公共の福祉と人権の制約について

ぱんでくてん🇺🇦@侵略戦争反対 @pandecten

あくまで民主制の回復の為に裁判所が介入する、それが二重の基準論の立場です。

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この考え方を基本に、各人権の保護レベルと、規制する基準を細分化し、体系的にまとめたものが、二重の基準論になります。

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精神的自由権の中でも、場合により適用する基準の厳しさを分け、経済的自由権でも同様の事を行います。

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芦部説だと四段階、判例だと三段階になりますかね。

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もちろん一番厳しい基準を適用されるのは精神的自由権です。表現の自由では、検閲や事前抑制、過度に広汎な規制・漠然不明確な規制が問題になる時に一番厳しい基準が使われます。

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これらの場合は、表現の自由に対して萎縮的効果があるため、文面上だけで違憲無効の判断がなされます。

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一発アウト、どんな時でもアウトになる場合です。しかし、未だにこの基準により違憲になったケースはありません。

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その次に厳しい基準、これは表現内容の規制に関するものです。

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実はここの話がしたかっただけでしたが、前振りが長くなりました (笑) ヘイトスピーチに関する規制はこの段階の話になります。

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わいせつ、名誉毀損、プライバシー侵害、営利的言論、差別的言論(ヘイトスピーチ)に関する表現の規制は、内容規制の問題となります。

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この階層で使われる基準は、「明白かつ現在の危険」の基準や、「定義づけ衡量」といったものです。

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表現の自由は精神的自由権ですから、表現内容により規制を行う場合は、許される表現と許されない表現の境目がはっきりしていなければなりません。

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また、本当はOKな表現でも、自主規制しなければならなくなるような、萎縮効果を持つ規制も許されません。

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その為には、表現規制による利益と、規制により失う利益をシビアに衡量しながら、許されない表現の定義を行う「定義づけ衡量」の方法が、内容規制の場合には重要になります。

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もう片方の「明白かつ現在の危険」の基準についてですが、これは「煽動」を処罰する場合に問題になるとされます。判例では使われていませんが。

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「機動隊をせん滅しよう」とか、「朝鮮人は皆殺しにしよう」といった場合です。犯罪に繋がりそうな内容の表現で問題になります。

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学説では、明白かつ現在の危険という基準を用いて規制の是非を判断します。

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これは、「害悪の発生する危険が明白であり、かつ、現に存在するに至っているかどうか」という基準で、とても厳格なものです。

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ただ、判例はこの基準を使ってません。では、どのような基準を使っているのか。

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渋谷暴動事件で、最高裁は、「表現活動といえども、絶対無制限に許容されるものではなく、公共の福祉に反し、表現の自由の限界を逸脱するときには、制限を受けるのはやむを得ない」と判断しました。

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全く基準を示してません。説明不足です。これでは一番初めに紹介した、一元的外在制約説を使ったと言われても文句は言えません。

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判例と学説が完全に対立していると言えます。