《パウロ・フレイレ「被抑圧者の教育学」を読む》のメモ

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tu-ta @duruta

里見訳「被抑圧者の教育学」から:民衆を「破壊的狂信」にかりたてる要因は、意識化ではない。反対だ。意識化は民衆が主体として歴史に介入することを可能にする。それはファナティズムを回避しつつ、自己肯定に向けての歩みのなかにみずからの足跡を刻むことなのだ。

2010-12-26 19:44:17
tu-ta @duruta

教育社会学とは基本的に学校制度をとおして人間が選別されていく、その支配のメカニズムをとらえる学問  里見実さんの《「被抑圧者の教育学」を読む》252pから

2010-12-26 19:50:59
tu-ta @duruta

「文字なしで暮らしてきた人びとが文字を獲得していくときに、たんなる道具の獲得ということを超えた底深い変化がその人の中で起こるのですね。世界の見え方というか、世界と自分のかかわり方というか」と里見さんはいうのだが、文字なしで暮らす人が多数だった社会で文字がないことは問題なかったはず

2010-12-26 19:55:17
tu-ta @duruta

人はラスコーの壁画以来、演劇的身振りとか絵画…、さまざまなコード表示をつかって、世界と向きあい、それを「意味あるもの」として再構成してきた…。そのようにして、人間が世界と向き合い、そこにみずからを再定位する過程を、フレイレは「意識化」と呼んで…《「被抑圧者の教育学」を読む》から

2010-12-26 20:01:17
tu-ta @duruta

「意識化」という概念については、後年のフレイレは、ある種の自己批判をふまえながらかなり用心深くつかうようになり…。主観性の領域を特権化してはならないと考えてのことです(もちろん、主観性を軽視する「客観主義」対しては徹底的に否定的であり続けますが)《「被抑圧者の教育学」を読む》から

2010-12-26 20:04:55
tu-ta @duruta

もともと文字というものは「帝国」の所産で、文化支配と一体のものでした。その文字文化を広い意味での場の文化のなかに囲いこんで、その性格を変えてしまうというのが、彼の識字戦略…。文字の文化をオーラルな文化や身体性のなかに送り返していくのです。《「被抑圧者の教育学」を読む》256pから

2010-12-26 20:09:48
tu-ta @duruta

岡本―はっとしたのは、被抑圧者のたたかいが、抑圧者をも解放する、人間化するたたかいなのだという指摘です。現在の日本社会での運動にとっても示唆に富んでいると思いました。《「被抑圧者の教育学」を読む》257pから

2010-12-26 20:13:01
tu-ta @duruta

ネコやイヌの場合はどこまでいっても完璧にネコやイヌ…ヒトの場合…人間になる可能性と非人間化する可能性の両方に向かって開かれ…。人間が人間になるのは容易なことではなく、生得の能力と信じられている思考力のようなものも、じつは…非常に不安定…人間の人間化は「宿命」でなく「使命」(前掲書

2010-12-26 20:18:26
tu-ta @duruta

70年代に・・・一歩、日本の外に出ると、ボアールがどうとか、フレイレがどうとか、いたるところで…聞こえてくる。・・・民衆レベルの、ベーシックなところでの動きにたいしては、日本の知識人は鈍感で閉鎖的でしたね。(《「被抑圧者の教育学」を読む》262pから)この状況、現在はどうだろう

2010-12-26 20:23:32
tu-ta @duruta

フレイレ理論のなかで本来大きな比重をもっている…にもかかわらず、彼自身があまり十分に展開していない論点の一つに、からだの問題…。ベル・フォックスはそこに大きなアクセントをかけているな、というのがこの本(『とびこえよ、その囲いを』)を…読んだ…印象《「被抑圧者の教育学」を読む》から

2010-12-26 20:29:21
tu-ta @duruta

何を教えるかとか、どう教えるかとか、そんなことばかりが教師の世界では問題になりがち…もっと根本的な問題は、教室のなかでの自分おからだの「こわばり」をどうほどいていくのか、ということ…。先生って、どうしても、がんばっちゃう…。(その)ときにまずいのは人の話が聞けなくなること(前掲書

2010-12-26 20:34:28
tu-ta @duruta

フレイレは「知っている者が知らぬ者に教える」ために「まず、知っている者がけっしてすべてを知っているわけではないこと、つぎに、知らぬものが何も知らぬわけではないことを知ることが必要…」と《「被抑圧者の教育学」を読む》267pから

2010-12-26 20:38:03
tu-ta @duruta

抵抗としての文化運動をどう考えていけるかという問いに里見さん:なかなか大きな展望はもてない…。小さな場で何ができるかを考えていくほかない…。・・・大変ささやかなことかもしれませんが、あなたはそう思うか、どうしてそう思うのかを丹念に問いかけ、教室を「自分の考え」をつくる共同の場に

2010-12-26 20:44:15
tu-ta @duruta

ネガティブな現実をしっかりと見据えながら、そのなかに反転の契機を見つけだしていくというのが、フレイレのやり方でした。被抑圧者が非人間化という極限状況をいわば跳ね板にして意識化と変革の実践に歩みでていく、という『被抑圧者の教育学』の基本姿勢のなかにも、支配と抑圧の装置として(続く

2010-12-27 02:11:23
tu-ta @duruta

機能している学校教育のなかにそれを反転する抵抗の契機をつかみとろうとする対話の理論にしても、厚く塗りこめられた黒々とした色調のなかから光を探すように議論をすすめていくのが彼の文章の特徴…一語一語たどりながら読んで、ぼくもあらためてそう思いました。《「被抑圧者の教育学」を読む》から

2010-12-27 02:12:12
tu-ta @duruta

フェリット・エドギュ『最後の授業』から:…ここを去ることになったので君達に頼みたいことがあるんだ―/ 先生が教えたことを全部忘れて欲しいんだ。地球は回ってるよ、そうなんだけれどもね、ここでは…してないと思う方が正しいのかも…《「被抑圧者の教育学」を読む》から 孫引き

2010-12-27 02:59:03
tu-ta @duruta

『抑圧』を本質とする『教育』という制度を、その本質とはずらした実践の場、自由と解放の行為に転化していく可能性をフレイレは信じていて、その「反転」の契機を探っているのです 《「被抑圧者の教育学」を読む》19pから

2010-12-27 03:36:05
tu-ta @duruta

『伝達か対話か』…原題…直訳すれば「普及か、コミュニケーションか」…/…この本はフレイレの主著とされている『被抑圧者の教育学』に匹敵する重要な著作なのですが、その価値が正当に認識されていません。《「被抑圧者の教育学」を読む》19pから

2010-12-27 03:39:04
tu-ta @duruta

ボアールの『被抑圧者の演劇』を例に、こうした演劇をとおして創造されるのはたんなる作品ではなく「公衆」だと里見さんは書く。public、観衆とともに公衆という意味、ポリスの広場で問題を討議する公衆が存在してはじめて民主主義が実質化されると。《「被抑圧者の教育学」を読む》25pから

2010-12-27 03:47:56
tu-ta @duruta

たとえば「移民を排斥せよ」という主張に「公衆」としてどう向き合うか。なぜ、それが主張されるのか、実際、具体的な問題は何か、ということを見ていけば、問題は「移民」ではなく、「知らない」とか「知らされていない」ことであり、日本人のなかにも同様の問題があることは理解できるはず

2010-12-27 03:52:15
tu-ta @duruta

「進歩」的で「革命」的な思想が外側からもち込まれて民衆に「伝達」もしくは「注入」されても、普及を特徴づけている関係性は変わりません。変革されなければならないのは、この関係性であるはずです。《「被抑圧者の教育学」を読む》28pから

2010-12-27 04:10:42
tu-ta @duruta

人びとの生きた経験、それに裏打ちされた民衆知との交渉をとおして、伝統的な知識人の「制度知」もまた脱構築…グラムシ…可能性において、すべての人間は有機的知識人…《「被抑圧者の教育学」を読む》30pから

2010-12-27 04:14:59
tu-ta @duruta

話の成否の決定的な鍵は、聞き手の側に…。いくら自分が一生懸命に考えて話しても、相手が一緒に考えてくれなければ、それまでなのです。相手が考えてくれない場合は、自分もほんとうのところ、考えているとはいえないのだと、フレイレは…言っています。《「被抑圧者の教育学」を読む》31pから

2010-12-27 04:19:24
tu-ta @duruta

芸術家の実験的な作品は、それを受けとめる読者や聴衆との出会いによって、はじめて作品として成立します。しかしそういう公衆が、作品創造に先立ってあらかじめ存在しているわけではありません。出会いによって公衆はそのつど生み出されるのです。《「被抑圧者の教育学」を読む》31pから

2010-12-27 04:22:44
tu-ta @duruta

三度追加、これが、《「被抑圧者の教育学」を読む》読書メモの代わりになるか実験中 http://togetter.com/li/82998

2010-12-28 03:30:14
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