Hiro Hirai先生集中講義 最終日

2013年7月25日、東京大学駒場キャンパス。1日目の様子はこちら(http://togetter.com/li/696344)、2日目の様子はこちら(http://togetter.com/li/696832)、3日目の様子はこちら(http://togetter.com/li/697419)です。
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Q @kimo_Q

『わが人生の書』で一箇所だけ対話が出てくる。ここで対話はイニシャルで行われるのだが、おそらくカルダーノ自身と守護霊との対話になっている。 #BH集中講義

2014-07-25 11:43:30
Q @kimo_Q

通常スピリトゥスは人格を持たないもの、ダイモーンは人格を持つとされたが、カルダーノの世界ではあまり区別されていなかったかもしれない。自分にかかわる霊的存在をダイモーンと呼ぶことを避けたのかもしれない。 #BH集中講義

2014-07-25 11:43:43
Q @kimo_Q

守護霊の訪れは神がカルダーノに心をかけている証拠で、カルダーノは守護霊を通して神から徴を受け取る特別な才能を自らが持っていると信じていた。特徴的なことに彼は守護霊を父親と重ねあわせている。 #BH集中講義

2014-07-25 11:43:49
Q @kimo_Q

こういうふうに守護霊と父親のイメージは重なりあっていたので、カルダーノにとって守護霊は人生の指針や慰めを与えるものでもあった。 #BH集中講義

2014-07-25 11:45:29
Q @kimo_Q

『父ファツィオとの対話』は自分の救いのためのもの、『わが人生の書』は弁明のためのものだった。前者のアイデアが公表して差し支えない範囲で後者に行かされた。両者の関係をふまえると、守護霊というものが『わが人生の書』のばらばらに見える各部を統合しているようでもある。 #BH集中講義

2014-07-25 11:47:27
Q @kimo_Q

守護霊は癒やしや慰めを与えるだけでなく高度な認識能力に関するもので、それはカルダーノが重視した自己の能力つまり予知に関係していた。それはホロスコープで読み取ることができるものだった。これが伏線になっているのでは #BH集中講義

2014-07-25 11:48:41
Q @kimo_Q

コメント:よくわからなかったこと。守護霊が各部を統合する特別な存在になっているが、なぜ『わが人生の書』で扱われるいろいろなテーマのなかで守護霊がそれほど特別な位置を占めているというふうに言えるのだろうか? #BH集中講義

2014-07-25 11:48:54
Q @kimo_Q

「たしかにあまり明示的には書かれていない。ただ最晩年まで常にカルダーノが父親の像と対話をしていたということがメインのテーマだと思う。目に見えないあの世にいってしまった父親と対話するカルダーノの姿を描くということ。」 #BH集中講義

2014-07-25 11:50:20
Q @kimo_Q

「それを人間カルダーノを描くクライマックスの章として著者は持ってきたのではないかと思う」 #BH集中講義

2014-07-25 11:51:04
Q @kimo_Q

「ただどこかから声を聞こえてきたというだけではキリスト教のなかでは問題視されないのではないか。『目を覚ませ』と聞こえたとか。なぜカルダーノのものはだめなタイプだったのだろうか」 #BH集中講義

2014-07-25 11:57:00
Q @kimo_Q

「ダイモーンという言葉を使ったのが問題なのではないかという説はある。ギリシア神話に出てくる半神。そういう特別な能力を持つものがダイモーンだが、キリスト教のなかでは悪魔に近いとされることも。結局どういう意味でその言葉をカルダーノが使おうとしたのかは問題。」 #BH集中講義

2014-07-25 11:57:39
Q @kimo_Q

「フィチーノとカルダーノの時代の違い。前者は宗教改革前でおおらかだった。宗教改革によってカトリック圏でも教会を刷新しようとする運動、対抗宗教改革が起こり、締め付けが厳しくなった。特にカルダーノが書いていた1570年代などというのは」 #BH集中講義

2014-07-25 11:57:47
Q @kimo_Q

「本全体で自伝一本をかなり集中して検討している。それをいろいろなコンテクストを参照しながらどうやって出てきたのか分析しようとしている。インテレクチュアル・ヒストリーの典型的な手法のようにも思えるがどうだろうか」 #BH集中講義

2014-07-25 11:58:43
Q @kimo_Q

「そういうことは言えると思う。ただ各章のもとになるものを書いた時代と本ができた時代にはギャップがあり、最前線の研究よりは少し遅れているところはある。ただ一般向けの本でもあるので出版した」 #BH集中講義

2014-07-25 12:00:06
Q @kimo_Q

「その後の最前線のカルダーノ研究はどういう進み方をしたのだろうか」「著者は2000年代の前半に引退を考えたようだ。だから10年くらいは読めていない文献がある。カルダーノ研究は毎年何本も論文が出て一気に進むというものではないが。」 #BH集中講義

2014-07-25 12:01:29
Q @kimo_Q

「言葉に新しい意味を付与する場合もあれば、いまだったら新語を作ることもある。今回講義を通して出てくるようなもののなかでは後者はどれくらいあったのだろうか」「基本的には古代に権威があるから、新しいものを作るよりはより古代の権威に近いという議論が多い(続)」 #BH集中講義

2014-07-25 12:03:52
Q @kimo_Q

「だから新しい言葉を作るよりは、なるべく古代に存在した言葉を使っていこうという発想。新語を作ることがさかんになるのはおおまかには17世紀以降のような気がする。」 #BH集中講義

2014-07-25 12:05:44
Q @kimo_Q

関連文献 坂本邦暢「カルダーノ研究の最前線:本書の解説にかえて」榎本『天才カルダーノの肖像』所収 amazon.co.jp/dp/4326148268 #BH集中講義

2014-07-25 12:07:55
Q @kimo_Q

「宗教的締め付けと研究の発展の関係は」「一概には言えないけどマイナスの面のほうが多いのではないか」「先ほどの論文では、パラケルススの場合では締め付けがあったからこそ体系化を進めたという話があった」 #BH集中講義

2014-07-25 12:09:06
藤本大士 @fujimoto_d

最後に、著者・榎本恵美子さんの業績についてはこちら。 geocities.jp/bhermes001/eno… #BH集中講義

2014-07-25 12:09:15
Q @kimo_Q

#BH集中講義 午前中は以上です。今日の午後のセッションは13:30開始ですのでよろしくお願いします。

2014-07-25 12:10:06
Chiaki Suda @chiaki_suda

ヒロヒライさんのBH集中講義togetterが注目のまとめと今週の人気として取り上げられています!注目のまとめにおいては、すでに三日分全てのっていました。外部からの注目度が伺えますね。 #BH集中講義 pic.twitter.com/xowGVS8f90

2014-07-25 12:58:45
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藤本大士 @fujimoto_d

午後の講義がはじまりました。まずは、午前中にできなかったイェイツ『ジョルダーノ・ブルーノとヘルメス主義伝統』についての学生発表から。 #BH集中講義

2014-07-25 13:31:45
Q @kimo_Q

#BH集中講義 午後のセッションがはじまります。まずイエイツ『ジョルダーノ・ブルーノとヘルメス教の伝統』22章「ヘルメス・トリスメギストスとフラッド論争」の紹介と議論から。amazon.co.jp/dp/4875024290

2014-07-25 13:31:59
Q @kimo_Q

まずメルセンヌによる魔術批判。『創世記の諸問題』。これは雑然としているが、魔術を知り抜いて魔術師の実践的操作の基盤となる世界精気や世界霊魂の教義を攻撃した。 #BH集中講義

2014-07-25 13:38:05
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