牧眞司の文学あれこれ2
ジョン・バンヴィルやジュリアン・バーンズあたりを面白く読んだひとなら、プリーストにもハマると思う。だいたい同世代のイギリス作家だし。
2012-06-30 10:02:38プリーストの『限りなき夏』(国書刊行会)再読。デビュー作から最近作まで八篇を収録した、日本オリジナル短篇集。編・訳者はプリーストと言えば、このひとしかいない古沢嘉通さん。 (続く
2012-07-01 11:32:18気合いの入った「訳者あとがき」が実にいい。思い入れがひしひしと伝わってくる、また情報密度が濃く、そしてきわめて率直な(キレイごとを言わない)文章。ぼくもこういう解説を目ざしたい。 (続く
2012-07-01 11:32:35もちろん、収録作品も充実。長篇とはまた違ったプリーストの実力に唸る。紋切り型の評言だが、まさに「彫琢」のきわみ。アイデア、構成、表現、物語、どれをとっても無駄がなく引き締まっていて新鮮。しかしトガった感じはなく、滲みるように効いてくる。
2012-07-01 11:35:252012年前期に読んだ本は277冊。このなかからベスト37を選んだ。中途半端な冊数だけど、ぼくなりの評点でキリがいいところまで並べた結果です。★は新刊。
2012-07-01 13:56:47(1) レーモン・クノー『はまむぎ』(水声社《レーモン・クノー・コレクション》)★
2012-07-01 13:56:54(2) 金井美恵子『ピース・オブ・ケーキとトゥワイス・トールド・テールズ』(新潮社)★
2012-07-01 13:57:07(3) 岸本佐知子編『居心地の悪い部屋』(角川書店)★
2012-07-01 13:57:19(4) クリストファー・プリースト『ドリーム・マシン』(創元推理文庫)
2012-07-01 13:57:32(5) フリードリヒ・デュレンマット『判事と死刑執行人』(同学社)★
2012-07-01 13:57:40(6) ショーン・タン『ロスト・シング』(河出書房新社)★
2012-07-01 13:57:50(7) クリストファー・プリースト『双生児』(早川書房《プラチナ・ファンタジイ》)
2012-07-01 13:58:02(8) フリオ・リャマサーレス『黄色い雨』(ソニーマガジンズ)
2012-07-01 13:58:13(9) ホルヘ・ルイス・ボルヘス『ブロディーの報告書』(岩波文庫)★
2012-07-01 13:58:21(10) オラシオ・キローガ『野性の蜜』(国書刊行会)★
2012-07-01 13:58:31(11) レーモン・クノー『ルイユから遠くはなれて』(水声社《レーモン・クノー・コレクション》)★
2012-07-01 13:58:38(12) フェルディナント・フォン・シーラッハ『罪悪』(東京創元社)★
2012-07-01 13:58:48(13) レーモン・クノー『人生の日曜日』(水声社《レーモン・クノー・コレクション》)★
2012-07-01 13:58:56(14) クリストファー・プリースト『逆転世界』(創元SF文庫)
2012-07-01 13:59:06(15) パオロ・バチガルピ『第六ポンプ』(《新☆ハヤカワSFシリーズ》)★
2012-07-01 13:59:57(16) ジョーン・エイケン『レンタルの白鳥』(文芸社)★
2012-07-01 14:00:04(17) マーヴィン・ピーク『行方不明のヘンテコな伯父さんからボクがもらった手紙』(国書刊行会)
2012-07-01 14:00:13(18) ホルヘ・ルイス・ボルヘス『汚辱の世界史』(岩波文庫)★
2012-07-01 14:00:25(19) クリストファー・プリースト『限りなき夏』(国書刊行会《未来の文学》)
2012-07-01 14:00:32(20) トマス・ピンチョン『V.』(新潮社《トマス・ピンチョン全小説》)
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