「量子力学ってどうも騙されているようで納得できない」人のための量子力学入門連ツイ
- hashimoto_tokyo
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量子論 @日経サイエンス。個人的には、マクロな経験しか持たない人間の解釈は、意味がなくなりつつあると思う。ただそれでも、4次元空間を想像できるような天才が、モデルを作り上げて行くんだろう。
2013-05-28 22:19:20@muramototomoya で、実在概念、局所性、因果律に疑いが生じた時に、局所性と因果律はあっさり無罪にしてしまったのは論が弱い。有罪を仮定したモデルを作ることはできるんじゃないの?証拠がないってだけで。
2013-05-28 22:25:28@tani6s こんにちは。日経サイエンスを読ませて頂きました。1点質問があります。P41で局所性と因果律を容認しておりますが、「古典世界の常識」に囚われた判断になっていませんでしょうか。論旨が合わないように思われたのですが、理解ミスがあればご指摘いただければと思います。
2013-05-29 20:12:21おお! 来ましたね。今回の特集の本丸を突くご質問です。ここは物理学者の中でもかなり意見が割れるところで,先生方とも何度も議論させて頂きました。以下,谷村先生のお答えです。
2013-05-30 16:34:11muramotoさん@muramototomoya、こんにちは。局所性と因果律を許容して、実在性だけを疑うのはなぜか?というご質問、ごもっともな質問です。以下、自分のツイート形式で答えますので、お手数ですが、私のツイートページをご覧下さい。
2013-05-30 15:00:34なぜ局所性と因果律は妥当だと信じられるのか、というのは難しい問いです。 https://t.co/4rd261UmmU/https://t.co/HYxrLO2tOW
2013-05-30 15:01:341)局所性と因果律はマクロな古典世界で何度も確かめられている常識であり、2)ミクロ世界の物理法則である相対論的場の量子論は局所性と因果律を尊重するようにできており、3)その理論が合わない現象はなく、
2013-05-30 15:02:414)超光速粒子(もしあれば局所性と因果律を破る)は探しているけれども一度も見つからない、といった理由が挙げられます。
2013-05-30 15:02:52それに対して、「測定しなかった物理量が、測定したときと同様に測定値を持っている」という実在概念は、文字通りには一度も確かめられていない信念です。字句意義から言って、「測らなかった値が、測った値に等しいかどうか」は確かめようがありません。
2013-05-30 15:03:16実在性を疑うのは、この字句通りの実在性は確認されたことがないし、確認不可能だからです。実在性が一番疑いやすい、よく考えたら信じる根拠がないのです。
2013-05-30 15:03:36局所性や因果律を疑ってもよいのですが、局所性や因果律が成り立たない世界は、かなりとんでもない世界になるし、そのような理論を作ってもよいですが、「何でもありな理論」になりがちなのです。
2013-05-30 15:03:54時系列に並んでいるため矢印の向きが逆ですが、「ここんところが肝」の指すのはひとつ前の「局所性や因果律を〜」とする谷村さんのツイート。
そのような理論はアスペ実験は説明できるかもしれませんが、とんでもない現象(テレパシーや過去への通信など)も起こってよいという予測を与えてしまうのです。
2013-05-30 15:04:13「アスペ実験で2√2という値が出て来ることは説明できて、2√2よりも大きな値は出て来ないことも説明できて、その他のとんでもない現象は予測しない理論」を作るのは難しいのです。
2013-05-30 15:04:44科学というのは保守的な学問ですから、とんでもない修正なしで済ませられるなら、それにこしたことはありません。「そういう判断は常識に囚われているのではないか」と言われるかもしれませんが、そのとおり、物理学は常識的なものなのです。非常識になりたくてなっているわけではありません。
2013-05-30 15:05:24私の記事でも p.41-43あたりで、実在概念・局所性・因果律を比較して疑う議論を書きました。局所性・因果律に対する疑いを長々と書いても、後が続かないし、その二つは十分確かめられているので、あっさりした扱いになっています。
2013-05-30 15:05:54最初に草稿を書いたときは、局所性・因果律はもっとあっさり扱っていたのですけども、それだと不満が残ると編集者の方に言われて、ちょっとは書き足したのです。
2013-05-30 15:06:08おっとっと。はい,そうでした。ここのところはかなりしつこくお願いした憶えがあります。読者からも研究者からも,一番ツッコミが入りそうだと思ったもので。
2013-05-30 16:41:12谷村先生は「実在性」「局所性」「因果律」のどれかを捨てなくてはいけないのなら,実在性を捨てるべきだ,と明快です。でもやっぱり物理は実在するものについて語ってて欲しい,実在性を捨てず,なおかつ整合性を取る方法もあるんじゃないか,と思うのも人情なわけで。
2013-05-30 16:42:42例えば,谷村先生の実在性の定義は「物理量が観測する,しないにかかわらず値を持つ」ことですが,これにある種の制限をかけた「限定的な値」なら測定しようがあるし,そういう値は実在すると思っていいんじゃないか,という議論も最近あります。これは実在概念そのものを問い直す流れ。
2013-05-30 16:43:42あと,測定者は1度に1つの値しか測定できないけど,測定者自身が2重に存在していて,「1人がこっちの値を測っているとき,もう1人が別の値を測定している」と思うと,実在性も局所性も救える,とする意見もあります。これはよく「多世界論」と呼ばれます。
2013-05-30 16:46:02まだ結論を出せるほど物理が進んでいない,という立場もあります。木村先生は「私はこの問いこそ世界を理解する鍵になると思っているが,答えを出すのは時期尚早」と判断を留保されます。
2013-05-30 16:48:24「アスペ実験で2√2という値が出て、2√2よりも大きな値は出て来ないことを説明できる理論」があるとことは、p.51の木村元氏の記事に書かれています。これが従来の量子論の数学的原理ではなく、情報に基づいた原理から説明できるという点が目新しいです。
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