『宮城の土木史』に見る宮城県の海岸事業

「宮城県沿岸自治体史の災害記事を読んでみた」(http://togetter.com/li/654254)の続編です。 沿岸の防潮堤建設の計画段階で、既に津波を巡る宮城県南北の評価に差があったことを確認しました。土木方面ではごく当たり前のことだったかもしれませんが、歴史的背景をあらためて確認することにしました。
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佐藤賢一の中の人 @ke_1sato

→「防潮堤」の必要性をもちろん名取市は認識していたのだが、津波被害の想定が抑も「貞山堀」よりも東だけに限っていることが、今となってはそのあまりの過小評価に無念の思いを禁じ得ない。やはり、宮城県南の津波災害の意識は、このような状況だったのである。

2014-05-06 21:31:00
佐藤賢一の中の人 @ke_1sato

次に岩沼市だが、『岩沼市地域防災計画』(昭和60年度修正)では、「本市の海岸線は総延長9.2kmを有し。。。環太平洋地震帯に属し、さらには台風の経路として常に津波、高潮災害の危険にさらされ。。。特に、本市において、高潮、津波が予想される区域は、→

2014-05-06 21:33:56
佐藤賢一の中の人 @ke_1sato

→ 相の釜(浜)地区から新浜地区に至る海岸地帯一帯であり、現在相の釜、二の倉、長谷釜、寺島海岸を部分的に延5.8kmにわたり高さ7.20mの防潮堤が整備されたものの、延3.4kmは未整備の現状。。。なお、県、及び関係機関に未整備箇所の早期完成を図るよう要望する」(p.35.)と。

2014-05-06 21:35:19
佐藤賢一の中の人 @ke_1sato

岩沼市の場合も、堤防未整備部分の早期着工を求めており、先に述べた宮城県の海岸事業の遅れがあったことを裏書きしている。まだ「ハザードマップ」という言葉が一般化する以前の内容なので、被害想定地域も地区名しか挙げられていないが、名取市と同様、岩沼市も沿岸地区のみが列挙されている。

2014-05-06 21:41:38

まとめ

佐藤賢一の中の人 @ke_1sato

先日は、自治体史の災害記事から宮城県南北の間に津波被害の意識の差があったことを紹介したが、宮城県と国が関わった海岸事業の想定にすら南北差があったこと、そしてその工事の進捗が県南地域の防災計画にも陰に陽に影響を与えていたことも見て取れた。思っていた以上に根の深い問題かもしれない。

2014-05-06 21:44:37