ドイツ現代史学会シンポジウム「復興!…でもどこへ?」(2012年9月23日:於:立命館大学・朱雀キャンパス)

ドイツ現代史学会シンポジウム「復興!…でもどこへ?――ドイツからの提言」(2012年9月23日:於:立命館大学・朱雀キャンパス) 報告(10:30~12:30) ・趣旨説明 ―― 高橋秀寿(立命館大学) ・社会学の立場から ―― 伊藤美登里(大妻女子大学) 続きを読む
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noby @nob_de

小野:Walter(2010)の研究によると、緑の党の支持層が高学歴層の新中間層に(SPDの支持基盤と近接)。そうはいっても、緑の党が環境政策をドイツ政治に定着させた功績はある。メルケル政権が脱原発を進めると、赤緑政権(中道左派)は一体、何だったのか?赤緑の変質 #ドイツ現代史

2012-09-23 11:56:15
朝守飛阿弥 @heero108

(承前)メルケル政権が脱原発に舵を切った現在、赤緑政権はどのような意味をもつのか。個人的経験にもとづけば、ブラウンシュヴァイクの市民団体などは保守政権の掲げる脱原発政策を決して楽観視していない。CDU/CSUやFDPが脱原発デモに加わることはない。#ドイツ現代史

2012-09-23 12:00:09
noby @nob_de

小野:メルケル政権が脱原発をできたのはなぜかと独環境運動家達に問うと「いつ揺り戻しがあるかわからない」。デモには緑の党・社会民主党支持者は来ているが、キリスト教民主同盟支持者は来ていない。CDU/CSU/SPD/緑はやはり違う。これは文字にならない部分での違い。 #ドイツ現代史

2012-09-23 12:01:08
朝守飛阿弥 @heero108

(承前)脱原発デモという空間を共有していないことのもつ意味は意外と大きいのではないか。原発に関してはどの党も同じような政策を掲げているということもあり、ただ単に政策を見ているだけでは限界がある。現地に赴き、現地の活動家や市民団体と接触し対話することの重要性。#ドイツ現代史

2012-09-23 12:03:18
noby @nob_de

小野:なぜ脱原発できたのか?→倫理の重要性(永井清彦氏解説のドイツ倫理委員会(これも見たかったら来て)):メルケル首相が倫理委員会に従う法的義務はない。専門家委員会(原子力)も別にあった。メルケルは専門家委員会ではなく倫理委員会(原子力問題に関しては素人)の方を。 #ドイツ現代史

2012-09-23 12:03:59
noby @nob_de

小野:エコロジーとエコノミーの緊張関係。環境政策が重要だと多くの人は思っているが、経済成長も重要だと思う声も。/ヘルマン・シェーア(SPD党員だが党の政策とは距離を取っていた。2010年に死去)『エネルギー倫理法』の参照。 #ドイツ現代史

2012-09-23 12:10:41
noby @nob_de

③仲正昌樹氏(金沢大)「現代思想から見た『危機』と『民主主義』:ハーバーマスとか見てみたけど、あまり深い話ではないな、と(笑)。3.11以降の状況でなんとなく問題になっている民主主義の話題を。 #ドイツ現代史

2012-09-23 12:12:28
noby @nob_de

仲正:菅首相の熟議→民主主義にとって熟議が大事だとなんとなく認識された。3.11後に熟議の議論はどっかに行った。関心は民主主義に関しては「決められない政治批判」とは「ハシズム(決める)批判」に。しかし消費税等、決められると「こんな風じゃない」とのシーソーゲームが。 #ドイツ現代史

2012-09-23 12:15:26
noby @nob_de

仲正:NHK『民主主義の限界』、『一般意志2.0』への言及。ネットを通じての無意識化された意見の集約で意思決定のシステムもある。印象として伝統的左翼はなぜか批判せず。小熊『社会を変える』という議論の出現も。 #ドイツ現代史

2012-09-23 12:17:55
朝守飛阿弥 @heero108

ドイツ現代思想の大物・仲正昌樹先生のご報告。テーマのひとつは「熟議民主主義」。実はこのテーマを専門とされる新進気鋭の若手社会学者・田村哲樹先生は、ドイツ青年(運動史)研究の大家・田村栄子先生のご子息です。ちなみに私は今、栄子先生の隣に座っております。#ドイツ現代史

2012-09-23 12:18:27
朝守飛阿弥 @heero108

(承前)『一般意志2.0』を批判してもよさそうな学者・専門家が、意外にもそこでの主張およびそのスタイルを評価している。これをどう考えるべきか。おそらく、若い人に受けそうな方向性に迎合しているのではないか…仲正先生、初っ端からトばしておられますw #ドイツ現代史

2012-09-23 12:20:42
noby @nob_de

仲正:ドイツ現代思想からみた民主主義論。ハーバーマス、ロールズ:熟議的民主主義論のメインストリームに。異議=シャンタル・ムフ→排除されるマイノリティの問題(自分の中の他者を抑圧し西洋近代的な自己を身につけねばならない問題)→討議的民主主義。 #ドイツ現代史

2012-09-23 12:22:32
朝守飛阿弥 @heero108

(承前)ハーバーマス&ロールズ的な「熟議民主主義」論に対する「討議民主主義」論の登場。自分自身はポストモダン左派だが、カール・シュミットの民主主義論をかなり参照し、また再評価しようとしている。#ドイツ現代史

2012-09-23 12:24:00
noby @nob_de

仲正:ムフは、カール・シュミットを多く参照。「友/敵」理論の再評価。シュミット:自由主義(個人の価値)と民主主義(同一性、同質性の原理)の根本的矛盾。シュミットは民主主義の立場を取り、政治的な本質は友/敵の対立である。まず対立から出発。これが民主主義を駆動 #ドイツ現代史

2012-09-23 12:26:12
朝守飛阿弥 @heero108

(承前)シュミットのヴァイマル期における民主主義論。民主主義=同一性・同質性の原理。それこそがデモスによる支配。政治的なものの本質は「友」と「敵」との妥協なき対立であり、その対立が民主主義を動かしている。#ドイツ現代史 個人的には北守氏や長谷川氏にも参戦していただきたいところ。

2012-09-23 12:28:07
noby @nob_de

仲正:ムフ的な理解「民主主義のアリーナ(敵対しあうものが共存する)」。ドイツ的な自由民主主義について:英米仏では自由主義と民主主義の対立が初期から問題視、憲法内に個人の自由権の規定など。しかし独は民主主義実現が遅れる。個人の同意形成に関する議論はなかなか出てこない #ドイツ現代史

2012-09-23 12:30:04
朝守飛阿弥 @heero108

(息切れ)仲正先生の議論、トクヴィルやヘーゲルなども登場しいよいよ面白くなってきたが、私の脳みそがオーヴァーヒートしそうなのでここいらで休憩。というか、のびーさんのつぶやきの方が精度・密度ともに圧倒的に高いので、自分の出る幕はないと確信。#ドイツ現代史

2012-09-23 12:32:31
noby @nob_de

仲正:ドイツ(19世紀)=君主対議会制の議論。民主主義をコーポラティズム的なものに結びつけるのはヘーゲルだけではなく、初期社会主義運動にも、ヴァイマル期にも見られる。ドイツの自由主義はナショナリズムとの結び付きが強い(統一の重視):例、諸階級の統合、市民的教養など #ドイツ現代史

2012-09-23 12:32:43
noby @nob_de

仲正:ワイマール期の政治思想における民主主義:ウェーバー(ワイマール体制を見たわけではないが)。『新秩序ドイツにおける議会と政府』『職業としての政治』。『ライヒ大統領』:利害調整における官僚制統制の問題。政党も官僚化(Cf.ハーバーマス、生活世界の植民地化) #ドイツ現代史

2012-09-23 12:35:38
noby @nob_de

@heero108 こっちも息切れしそう…。まぁ、カンペキなものにしたら逆に問題かもしれないので、あくまでの自分自身のメモとして書きます。 #ドイツ現代史

2012-09-23 12:36:18
noby @nob_de

仲正:20世紀政治思想家たち:経済的利害の対立を超えて、政治=左右関係なく良き生を探求する場(共通善)、真の民主主義を求める方向性がある。/ケルゼン『民主主義の本質と価値』:民主主義(指導者と非指導者の同一性)は特定の価値観を優先せずに討議するのが理想。  #ドイツ現代史

2012-09-23 12:40:23
朝守飛阿弥 @heero108

(復活)ウェーバーは人民投票的なライヒ大統領制を理想化。政党が担うべきは人民の主張を吸い上げる機能。このほかシュミットやノイマンも、経済的対立の超克および公共善の追求こそ、本来的な政治の役割と考える。当時の政治思想家たちは左右関係なく「真の民主主義」を希求していた。#ドイツ現代史

2012-09-23 12:40:50
noby @nob_de

仲正:ケルゼン:どうやって指導者を選ぶかが課題。ノイマン、キルヒハイマー:中央集権的国家を創出し、コーポラティズム的な利害調整ではなく、経済を超えたところに政治を規定。シュミット:治者と被治者の同一性。討議し続ける議会主義を批判。アナルコ・サンディカリズムを評価 #ドイツ現代史

2012-09-23 12:43:35
朝守飛阿弥 @heero108

(承前)ドイツ系思想家はマルクスを参照しながら、政治=経済を超えたものと設定する傾向にある。#ドイツ現代史 この点、先日読了した松尾匡先生の『新しい左翼入門:相克の運動史は超えられるか』(講談社現代新書,2012年)における日本の左翼運動・社会主義運動をめぐる論点ともリンクする。

2012-09-23 12:44:44
noby @nob_de

仲正:シュミット『独裁』『ライヒ大統領の独裁』:独裁(緊急状態を数日間治めること→ディクタトール。通常の法規範を一時的に停止)→独裁と民主主義の両立可能性。→ライヒ大統領の緊急法権限/カエサルの喝采による正統性の創出=世論。ただシュミットはナチス支持者とはやや違う #ドイツ現代史

2012-09-23 12:48:55