2010年5月 バレーペディア(赤本)発売
「セットからスパイクヒットまでの時間」がテンポの分類に使用されていた。
渡辺氏の主張と反する記述になんらかの圧力があったのであろうと推察しつつ、自分なりにしっくりくる分類を考え始める。
当時の考えは『強行突破SPORA別館』2010年5月のアーカイブから辿ることができるが、当時はまだダイレクトデリバリーに縛られており、直接リンクは行わない。
個人的には『ラーメン屋』を『カフェ』に書き換えられて、ラーメン屋だからこそジャージ姿でもスウェット姿でも気軽に行けるんだろうと著述の思惑を理解しない編集に激怒した本。
「セットからスパイクヒットまでの時間」が掲載されたことによって、全日本の男女共におかしな方向性で強化をしていることが目立つようになります。
そこで #vabotter ではファーストテンポの定義が連日話題となりました。
2011年夏のワールドグランプリにおける全日本女子とアジア選手権における全日本男子のチームコンセプトを観て、ワールドカップでの惨敗を予見して警鐘を発した。
「『速いトス』=放物線を描くトス」という考えから、横方向への移動速度が速いトスを『流れるトス』と考えはじめ、ファーストテンポのトスに関する定義も自分の中で変化をしている。
「ファーストテンポ=基準」として、ファーストとセカンドの分類など必要無いのではないかと考え始めたのもこの頃。
垂直落下率という私の造語からセット軌道を説明しようとしています。
--2011年 ワールドカップ
Vリーグで久光製薬スプリングスの試合中継を見ながら、セット軌道の話に発展しました。
全日本バレーボールチーム男子の植田監督の発言から始まった一連のついっと。
ボールの軌道について理解されず、私は苛立っています。
・バスケのフリースローの距離からオーバーパスでバレーボールリングに当てないようににバスケのゴールに入れるには、放物線軌道ではかなり高く上げなくてはいけなくて難しい。
・ピンポン球を数メートル離れたゴミ箱に投げ入れる…みたいな遊びをやってみてもいい。バレーボールのカゴにボールを投げ入れてダイレクトインする遊びよりも極端な軌道を描くので面白い。
そして『よいセットはちっとも速くないけどきちんとアタッカーの手元に届く』と結論付けています。
2012年4月 バレーペディア(白ペデ)発売
テンポの定義で「セットからスパイクヒットまでの秒数」の記述を阻止するために、渡辺氏の誘いで編集会議に参加。
秒数の記述は初版を読んだ全日本の取り組みを実例に、記述を求める委員に反対をする。
ファーストテンポの定義は #vabotter 周辺で議論が盛んになり、「セットの瞬間にアタッカーがジャンプ」という定義を渡辺氏が中心となって主張していた(踏み切り基準)。
スパイクに関してはまずレフトからの攻撃で考える私は、スロット1とスロット5で比較するとセッターまでの距離に差があり、踏み切りのタイミングで縛るとさまざまな問題が起こると主張してあくまでセット軌道での分類にこだわった(セット軌道基準)。
改訂版では『主導権』という概念をもってファーストテンポを説明することになり、広義・狭義の分類が行われることとなる。
用語の議論中にニュアンスを表現しようとする言葉の断片に言いがかりをつけてきた編集委員に頭にきて編集会議は脱退。自身の研究を実のあるものにしたかったら、日頃から議論のための用語を誰の目にも見えるようにしておけよ( #vabotter に出てきて『ファーストテンポ』同様、多くの人に見られている状態で考えを詰めろ)。
NOTE1点と『エンド観戦のすすめ』を記述。
秒数の記載が無くなり、「主導権」という言葉が出てきて、これまでバレーペディアをしっかりと読み込んできた人にも混乱が生まれてきます。
白ペデの定義に寄り添った形でセット軌道を説明しようとしています。
・トスの頂点を低くすることが目的じゃないの。アタッカーのヒットポイントにトスの頂点を近づけていくことが目的なの。それがファーストテンポのセット。
・アタッカー基準でもセッター基準でもなくて、きちんとヒットポイントに来ないアタッカーはダメだし、きちんとヒットポイントにセットできないセッターもダメ。
「ダイレクトデリバリーで1stテンポは実現可能なのか、必然的にマイナステンポになってしまい実現不可能なのか、その点が実は明確になってないという問題」という疑問により「ダイレクトデリバリーはファーストテンポの対象外」という重要な考え方が生まれてきました。
白ペデに寄り添った主導権の話でまとめたところ、指導系の方からの疑問があり、私はこう言い放ちます。
「ダイレクトデリバリーではアタッカーが相手ディフェンスを見ながらあれこれできる攻撃の選択肢が無いところから、そもそもテンポの対象外なのだ」
「より早く。より高く。より強く。持っている技術をあれこれ使って相手をやっつける。ダイレクトデリバリーからの攻撃は、この中のひとつも該当しない」
そして以下のまとめを行います。