- uchida_kawasaki
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玄妙さん米国子ども10万人に300人甲状腺がんの根拠とされる論文がこちら。 Thyroid Nodules and Cancers in Children http://t.co/XxKH5Vm9hz 有料なので一部紹介しながらみていきます。
2013-03-28 12:15:56こちらのアブストでは Thyroid nodules are clinically evident in approximately 1% of children and about 30% of these are malignant. とあり、子どもの1%に甲状腺結節があり、
2013-03-28 12:16:3530%が悪性とのことから、10万人あたり0.3%の300人が甲状腺がん、との解釈。 しかし、本文イントロには30%の記述なし。 http://t.co/PwtfU1YfvB
2013-03-28 12:16:59イントロには、小児がんの0.5~3%が分化型甲状腺がんとの記述はあるが、やはり結節の30%ががん、とは書いていない。 http://t.co/0BvQDV2cAQ
2013-03-28 12:17:10読み進めると、Clinical presentationの項にそれらしき記述がある In children, solitary nodules may have an approximately 30% to 50% chance of being malignant [39]
2013-03-28 12:17:55有病率とは書いていないし、母集団もわからないが、孤発性結節の30~50%に悪性の機会がある、との記述。 http://t.co/P25HCcI0nh
2013-03-28 12:18:06リファレンス39番を見ると、どうも Thyroid nodules and thyroid cancer in children and adolescents. という教科書からの引用。 http://t.co/YJrD3AJoSr
2013-03-28 12:18:20Google Books先生にうかがうと、ある程度ネットで読める。 http://t.co/dFQsxVVw2s http://t.co/j0VT3T7m5D
2013-03-28 12:18:35ところが、項目冒頭p522のバックグラウンドの項では、21歳未満の甲状腺がんは100万人に1~15人と書いてある。 http://t.co/bPMA0Rifdk
2013-03-28 12:18:48読み進めると、該当箇所は、教科書p527のやはりClinical presentationにあった。子どもでは、結節の悪性リスクが30~50%ありうる、とのこと。これを疫学的なものとして読むと、冒頭と整合性が取れなくなる。 http://t.co/ABVEJObngj
2013-03-28 12:19:05ついに大元の大元。これらの論文が一次資料とわかる。 Thyroid masses: approach to diagnosis and management in childhood and adolescence http://t.co/MA6gOwd9dT
2013-03-28 12:20:23および Solitary thyroid nodules in 71 children and adolescents http://t.co/TwIReDOFcT
2013-03-28 12:20:37本文は読めないが、前者は甲状腺腫瘤一般の診断法に関する論文。後者は71名の子供・青年の手術例に関して、放射性ヨードのシンチレーションでCOLDの結節(悪性の可能性あり)のうち、25.5%が悪性だった、という論文。
2013-03-28 12:21:15少なくとも、これらから小児の甲状腺結節一般の30%が悪性である、との結論を導くのは難しい。最初の論文、教科書、いずれにおいてもClinical presentationの項で紹介されていたことからも、小児一般ではなく、あくまで手術までいくような症例に関する参考、とみるのが妥当。
2013-03-28 12:21:43したがって、 Thyroid Nodules and Cancers in Children Isil Halac, Donald Zimmerman からは、米国子ども10万人に300人甲状腺がんとはいえない、と考えられます。 お疲れさまでした。
2013-03-28 12:22:28