猫神博士の人間豹シリーズ(ツイッター小説)
人間豹は飢えていた。今宵の獲物は服の下にスクール水着を着ていた。「いやん、見ないでっ!恥ずかしいっ!」身をよじって羞恥にのたうちまわる姿は、まるでよがっているように見えた。「なるほど、そういうプレイか…」 #twnovel
2010-10-16 22:44:39人間豹は飢えていた。暗闇の中で誰かの唇が頬に触れたように感じた。かすかな声で「さようなら」と言うのが聞こえた。いつか出逢った、存在感の薄い女だなと思った。彼女の存在が今、完全に消滅したのに違いない。今夜は呑もう、と人間豹は思った。 #twnovel
2010-10-15 22:43:30人間豹は飢えていた。今宵の獲物はセーラー服の美少女だった。と思ったら、セーラー服を着た内縁の妻を名乗る熟女だった。 「知ってる!こういうのが好きなんでしょ?」やれやれと思いつつ、まんざら悪い気もしない人間豹であった。 #twnovel
2010-10-15 18:52:06人間豹は飢えていた。今宵の獲物はうら若きシスターだった。人間豹を見るなり跪いた彼女は「主よ罪深き私めをどうかお許しください」と哀願するのだった。「俺は神様じゃない!」と即座に否定した。だけどどうして彼女には人間豹が神に見えたのだろう? #twnovel
2010-10-14 23:10:05人間豹は飢えていた。今宵の獲物はカリスマと呼ばれる女性美容師だった。見事なハサミ遣いで隙のない動きは、人間豹の攻撃をかわすと同時に、彼の髪をあっという間にカットしてしまった。虎刈りにされた人間豹はしばらく人前に出るのを控えたという。 #twnovel
2010-10-14 22:53:28人間豹は飢えていた。今宵の獲物は売れない少女漫画家だった。「ああ、ついに見つけたわ、わたしの王子様!あなたをモデルに漫画を描くわ」また厄介なのに関わってしまったかも知れないと人間豹は思った。 #twnovel
2010-10-14 18:48:04人間豹は飢えていた。「眠り姫にはキスすればいいのさ」狼男が言った。「そうでもないらしいぜ」人間豹は新聞の三面記事を示した。「恐怖の眠り姫!唇に毒薬……死の接吻!プロバビリティの犯罪か?無差別殺人の催眠プログラムか?」姫はまだ眠ったままだだという。 #twnovel
2010-10-13 20:31:14人間豹は飢えていた。今宵の獲物はネグリジェを着て深夜の街を徘徊していた。夢遊病者だ。眠った相手を襲うのはフェアではないと思った人間豹は、眠り姫が眼醒めるのを待つことにしたが、ついに夜が明けるまで彼女が眼を開けることはなかった。 #twnovel
2010-10-13 19:14:25人間豹は飢えていた。場末の酒場で呑んでいると「知ってるか?」狼男が言った。「マイケルは実は生きていて、この帝都にいるらしい」「いいか」と人間豹は答えた。「そういうのを都市伝説と言うのだ」 #twnovel
2010-10-12 22:03:39人間豹は飢えていた。今宵の獲物は、後ろ姿の美しい女だった。背後から襲いかかると、後頭部の髪の毛が左右に分かれて、中から大きな口が現れた。「二口女!」正体に気がつくのがもう少し遅れていたら、髪の毛に絡みとられて、頭からかぶりつかれるところだった。 #twnovel
2010-10-12 19:06:30人間豹は飢えていた。@honoka405 こんな私でよろしいのなら、どうぞ差し上げましょう。気の済むまでしゃぶり尽くし喰らい尽くし、飽きたら路傍に棄てて下さいませ。twpoem #twnovel 「望み通りしてやろう。だからその前に服を着な、いただくのは食事の後だ」
2010-10-11 20:04:59人間豹は飢えていた。今宵の獲物は深い紺碧の瞳をしていた。見つめていると吸い込まれそうだと思った瞬間、彼の身体は宇宙空間を漂っていた。幾多の星雲を越え無数の星を追い越して暗黒の彼方に青い地球を目撃する。気がつくと路地裏で、青いビー玉を覗いていた。 #twnovel
2010-10-11 19:54:41人間豹は飢えていた。枯葉舞う街角に年老いた流しの歌声が響く。「セラヴィ…それが人生さ」人間豹はかつて一度だけ愛した女の面影を思い出す。出逢いと別れが同時に訪れたファムファタール。街はセピアに染まり、冷たい風が吹き抜ける。 #twnovel
2010-10-09 23:12:45人間豹は飢えていた。深夜の路地裏を薄絹を纏った美女が燐光を発して舞うように走り抜けるのを見たような気がした。その後から捕虫網を持った少年が駆けてきた。「あっちだ、少年!」美女が去った方を指して人間豹は言った。どうしてそうしたのか自分でも解らない。 #twnovel
2010-10-08 23:53:04人間豹は飢えていた。今宵の獲物は、雨も降っていないのに大きな傘をさしていた。襲いかかると、一瞬傘を閉じ、次の瞬間、傘から手足を出したような格好になり、美しい一本脚で飛び跳ねるように走り去って行った。傘化けにも男女があるのだなと妙に感心した人間豹だった。 #twnovel
2010-10-07 21:44:10人間豹は飢えていた。獲物を求めて地下街をさまよううちに、どこをどう間違えたのか見知らぬ地下道に入り込んでしまったらしい。レンガでつくられたかなり年代ものの地下道は分厚い鉄の扉で行き止まりになっていた。「どうやらこの街には俺の知らない秘密がまだまだあるらしいな」 #twnovel
2010-10-05 12:30:25人間豹は飢えていた。場末の酒場で狼男と呑んでいるとテレビに見たことのある顔が映った。いつかの女芸人だった。相変わらずネタはつまらないが突撃レポーターとして人気が出てきたのだと狼男が教えてくれた。「そうか」杯を傾けた人間豹は、ちょっと嬉しそうな顔をしていたという。 #twnovel
2010-10-04 20:40:41人間豹は飢えていた。深夜の霊園で何だかにぎやか音がするので行ってみると、マイケル・ジャクソンがゾンビたちを集めてダンスパーティを開いていた。仲間入りするのはまだ早すぎるので、気付かれないようにその場を後にした。 #twnovel
2010-10-04 18:30:30人間豹は飢えていた。その夜のお相手は、いつかの貪欲な熟女だった。「あの夜が忘れられないの」せがまれて、何度も逝かせてやらなければならなかった。そして数日後、彼女が「人間豹の内縁の妻」と自称していることを知った時、女難の相とはこのことかと思い至る。 #twnovel
2010-10-03 21:03:37人間豹は飢えていた。夜の巷を徘徊していると「帝都の母」と呼ばれる占い師が声をかけてきた。「あんた、女難の相が出てるわよ」「おう、望むところよ!」強がりを言ってチップをはずんだが、あとでそれを後悔することになろうとは、その時の人間豹は知るよしもなかった。 #twnovel
2010-10-03 20:09:45人間豹は飢えていた。今宵の獲物は金髪の美人ギタリストだった。「一曲弾いてみな」その流麗なギタープレイに陶酔した人間豹は、いっぺんで彼女のファンになってしまった。別れ際「コンサートの時は呼んでくれよ、君の名は?」「オリアンティ!」 #twnovel
2010-10-03 19:10:12人間豹は飢えていた。今宵の獲物は豹柄のミニスカートをはいた大阪で生まれた女だった。迷わずスカートの中に顔を突っ込むと、むっちりとした太ももに挟まれた。「極楽やなぁ」と人間豹は思った。 #twnovel
2010-10-03 17:29:33人間豹は飢えていた。今宵の獲物は首筋の美しい和服美人だった。その美味しそうな首に、吸血鬼のようにかぶりつこうとした時、首はにょろにょろと伸びはじめて、瞬く間に人間豹をがんじがらめにしてしまった。 #twnovel
2010-10-02 18:16:39人間豹は飢えていた。古ビルの地下にミニチュアの帝都を目撃した翌日「いいものを見せてやろう」と先日の美大生を誘って件の古ビルにやって来たが、そこには地下都市はおろか、ビルそのものがなかった。「信じるわ」と彼女は言った。「嘘ならもっとマシなはずだものね」 #twnovel
2010-10-02 14:19:28人間豹は飢えていた。深夜の路地裏を歩いていると、身長10センチほどの小人の美少女が、古いビルの蔭に隠れるように走り去るのを目撃した。そのビルの地下へ通じる小さな孔を覗いて見ると、そこにはミニチュアサイズの東京の街がパノラマのように広がっているのであった。 #twnovel
2010-10-02 11:51:51