?②柴田義貞氏「第一は、歴史に学ぶ姿勢に欠けるということです。政府による避難区域の設定は、政府の関係者がチェルノブイリ原発事故の教訓をほとんど学んでいなかったことを示しています」柴田氏のような放射線の専門家が対策を考える立場では?

2012-04-16 20:47:09
島薗進 @Shimazono

3放射線健康影響の専門家は精神論も専門家?②柴田義貞氏の日本人の精神構造論。「第二は、確率の考え、したがってリスクの考えが、なかなか受け入れられないということです。黒か白か、安全か危険か、と二者択一を迫る傾向にあります。放射能あるいは放射線に対する異常なほどの恐怖心は」

2012-04-16 20:47:24
島薗進 @Shimazono

4放射線健康影響の専門家は精神論も専門家?②柴田義貞氏「科学的思考の欠如を示唆していますが、その遠因は確率の考えを受容しないことにあります」。では世界の科学者は100mSv被ばくした子供がどれほどの確率で健康を崩すとしているか、多様なデータをはっきり示してはどうか?

2012-04-16 20:47:50
島薗進 @Shimazono

5放射線健康影響の専門家は精神論も専門家?②柴田義貞氏の日本人の精神構造論の危うさ。日本人は確率論に弱いから放射線を恐れる?ドイツ人もイタリア人もそうなのでしょうか?ICRPが大いに参照しているBEIRⅦは「小児がんの研究からは、胎児期や幼児期の被爆では低線量においても

2012-04-16 20:48:46
島薗進 @Shimazono

6放射線健康影響の専門家は精神論も専門家?②柴田氏の日本人の精神構造論←→BEIRⅦ「発がんがもたらされる可能性があることがわかっている。例えば「オックスフォード小児がん調査」からは「15歳までの子どもでは発がん率が40%増加する」ことが示されている」10~20mSvでの数値。

2012-04-16 20:50:20
島薗進 @Shimazono

7放射線健康影響の専門家は精神論も専門家?②柴田義貞氏の日本人の精神構造論。「第三は、第二と密接に関連しますが、数字には強いが、その出自に無頓着であるということです。換言すれば、統計リテラシーに欠けているということです」えー?この断言の統計的根拠をうかがいたいもの。

2012-04-16 20:51:10
島薗進 @Shimazono

8放射線健康影響の専門家は精神論も専門家?②柴田義貞氏の日本人の精神構造論。同氏は食品安全委員会の食品健康影響評価書案へのパブコメの評価がその証拠と。パブコメは8割支持と述べていることを問題にしてる。食品安全委員会は統計的根拠とした?これが日本人が統計リテラシーに欠ける証拠?

2012-04-16 20:51:33
島薗進 @Shimazono

9放射線健康影響の専門家は精神論も専門家?②柴田義貞氏の日本人の精神構造論「第四は、論理的思考が欠如しているということです。福島第一原子力発電所の事故後に起こった健康事象の原因を事故による放射線被ばくに求める例が多々みられますが、現時点ではすべてアリストテレスによって」

2012-04-16 20:51:47
島薗進 @Shimazono

10放射線健康影響の専門家は精神論も専門家?②柴田義貞氏の日本人の精神構造論「論理的に誤りとされたポスト・ホック(前後即因果)な論法です。子どもの鼻血や紫斑を放射線被ばくによる急性症状と診断した医師がいることに唖然とします」。放射線の影響を疑う人は多いがそれだけでは

2012-04-16 20:52:03
島薗進 @Shimazono

11放射線健康影響の専門家は精神論も専門家?②柴田義貞氏の日本人の精神構造論。放射線の影響を疑うのは非論理的でない。双葉町の井戸川町長の事故直後の症状は無関係とはいえないのでは?他方、放射線の影響と診断した医師はどのぐらいいるのか?それが日本人が誤謬論法に陥り非論理的な証拠?

2012-04-16 20:52:26
島薗進 @Shimazono

12放射線健康影響の専門家は精神論も専門家?②の結び。『福島原発事故―内部被ばくの真実』(長崎大2012年3月)は山下氏「序」と柴田氏「あとがき」で放射線健康影響に関わる混乱をすべて国民(時に政府)の未熟さや劣った精神構造に帰してる。専門家側に問題があったという反省は見られない。

2012-04-16 20:53:19