無能に対して悪意を見出す人というのは、無能であるその人と、恐らくは等しく問題の解決に対して無能なんだろう

じゃあなんでそんな人達が教える側に回っているのか。
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medtoolz @medtoolz

うまくいかないとき、わからないときに、じゃあどうすればいいのか、どうすれば正解に近づくのか、上司と部下とがいて、両方ともそれを知らないのなら、経験年次を無駄にしたぶんだけ、上司の立場は悪くなる。上司がそれでも上の立場でいたいのならば、部下を殴って立場を分からせることになる

2013-01-31 09:59:50
medtoolz @medtoolz

どうすればいいのかを知るためには、自分の経験を言語化、体系化して保存しておかないといけない。言語化は恐ろしく面倒な工程で、それを試みるとたいてい、個人のパフォーマンスはむしろ悪くなる

2013-01-31 10:00:50
medtoolz @medtoolz

うまくいかないときに「こうすればいい」とプランを提示できる上司は、まずは個人の技量に熟達する時期があり、次に技量を言語化して、その代わりパフォーマンスをむしろ下げる時期があり、さらにそこからもう一度、言語化した経験を基礎に熟達してみせないといけない。やっている人は少ない

2013-01-31 10:02:13
medtoolz @medtoolz

言語化とは何かといえば、コントロールできる部分の拡大なんだろうと思う。無意識にできてしまうことをあえて言語化することで、それはコントロール可能になる。コントロールが不要であることと、コントロールができることとは意味が違う。

2013-01-31 10:03:13
medtoolz @medtoolz

意識的なコントロールなしに上手に物事が進んでしまうのならば、それをあえてコントロールすることに意味は無い。それをやるとむしろ効率や精度が落ちる。でもそれをやっておかないと、状況を乗り切るためにそれをコントロールしないといけない状況が生じた時に、手も足も出なくなってしまう

2013-01-31 10:04:20
medtoolz @medtoolz

自分には何がコントロールできるのか。何がコントロールできないのか。何を恐れる必要があり、何を恐れる必要がないのか。どこまでを自力に頼り、祈るのならば、それはどこのラインを超えてからなのか。熟達の度合いによって、見える風景は異なってくる

2013-01-31 10:06:12
medtoolz @medtoolz

当直の夜、研修医はたいてい、眠れないぐらいに忙しくなることを恐れる。どうか患者さんが増えないようにと祈る。慣れてくるとそのうち、一晩眠れなくても翌日ぐらいならどうにかなること、祈っても暴れても、患者さんの数は結局平均に回帰することを体で覚えるようになる

2013-01-31 10:07:30
medtoolz @medtoolz

「患者さんの数」と、それによる自分の疲労は、前者については諦めることができ、後者については自分でコントロールが出来る。割り切れれば、それは恐怖の対象から外れる。当直は、慣れるとむしろ、忙しいことではなく、自分にコントロールできない状況を恐れるようになる

2013-01-31 10:08:59
medtoolz @medtoolz

ものすごい重症で、最初から自分の施設では診療不可能な患者さんが来るのなら、それは診療可能な基幹病院に紹介すればいい。超高齢者なら、極論すればどれだけ重篤な患者さんであっても、「年齢だから」というエクスキューズを入れれば、状況のコントロールは手の内から外れない

2013-01-31 10:10:22
medtoolz @medtoolz

自施設で見るには重たく、かといってた施設に紹介するには、どんな大義名分を選択すればいいのか、アイデアが浮かばない患者さんがやってくる状況というのが恐ろしい。高次の基幹病院だと、このあたり「診るしかない」から、これも諦めの対象に入ってしまうのだけれど

2013-01-31 10:12:20
medtoolz @medtoolz

@kentarofukuchi 自分の言葉で何かを作るのって大事ですよね。。

2013-01-31 10:12:56
Kentaro Fukuchi @kentarofukuchi

@medtoolz 諏訪先生の学生さんの研究で、ボーリングの上達過程での発話採取をしたものがあるのですが、成績下降局面で言葉数が増え内容も細かくなっていき、上昇局面では言葉がすっきりしていくのだとか。内省・メタ認知とその言語化というのは成長には必須なのかもしれません。

2013-01-31 10:31:25
medtoolz @medtoolz

@kentarofukuchi こう、生まれたばかりの子供のほうが手足の動きのバリエーションはむしろ活発で、歩行を獲得する工程において、様々な動作はむしろ収斂していく、という観察を思い出しますね。。

2013-01-31 10:33:29
Kentaro Fukuchi @kentarofukuchi

@medtoolz あー、似てますね。赤ちゃんが喋ったらさぞ面白いだろうなあ。

2013-01-31 10:36:34
medtoolz @medtoolz

http://t.co/xveVJ0qf 興味を持った何かを、最初は他人の言葉を通じて学び、さらにそれを自分の言葉で語ってみせるのは大事なのだと思う。たとえ劣化コピーでも、学びというのは「コピー」ではなく、「劣化」という変性にこそ本体があるわけで

2013-01-31 10:14:40
medtoolz @medtoolz

誰かに対してある成果を仮想して、出力された結果が意図したそれと異なった時に、「じゃあこうすればいい」と言える人は、アドバイスをする。プランがない人は、相手の無能に悪意を見出す。叱るコーチは自身の無能を相手に投影している

2013-01-31 10:18:07
medtoolz @medtoolz

無能に対して悪意を見出す人というのは、無能であるその人と、恐らくは等しく問題の解決に対して無能なんだろうと思う。じゃあなんでそんな人達が教える側に回っているのか。

2013-01-31 10:22:09

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