基礎からはじめる大砲のメカニズム(閉鎖機編)

火砲の閉鎖機構についてのお話。 歴史を何となく追いつつ、隔螺式、螺旋式といった一般的なものから、ちょっと変り種の閉鎖機までざっくりと
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えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

この尾栓は他に、仏軍の37mm Mle1916歩兵砲にも採用されました http://t.co/Nod4UPFSaP 本砲は転じてFT-17軽戦車の一部にも採用され、仏軍だけでなく黎明期の米軍機甲部隊にもその姿を見ることが出来ます

2013-05-06 00:39:59
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

Nordenfelt Breechを日本では「偏心螺式」と呼びました。この尾栓は全周にネジを切ることが出来るため強度に優れ、日本では1920年代の新野砲開発時にこれを採用する動きもありました。しかし構造上無駄な部分が多く重量が嵩む欠点もあり、結局それが為に採用されませんでした

2013-05-06 00:43:48

鎖栓式閉鎖機

えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

恐らく最も知名度の高い閉鎖機が「Sliding Wedge Breech 」、すなわち「鎖栓式閉鎖機」です。と言っても、仏郎機の小砲と楔の組み合わせと根本的には変わりません。材質が相当に進歩し、楔が吹き飛ぶ心配が減ったのです http://t.co/fIwI70jFVI

2013-05-06 00:46:02
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えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

鎖栓式閉鎖機には様々な種類があります。鎖栓を開く方向によって垂直鎖栓あるいは水平鎖栓と呼び分けたりもします。垂直式でも大抵はバネが効いているので、重い尾栓を持ち上げる労力などは無用です。他に少数派ですが斜め鎖栓も見られます http://t.co/aaxYZD7ahN

2013-05-06 00:48:50
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JagdChiha 〄 次元不可能性撹拌機 @Jagdchiha

@FHSWman あれ、斜め鎖栓は原理的に可能なのは分かりますけど、実際に見たことがないです 実際の使用例とかありますかしら

2013-05-06 00:54:09
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

. @Jagdchiha 例えばM7中戦車の75mmは斜めになってます。斜め鎖栓というより垂直鎖栓を45度傾けたと言ったほうがいいでしょうけども。ただ、傾けた垂直鎖栓と斜め鎖栓の区別は出来ませんよね

2013-05-06 00:57:19
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

材質が改善されたとはいえ、やはり鎖栓は断隔螺栓よりは強度に劣るのです。同じ強度を実現するためにはより頑丈な尾栓が必要になるわけですから、一般に鎖栓式閉鎖機は隔螺式閉鎖機より重い傾向があります。強度を補うために鎖栓の側面に段を設けて接触面積を増すといった工夫も考え出されます

2013-05-06 00:53:07
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

隔螺式閉鎖機の開閉はThree MotionだのContinuous Motionだのと酷く複雑でしたが、鎖栓式閉鎖機のほうはかなり単純です。典型的な方式では鎖栓に溝を掘り、これをレバーと噛み合わせて開閉させます http://t.co/3JKJp3kwEm

2013-05-06 00:54:27
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えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

鎖栓式閉鎖機のメリットとして、発砲後に自動的に尾栓を開放する機構と組み合わせやすいという点があります。ごく単純化した図はこちら。反動によって砲身が一旦後退し、復座器によってい前に戻る際に解放ハンドルがツメに捕まり、開放されます http://t.co/ZwngVGrXZP

2013-05-06 01:01:00
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えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

もちろん実際にはもう少し複雑です。装填手が操作する閉鎖機ハンドルを自動解放機構が直接触れるようなものはまず見られません。例えば独軍の7.5cm PaK40対戦車砲では、自動開放機構は砲尾上の筒の中に納まっています http://t.co/xbkLreOLXe

2013-05-06 01:03:06

鎖栓式──Closed JawとOpen Jaw

えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

最初に紹介した鎖栓式閉鎖機は「Closed Jaw」と呼ばれるタイプで、これ以外に鎖栓の後面が完全に露出している「Open Jaw」型もあります。少々強度に劣りますが、点火機構のメンテナンスがClosed Jawより容易です http://t.co/YiNdKohtL6

2013-05-06 01:06:18
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えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

Open Jawのもう一つのメリットは自動閉鎖が可能なことです。これは尾栓にバネの力が掛かっており、薬莢を押し込んだ際にロックが外れて自動的に閉じるメカニズムです。Closed Jawでこれをやると手を挟まれてしまいます http://t.co/4KdI9oQp9z

2013-05-06 01:09:37
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JagdChiha 〄 次元不可能性撹拌機 @Jagdchiha

Open Jawは知らなかったなあ http://t.co/6gotsHTuoX こんな感じで片方だけ開いてるものは結構ありますが

2013-05-06 01:09:38
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

@Jagdchiha 25ポンド砲とか、赤軍45mm対戦車砲なんかこの構造ですね。日本37mmも確かそうで、意外にWW2だと多いです

2013-05-06 01:13:01

鎖栓式──Tied Jaw

えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

双方の良いとこ取りをしたようなタイプが「Tied Jaw」で、強度はOpen Jawより高く、メンテナンス性はそこそこ。自動開放機構とも組み合わせられます。昨今の機関砲を除いた薬莢式の火砲は大半がこの方式なのではないでしょうか http://t.co/kSidvTgFAh

2013-05-06 01:12:07
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えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

自動閉鎖機構と自動解放機構を備えた閉鎖機は自動開閉閉鎖機と呼ばれます。発射速度を高めやすいのが特徴で、口径によっては人力でも毎分30発を超えることも可能です。これに対し、自動開放機構のみを備えたものは半自動開閉閉鎖機(または半自動閉鎖機)と呼ばれ、こちらも発射速度向上に寄与します

2013-05-06 01:15:27
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